西郷どん第30話「怪人 岩倉具視」岩倉どん、いやむしろ鶴瓶どんでございもした
とどでございます。
いやもう岩倉具視(いわくらともみ)というかまんま鶴瓶師匠。
鶴瓶に乾杯を見ている気分でした。岩倉に乾杯。
明治維新の主要メンバーといえば武士出身の人々に注目が集まりますが、今回出て来た岩倉具視は公家出身で天子様のお友達。割と異色を放つ存在ですね。
身分がきっちり決められている朝廷の中で、その実力によってのし上がった猛者です。
今回は西郷どんというよりは岩倉どんな感じの回でした。
前回のあらすじ
長州討伐で手柄を挙げた西郷さんは一躍薩摩のヒーローに。
西郷さんと結婚したい女子たちが押しかけるものの、弟による面接で「うちは貧乏ですが大丈夫ですか?」の問いにアワアワしてしまった女子たちはお祈りされることに。
そんな折、大久保一蔵の計らいで海老原家に嫁いだ糸さぁが西郷家に昇進のお祝いに来てくれました。
なんと糸さぁは海老原さんに離縁を言い渡されてしまったようで、岩山家に戻って来たようです。
西郷家の人々は「糸さぁと結婚しなよ」と勧めてくれるものの、当人たちはあまり乗り気では無い様子。
それでも西郷さんは結局プロポーズして、自分に素直になった糸さぁもそれを受けてくれました。めでてぇ。
サツバツとしていた京編に比べると、だいぶ安心して見てられる感じがありました。
今回はこんな話
今回のハイライトはこちら。
- 朝廷と幕府の結び付きを緩めるために近衛殿に頼むも、相手にしてもらえず
- 近衛家で岩倉具視の存在を知った西郷さんは一蔵と一緒に彼の元へ
- 同じ思想の岩倉と手を組もうとする西郷さん
- 早速朝廷で工作するかと思いきや、岩倉はなんと賭場を開いて遊んでた
- 西郷さんも参加するも、見事に全外しですっからかんに
- それはそれとして、なんと桂小五郎も参加してた
- 禁門の変の件で薩摩を恨む桂小五郎と一触即発な大久保一蔵
- 負け分を仕事で払うため、西郷さんは御庭方になった
- 岩倉の書いた手紙を見て、諸藩を動かせるかもと思った西郷さんは、まず薩摩の仲間に布教
- 岩倉具視の息子もやって来て、天子様に見捨てられた訳では無いことを知った岩倉は、西郷さんに協力することに
今回も気になる所を中心に。
久々の近衛殿
子供に家督を譲っても、一応サポートの立場にある近衛殿。月照さんがいたポジションにいました。
朝廷と幕府の離反工作をお願いしに行った西郷さんでしたが、流石に危ない橋すぎて近衛殿は「無理ぽ」とお断り。
それはそれとしてお金を渡していましたが、口止め料ってことなんでしょうか。
今回岩倉具視もやたらとお金を要求して来ましたし、朝廷の中もお金が物を言う感じなのでしょうかね。
薩摩で貧乏している西郷家のことを考えると、仕事とはいえぽんぽんお金が飛んでいくのは辛いです。
ヤモリと呼ばれた岩倉具視
カタカナでヤモリって書くと、なんだか字面がタモリと鶴瓶みたいな感じになりますね。
大久保一蔵が岩倉具視と知り合いだと聞いて、西郷さんは彼と一緒に岩倉具視に会いに行くことに。屋敷はホームアローンのトラップの様相を呈していました。
この岩倉具視、第14代将軍の徳川家茂への和宮降嫁(皇族以外の人と結婚すること)を実現させた人です。これによって島津久光の公武合体運動が非常にやり易くなったこともあり、薩摩にとっては実は恩人だったり。ただ、その後の参預会議がうまくいかなかった点は26話で出て来ました。
もともと「和宮様と結婚させてください!」と言って来たのは幕府側で、朝廷の皇女と結婚すれば幕府の威光を示すことができる、なんて狙いがあったんです。
和宮親王はもともと有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみや たるひとしんのう)と婚約していた皇女。幼い頃から婚約していたため、最初は幕府側の申し入れを断っていました。
しかし、岩倉具視が条件付きで特別に認めるべきと進言したことで、婚約解消、降嫁へと相成りました。
その条件とは、井伊直弼が勝手にサインしちゃった通商条約を破棄すること。幕府側は10年以内に攘夷を実行します、と約束したのでした。
この攘夷を頑張って実行しようとしていたのが長州藩です。今回出て来た桂小五郎も「天子様のために」と口にしていましたが、下関戦争で頑張って攘夷を実行したのに朝敵扱いされるとか、長州もかわいそうな立場です。巡り合わせが悪かったのよ……。ただ京での振る舞いは……まぁ、そうねぇ。
