いだてん42話感想「東京流れ者」今回五りんパートがすごく良いじゃんね
とどでございます。
なんのひねりもないタイトルで恐縮ですが、今回五りんパートがすごく良かったです。
今回は四三さんと五りんこと小松金治の再会がありました。四三さんの弟子である小松くん、その息子である金治と会えたのは涙腺にきました。しかも四三さんの本に書いてもらった言葉が「志ん生の富久は絶品」なのがまた泣かせにきます。
あと今回テロップとか何もありませんでしたが、チュートリアルの徳井さんは普通に出てましたね。話繋がらないから、もうどうしようもなさそう。編集さんお疲れ様です。
NHKのサイトで公開されている「5分で分かるいだてん」では女子バレーのパートが丸ごとカットされているのが悲しい。
今回のサブタイトル
今回のサブタイトルは『東京流れ者』。1965年に発売された歌謡曲で、渡哲也さんと竹越ひろ子さんが歌っていた曲です。次の年には渡哲也さん主演で同名の映画が制作されています。主題歌はもちろん東京流れ者。
タイトルに合わせて流れたのは誰なんですかね?
冒頭のタクシーの運転手である森西さんでしょうか。シルクロードをジープで走破するとかさらっといっていましたが、この人もなかなかすごいことやってました。
実は初期の頃に志ん生を寄席に送るときも出ていたんですよね。足袋で走る金栗四三を目撃している場面もありましたし、「運転手なのにガッツリセリフあるなー」なんて思ってましたが、まさか東京オリンピックのためにここまで貢献しているとは。
平沢さんの交渉術講座
「私にいい考えがあります」
といいところで切れていた前回の平沢さんのセリフ。その続きは交渉術講座でした。
代々木の米軍キャンプを返還してもらって選手村にしたいまーちゃん。ですが、それだけではアメリカ側にメリットがありません。そこでアメリカのメリットを考えてあげないといけません。
岩ちんは「反米感情を抑えられる!」と即答。当時は安保闘争やらなんやらで「なんで日本にアメリカの軍隊がおんねん!」と反米感情が高まっていた時期。しかも東京のど真ん中に米軍キャンプがあるとなると、そりゃ嫌でしょうよ。若者たちが「カエレ!」とデモをやっていたので「ワシントンハイツが襲撃されるのでは?」なんて話も出たくらいです。
このポイントをアメリカ側のメリットとして伝える作戦に出た平沢さん。英語をぺらぺら喋ってアピールすると思いが伝わったようで。
「確かに、それは一理あるね」「でしょ」
と話が決まりました。You、日本語ペラッペラじゃんね! このシーンめっちゃ好き。
余談ですが、近所の子供たちは割とワシントンハイツに入って遊ぶことができたようで、野球をやったりしていたそうです。ここで作られた少年野球のチームが「ジャニーズ」でした。監督をしていたのはアメリカ帰りの日本人で、ジャニー喜多川として知られるあの方。実はここ、ジャニーズの発祥の地だったんです。
移設資金は60億円
平成30年の消費者物価指数101.7を昭和37年の消費者物価指数20.6で割るとだいたい5倍くらいなので、移設資金の60億円は現代の貨幣価値にしておよそ300億円。
300億円というと……2020年の東京オリンピックで行われるマラソンのために東京都が暑さ対策として投じた金額と同等です。
ワシントンハイツにはあれだけ広い土地にたくさんの人が住んでいたので、移設にお金がかかるのもやむなしですが、それにしてもキツイ額です。ふっかけてきてませんかね?
