麒麟がくる第四十回感想「松永久秀の平蜘蛛」光秀の顔芸が全てを持ってった

2021年1月10日

とどでございます。

タイトルを見た瞬間に松永久秀がどうなるか想像できるのが恐ろしいところ。茶釜に火薬をつけてドカンとしたのは創作エピソードでありながら有名な部分です。ドラマでは平蜘蛛を光秀に託してその他の茶器を焼き払ってから立ったまま腹を切りました。

成り上がり者と言われながら頭角を表した信長に心惹かれて協力していた松永久秀でしたが、大和の国は代々実績のある筒井順慶が守護として治めるべし、と信長に言われたのをきっかけに翻意。信長に敵対している本願寺側につくことになってしまいました。

信長は平蜘蛛さえ手に入れば裏切った松永を助けるつもりであったくらいに平蜘蛛に執着していました。

十兵衛が手にする手筈になっていたことは秀吉の密偵を通じて知っていたので、光秀に嘘をつかれてしまってショックな信長。帰蝶さまも安土から去ってしまうし、光秀も嘘をつくし、秀吉は戦いで柴田と喧嘩して陣を解いて帰っちゃうし、松永も「やってらんねー！」と陣を解いて逃げちゃうし、帝も信長に懸念を持っているしで、そりゃ泣きたくもなりますよね。

それはそれとして今回は光秀の顔芸に全てを持っていかれました。あれを見せられたらストーリーの内容を吹き飛ぶくらいの衝撃です。

松永、戦いやめるってよ

大阪本願寺を攻めていた織田軍でしたが、松永久秀がまさかの撤退。無許可でいなくなったら(物理的に)首を切られる決まりになっていたのに逃げるあたり、覚悟を決めていたことが読み取れます。

松永はひっそりと京に入り、光秀とこっそり面会することに。ただでさえ光秀は妻である煕子どのを亡くして傷心の最中にいるのに、昔から仲の良い松永が信長に腹を切らされるかどうかの瀬戸際になっているもですから、「酒！　飲まずにはいられない！」と一気に盃をあおりました。

松永の目的は戦いの前に光秀とひと目会いたかったこと、平蜘蛛を託そうとしたことでした。

松永久秀は大和の国を治めていましたが、同じく大和を治めようとする筒井順慶とかねてより衝突していました。ここにきて信長が「筒井順慶を守護にする」と言ったもんだからさぁ大変。

松永にとっては愛着のある土地を他の人に明け渡すことになるのですから、「はい分かりました」とすんなり渡すわけにも行きません。

信長は実力のある人を登用するようでいて、この頃は結局家柄がいい人を優先しちゃっていたんですよね。筒井家は代々大和にいた人たちですから、「結局家柄かい！」と松永が信長に対して失望してもしょうがない気も。

平蜘蛛を光秀に預ける件は後の火種になった感じですね。光秀としては平蜘蛛をもらうより友人の松永に生きていて欲しいでしょうが、松永は命の次に大事な平蜘蛛を信長にだけは渡したくないようですから、扱いが難しいですね。

光秀としても「これはワシだ」とまで松永が言っていた平蜘蛛を「殿、手に入れましたぞ」なんて信長に献上するほど薄情ではないでしょうし。

立ったまま切腹

切腹するとなると、ドラマでは多くの場合正座して厳かに腹を召すシーンが見られますが、松永久秀は違います。

立ったまま、笑いながら腹を切って果てました。掻っ捌いてからしばらくそのままだったのは見ているこっちとしてもついお腹を抑えたくなるようなシーンでした。早く介錯してあげて！　とこっちが思ってしまうほど。

信長に何ひとつ渡してなるものか！　という強い意思を感じます。

泣いている信長

信長が泣いているシーンは中々の恐怖でした。鳴き声を上げていたと思ったら、涙を流しながらニヤリとするんですもの。

光秀を呼んで帰蝶さまと話をさせている間、何を思っていたんでしょうね。

帰蝶さまは安土にいるのに疲れたようで、隠居したいと信長に告げたそうです。なんだかみんな信長から去っていきますね。精神が不安定になってもやむなし。

信長にとっては褒めてくれるはずの帝も蘭奢待を毛利に渡しちゃってそんなに喜んでくれませんでしたし、もう今は誰も褒めてくれたりしないのかも。褒められることが原動力だった信長にとってはモチベーションを失ってしまってもしょうがないのかもしれません。

さらには平蜘蛛の行方を光秀に尋ねれば「平蜘蛛の話なんてしませんでしたよ(すっとぼけ)」と嘘をつかれてしまいました。

視聴者は光秀が平蜘蛛の話をしていたことを知っていますが、信長からしたら秀吉からの報告が先にあったことを根拠にしているので、内心では秀吉のことも信用してなさそうな気もします。

たまの婚姻の話も

信長からの指示で光秀の娘・たまは細川忠興と結婚することになりました。家臣の子供の結婚相手を探すのは殿の務めとはいえ、光秀はあまり乗り気ではありませんでした。

親友の細川藤孝の子供である細川忠興なら個人的にはオッケーそうな気もしますが、信長が決めたってことに不満を持ってそう。

細川忠興とは今回の松永攻めで会っているので、特にネガティブな印象もなさそうですし、次回の予告でもたまが白無垢を着ている様子もあったので婚礼自体はやりそうですね。

冷静に考えると、平蜘蛛の件で嘘をついてしまったことで頭がいっぱいで、リアクションができなかったのかもしれませんね。ひとつ気がかりなことがあると、話が頭に入ってこないこともよくありますから。信長との面会後に光秀が廊下で振り返るシーンもありましたし、やっぱり気にしてそうな感じでした。

光秀の顔芸

松永との約束通り、伊呂波太夫が平蜘蛛を光秀の元に持ってきました。平蜘蛛を見つめる光秀が「これは罠だ！」と目をひん剥いているもんですから、正直前半の話の印象も吹き飛びました。

普段の冷静な光秀と打って変わって、目がいっちゃってる顔だったのが衝撃でした。長谷川さん、こんな顔もできるんですね。

平蜘蛛を持つには覚悟が必要、と松永のアドバイスもありましたが、その後の話はあまり入ってきませんでした。あの顔の印象が強すぎて。

まとめ

今週は顔芸の印象が強すぎて、他の部分が霞んで見えました。今のところ麒麟がくるの中で一番インパクトがあった回です(笑)

次回は丹波攻略と帝との謁見が見どころでしょうか。