なお、婚約解消された有栖川宮熾仁親王は、のちに戊辰戦争で東征大総督(幕府討伐の総大将)となって江戸を攻めにいきます。なんだかドラマチック。
博打の才能が無い西郷さん
今回のギャグパートの賭場in岩倉邸。賭場・伏見の戦いです。音楽もなんだか軽快なものに。
「お金をカジノコインに変えてくださいね」なんてノリで掛札を買わせる岩倉具視。再起のためにお金をためている感じです金。
挑発された西郷さんはあっさり博打に乗るものの、面白いように全部外します。全部当てる確率と同じ。
薩摩で貧乏している西郷家のことを考えると、仕事とはいえぽんぽんお金が飛んでいくのは(ry
博打に強いと言われていた篤姫を連れて来れば儲けられたかも。
それはそれとして、賭場には桂小五郎が紛れていました。お尋ね者なのにこうした場に顔を出すとか恐怖でしかなさそうですが、情報収集でもしてたんでしょうか。
西郷さんたちに気付かれて逃げ出すものの、回り込まれてしまいました。はぐれメタルは多分こんな気持ち。
薩長の喧嘩
桂小五郎は西郷さんの助力で一橋公と面会し、朝廷に「長州は朝敵じゃない」と働きかけてくれるようにお願いしたけれども、結局その前に準備していた御所襲撃計画を新撰組に嗅ぎつけられ、禁門の変を起こして言い訳のできないレベルで朝敵となった長州藩。
桂小五郎からしたら「裏切ったな!」みたいな気分になったみたいです。
しかし禁門の変の前年には、長州藩は公家と組んでクーデターを起こそうと画策していたので、八月十八日の政変で京を追い出され、その時点でもはや朝敵扱いになっていました。
クーデター起こそうとしていた長州藩が文句言うのは違うんじゃねぇか桂さんよぉ、と大久保一蔵が桂小五郎に食ってかかります。まぁそうだよね。しかも薩摩藩は「薩賊」なんて言われて風評被害を受けてますし、薩長の溝はかなり深い。
……冷静に考えたら、よくこんな状態から同盟まで持って行けたなぁ。そこにも岩倉具視の力があったってことでしょうか。岩倉すごい。
麻呂は諦めてへんのや!
岩倉具視が喋るたびにこれを思い出しました。
口では返り咲きを待っているような感じでしたが、西郷さんが岩倉具視の屋敷で手紙を見つけると、「もう麻呂は天子様に忘れられたんや!」と実は諦めムードでした。
したためた意見書も「全部妄想や!」と屋敷の外に捨てちゃうし、意見書を書くことで心を安定させようとしていたのかも。
天子様を一橋公と切り離すにしても、その工作を行うためには岩倉具視が朝廷の中にいないと話にならないですもんね。朝廷にいない現実を見つめてしまうと心が折れちゃいそうになるのかも。
将軍の意見すら無視し始めた一橋公
孝明天皇に近づいて自分の地盤を固めようとする一橋慶喜。
幕府としても、あまり自分勝手に動かれては困るためか、一度江戸に帰って休養してみては? と打診しましたが、「いかに公方様といえども、天子様の勅命で京にいる俺を動かすことはできん!」と突っぱねます。手紙まで破く強気の姿勢。
第14代将軍の徳川家茂にとっては、自分の部下が義理のお兄さん(孝明天皇)の名前を使って好き勝手動いている状況ですから、なんとか止めたいと思うのも致し方なし。
それに対して「外野がワーワー言うな!」みたいな態度で臨む一橋公はなかなか強気です。
西郷さんが主役のドラマなので西郷さんの思想とは相反する感じになっていますが、一橋公には一橋公なりの理想があったのかも。この辺はもう話の都合だよね。
どうやったら日本を外国から守れるのか? なんて当時分かるわけないし、今でも分からんもの。みんなが手探りで、でもみんなが幸せになるように頑張っていたはず。……はず。
岩倉具視の息子登場
薩摩の仲間に岩倉具視の考えを布教した西郷さんは、岩倉具視の屋敷に彼らを連れてきました。
それと同時に、岩倉具視の息子もやってきました。この役者さん、岩倉具視の写真に顔ちょっと似てましたね。気のせいか。
彼から、「朕はそなたのことを気にかけておるぞ」と孝明天皇からの言葉を聞いた岩倉具視は大感涙。
早速薩摩の武士たちに岩倉具視の考えを伝える準備に入りました。自分の作戦を実行する手段がなくて困っていたところに、それを解決できるかもしれない兆しが見えればやる気も湧いてきます。
まとめ
今回は岩倉どんでした。むしろ鶴瓶どん。
下級とはいえ実力で孝明天皇と話せるレベルまでのし上がった岩倉具視はかなりの傑物です。
近衛殿以外の公家とのパイプができた西郷さんはこの後薩長同盟まで猛ダッシュ。
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