西郷どん第31話「龍馬との約束」まさかのダブルブッキングで龍馬激おこ

2020年2月10日

下関で待ちぼうけ

とどでございます。

以前ちらっと出てきた坂本龍馬がここで薩摩にやってきました。

そういえば8年前の2010年には坂本龍馬が主人公の大河ドラマが放送されていました。懐かしかー。

久光役の青木崇高さんは、龍馬伝では土佐藩の後藤象二郎役を演じていました。後藤象二郎は坂本龍馬と深く関わった人物です。西郷どんでも島津久光として坂本龍馬と関わりましたね。

後藤象二郎は西郷どんでも出てくるようですし、青木さんにとっては自分の前世に合うような不思議な感覚になりそう。

今回はこの坂本竜馬が西郷さんに協力してくれるのですが、前半トントン拍子で物事が進むのに対し、後半は裏目裏目になってしまう対比がいい感じでした。

前回のあらすじ

朝廷と幕府の結びつきを緩めるため、公家をまわって離間工作を行う西郷さんは、下級の家の出身ながら、孝明天皇の側近にまで上り詰めた岩倉具視と知り合いになりました。

政争に敗れ、岩倉村で隠遁生活を送る岩倉具視でしたが、「いつか返り咲く」とチャンスを待っているようでした。

その岩倉具視は朝廷と幕府を離し、薩摩・長州で手を組むべき、と手紙をしたためていたので、これと同じことを考えていた西郷さんにとっては朝廷へのパイプができたことに。

京の薩摩藩邸にいた薩摩の仲魔たちを岩倉邸に呼び、教えを請いました。

このタイミングで、岩倉具視の息子から孝明天皇のメッセージがもたらされ、天子様とのつながりが絶たれていなかったことを確信した岩倉具視は、手紙に書くだけだった作戦を実行に移すことにしました。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 坂本竜馬「俺を買ってくれ!」
  • 坂本竜馬を薩摩に連れて帰った西郷さんは久光に引き合わせました
  • 長州討伐への参戦を防ごうと久光と茂久に進言したら、まさかの「幕府を見限るから出兵しないよ」と返事が
  • 坂本竜馬は長州に知り合いがいるらしく、同盟のための渡りを付けてくれることに
  • 西郷さんと糸さぁの貴重なラブラブシーンを邪魔するものが
  • それは長州から走ってきた土佐の中岡慎太郎で、桂小五郎と会談の場を持てたとの知らせが
  • しかし、同じタイミングで京の大久保一蔵から緊急ヘルプ要請が届いたので、海江田に桂たちへの手紙を託して西郷さんは京へ
  • 長州征伐を食い止めたかった西郷さんでしたが、結果として手紙が届かず、桂と龍馬を裏切る形に
  • 一蔵「天が見放しても俺がそばにいる」

今回も気になる所を中心に。

流された島津雨の話

雪蓬さんが語り始めた島津雨の話は、はしゃぐ熊吉によって流されました。雨だけに。

島津のご初代様の生まれた日に雨が降っていたことから、鹿児島では「あいにくの雨ですね」じゃなくて、「島津雨でよかったですね」なんてポジティブに捉えるみたい。

島津家の初代は源頼朝に重用されていた島津忠久。重用されていたどころか、頼朝と側室との子供という説もありますから、家督を継いでいないとはいえ、大事にされていたのがわかります。

そりゃ雨の日もめでたいわ。

鎌倉時代から明治まで、600-700年も家が続いてるとか繁栄の証だし、「島津雨」は嬉しいキーワードになりもす。

坂本竜馬の薩摩入り

京で西郷さんに買われて薩摩にやってきた坂本竜馬は、西郷さんのお家でお世話になることに。

糸さぁの立場からすると、結婚初日に単身赴任に行った夫が、半年ぶりに単身赴任から帰ってきたら仕事場の人を連れて帰ってきて、あまつさえ家に泊めるとか言い出した、みたいな状況。

現代だったら発言小町が盛り上がりそう。

さてその龍馬は、土佐出身で雨漏りの修理もお手の物でした。雨漏りがひどい西郷さんちの修繕を手伝ってくれることに。

西郷どんの中ではあまり土佐の状況に継いて語られませんでしたが、上下関係が厳しいようで、上士(じょうし:身分が上の武士)がいる前では傘をさしてはいけない、みたいなルールがあるみたい。

現代で例えると、定時を過ぎても上司が帰る前に帰ってはいけない、誰かが残業していたらみんなで残業しなければいけない、みたいなクソブラックなカンパニーのあの感じでしょうか。脱藩(退職)もやむなし。

その土佐を脱藩した坂本竜馬が身を寄せていたのは、勝海舟が作った海軍操練所。しかしこちらも勝海舟が一橋慶喜公に反抗したことで閉鎖となり、龍馬は行くあてがなかったのでした。

家の雨漏りを直す龍馬に対し、西郷さんは「おいはこの国の雨漏りを直したか」なんて詩的な表現で想いを伝えます。雨漏りは外国の脅威のこと。鎖国して周囲を見ていなかった日本にとっては、なんとか穴を塞いで立ち上がらないといけないところ。