朝霞のキャンプドレイクだとタダという話になっていましたが、実は朝霞を使う場合には「オリンピック期間中は使ってもいいけど、終わったらすぐアメリカに返してね」というのが本当のところなので、一歩引いて考えるとあまり良くもない案でした。
東京オリンピック的にも選手村が遠いから選手たちに移動の負担がかかったりしますし、タダだから良いというものでもありません。無い袖は振れないのが現実なので、しょうがないといえばしょうがないのですが。
金栗四三がおじいちゃんに
金栗四三はもういいおじいちゃんになっていました。それでも足袋で東京を走り続けているのはすごいですね。
四三さんは新たに本を出版してサイン会を開いていました。
そこにやってきたのは、この後オリンピックに出場することになる円谷幸吉。今回は後ろにいたちーちゃんから「早くして」とせっつかれるなど、ぞんざいな扱いを受けていましたが、東京オリンピックではマラソンでメダルを獲得するすごい選手です(ネタバレ)
そして個人的に今回の一番のポイントが、五りんと金栗四三の再会。
前の章の最後には、金栗四三とその弟子である小松くんの人生が描かれました。第1話から伏線となっていた「志ん生の富久は絶品」の言葉が回収されて、五りんの父親が分かってからのこの再会は涙腺にきました。
「小松金治」の名前を見て最初はピンときていない四三さんも、だんだんと小松くんのことを思い出した様子。
「父が、お世話になりました」
のセリフはグッときました。シマちゃんから始まって年代を超えて五りんに繋がっていく様子は案外ちゃんと大河してるように思います。
志ん生の富久は絶品
五りんが金栗四三の本を買いにきたのは志ん生の気晴らしに本をプレゼントしようとしたから。サインのほかに「志ん生の富久は絶品」と書いてもらったところも良かったです。
志ん生が昔から噺の練習をしていた神社に迎えに行って、おんぶして家まで送っていく時には富久を練習する五りん。病気の後遺症が残った師匠を励ましている姿は完全に主人公でした。
師匠を背にして富久を練習しているのは、志ん生がそのまた師匠である円喬を人力車に載せていたシーンと重なります。こうしたものが受け継がれていく感じがまさに大河(本日2回目)
声だけ出演の嘉納先生
もはやギャグ枠に移行してしまった嘉納先生。今回も声だけで登場しました。
まーちゃんにしか聞こえていないことを考えると、まーちゃんのスタンドやらペルソナみたいな扱いでしょうか。
「東京で2回目のオリンピックをもうやるのか」みたいに言ってた嘉納先生。1940年のオリンピックが開催され、1964年も東京でオリンピックが開催されるものと思っていました。
本人(霊)も言っていましたが、命がけで持って返ってきたオリンピックを返上したことを知るのはショックでしょうね。
そして「150歳まで生きる」と豪語していた嘉納先生はお化けになってからもカウントするとこの時点で100歳。2020のオリンピックまでを考えると150歳じゃ10年足りないのでぜひ160歳まで頑張ってください。
首相に直談判
まーちゃん、数多くの偉い人たちに会って直談判してます。これ史実なんですかね? だとしたら行動力とコミュ力が尋常じゃないです。
当時の総理大臣である池田勇人に会いにいけたとか凄すぎませんかね。
代々木を選手村にした後は、そこに放送局を作ってオリンピックを中継。そのためにカラーテレビを購入してもらうことで消費が増えて経済効果が抜群、とまーちゃんのマーケティング戦略で池田勇人が打ち出す所得倍増計画を後押し。
冒頭で平沢さんが言っていた「相手にもメリットを」という交渉術がここに活きています。
この場面では代々木に建設される放送局はNHKだなんて話も出てきて、大河ドラマにNHK自身を組み込んでいるのもポイントです。
五りんがアンバサダーに
新しいポスターも制作され、だんだんと開催の準備が整ってきたにもかかわらず世間はいまいち盛り上がっていない様子。
そこで目をつけたのが「オリンピックが好きな若者」である五りん。名前からしてオリンピック好きそうですもんね。
今まで語り部としての立ち位置にいた五りんですが、いよいよ物語にも関わってきます。
金栗四三と志ん生は五りんを通して関わってきましたが、「オリンピックがいろんな人の心を結びつける」ということのメタファーでした。今度は日本のみんなの心を結びつけるようです。
まとめ
五りんパートがとても良かったです。ちゃんと大河してました。最初から伏線を張っていたのが回収されて、ここ最近のいだてんは気持ちが良いです。
次回のサブタイトルは『ヘルプ!』。1965年に発売されたビートルズの曲です。予告を見るとかなりピンチな感じ。
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