実はこの雨漏りも薩摩にとっては「島津雨」だったんですよね。薩英戦争という雨漏りがあったからこそ、お互いの実力を測れたし、イギリスと交易するきっかけにもなったしで、必ずしも悪いことだけではありませんでした。きっかけは生麦事件なので悪いことだったんですけど、今は目を逸らします。

現行の徳川による体制では立ち行かなくなることに気付けた点でも「島津雨」でした。

西郷さんに笑いかける久光

藩主・茂久と国父・久光に対し、「長州討伐はせず、出兵しないほうが利がありもす」と進言する西郷さん。

いつものように反対するかと思いきや、「安心しろ西郷、我らは幕府を見限ることとした」なんて上機嫌でのたまう久光様。

大久保一蔵が根回ししてくれたおかげとはいえ、この二人が衝突していないだけで微笑ましい気分になりました。

「動かざること桜島の如し!」なんてギャグもぶっ放す久光様素敵です。

その後は坂本竜馬との面会もありましたが、勝手に喋り始めた龍馬に対して「勝手に口を開くな!」と言っていたのはいつもの久光様で安心しました。

龍馬の知り合いは桂小五郎

「長州に知り合いがいるから」と薩摩と長州の結びつけを手伝ってくれる坂本竜馬。

その知り合いはなんと桂小五郎でした。

有名人がいっぱい出てくるなぁ、なんて呑気なこと思ってましたが、こうやって力を合わせた人たちが結果として有名になったのだから当たり前なんですよね。けど、ドラマチックで素敵です。

幕末・明治あたりだと資料も多く残っているからか、人と人とのつながりがより分かりやすくていいですね。

坂本竜馬と桂小五郎の話し合いができたおかげで、下関で西郷さんを迎えた会合を開けることに。その知らせを持った中岡慎太郎は、西郷さんと糸さぁが絶賛いちゃつき中の西郷家へ。

中岡、空気読めってよ。

京では一蔵による離間工作が

岩倉具視の書いた手紙を方々に届ける大久保一蔵。

その中のひとり中川宮は、鶴瓶師匠も「曲者」と評する人物。

手紙を届けた大久保がいつものお金を渡そうとすると、「麻呂には誇りがあります」と受け取りを拒否しました。

「何が曲者じゃ、岩倉よりまともではないか」と独り言ちる大久保でしたが、なんとこの中川宮、一橋と通じていました。

お金に綺麗な人かと思いきや、一橋慶喜からたくさんのお金を受け取って情報を売ってました。誇り(笑)

岩倉具視による離間工作が筒抜けとなってしまい、のちに「お前らの考えていることは筒抜けなんだよマヌケぇ〜」とドヤ顔される羽目になりました。

岩倉具視は「曲者」と分かっていたことから、バレてもいいやくらいの気持ちだったんじゃあいもはんかね。繋がりはバレても、結果として長州討伐を止められればOKくらいのノリで。

まさかのダブルブッキング

下関に向かおうとする西郷さんでしたが、大久保一蔵から「京マジヤバイ。もう長州討伐始まるかも。助けて」と手紙が届いてしまったからさぁ大変。

せっかく坂本竜馬が桂小五郎との会談をセッティングしてくれたのに、緊急のヘルプ要請まで届いちゃいました。

後から見れば、長州討伐を食い止めないと桂小五郎たちが危ないので、一蔵の要請に応えたのは良かった気がしますが、それでも手を組む約束をしてそれをすっぽかすのは信用に関わるよね。

特に桂小五郎は一回薩摩を信じて痛い目にあってるし。

あと海江田。おはん、またか。

今回、長州に行けなくなった西郷さんは、郷中の仲間である有村俊斎改め海江田信義に桂小五郎への手紙を託し、京に向かいました。

が、海江田は長州行きをボイコット。

だいたい何か問題を起こすのは海江田信義です。西郷さんが久光の命令で下関にいるべき時に京にいたことをバラしたり、生麦事件では切られたイギリス人を介抱せず介錯したり、その後薩英戦争に発展したら切腹するんじゃぁぁぁと騒いだり。

西郷さんは海江田に約束を破られ、大久保一蔵は中川宮に企みをバラされ、坂本竜馬と桂小五郎は約束をすっぽかされ、と主要人物たちがことごとく負の状況に。

これは天が見放したなんて思ってもやむなし。

天が見放しても俺が側にいる

一蔵が主人公みたいなこと言い始めました。

今まで人のために、と行動してきた西郷さんにとって、人を裏切るような真似をしてしまったのはショックだったようで、泣いてしまいました。

やらかした時って、自分が悪いことに気づいているから、なおのこと情けなくなって泣きたくなりますよね。

一蔵はそんな西郷さんの横にいて、「チェストー!!」と励ましてくれました。いつもナレーションで行ってるセリフを劇中で聞くのも新鮮な感じ。

余談ですがチェストって「知恵を捨てよ」が変化したってほんとですか?

まとめ

巡り合わせが悪かったんです。誰かが悪い訳じゃないんです。ただし海江田、てめーはダメだ。

次回のタイトルは「薩長同盟」だったから割と早くリカバリーできたっぽいので安心です。