いだてん43話感想「ヘルプ!」どちらを選んでも詰んでる状況に

2020年2月15日

詰みました

とどでございます。

今回はヒヤヒヤするシーンが多かったですね。まーちゃんと津島さんとの関係とか、寝技師の川島さんがジャカルタに乗り込んできたりとか。

スカルノ大統領がオリンピックに繋がる大会を政治利用していたりなんてのもあって、前回とのギャップが大きかったです。

スカルノ大統領の第三夫人だったデヴィ夫人はどんな気持ちでこのドラマを見ているんでしょうね。いや、流石に見てないか。

今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは『ヘルプ!』。1965年に発売されたビートルズの曲です。予告を見るとかなりピンチな感じでしたが、川島さんが真綿で首を締めるようにまーちゃんを追い詰めていきます。

ジャカルタの大会で出場するか、しないかをなかなか決められないまーちゃんは珍しかったですね。選手たちの気持ちを汲み取りたいけど、正式な大会として認められていない大会に参加したら東京オリンピックが取り上げられてしまうかもしれないし、とピンチに。

インドネシアの人々は戦争で受けたダメージから復興した姿を世界に見せたいけど、日本が引き上げちゃったら大会のていをなさないから暴動を起こしてでも出場させたいと押しかけてきました。ピンチ。

五りんがオリンピックの盛り上げ役に

五りんはオリンピックの宣伝部長としてJOCに面接にやってきました。ちえちゃんを岩ちんに取られるハプニングはありましたが、面接して無事に宣伝部長に就任しました。

面接でストックホルムオリンピックでのマラソンの場面をやっているのがちょっとグッときました。寄席としてやるとギャグテイストになりますが、実際は暑さで地獄の様相を呈していましたし、興味ない人にいきなり「ストックホルムオリンピックのマラソンは地獄だった」なんて話をしたらドン引きですもんね。ちょうどよくマイルドに出来るのも五りんのおかげかも。

「大変嬉しいお話なのですが、テレビに出ると芸が荒れると言われていて……」からの満面の笑みでのテレビ出演は思わずツッコミを入れそうになりました。

落語二人会という名の単独ライブ

五りんがテレビに出ることについて志ん生の家族は反対でしたが、師匠の志ん生はそこまで反対してる感じではありませんでした。

テレビだけではなく、落語の方もやっている、と五りんは師匠との二人会があることを告げました。これまた家族から「お父ちゃんはまだ無理よ」と師匠の出演に難を示されましたが、当の師匠は「そういうことだから、よろしくな」といった様子。

これって実質五りんの単独ライブの場を用意してくれたってことですかね。若いときに割とチャランポランだった志ん生が弟子のために動いている姿はちょっと感動。……いや、流石にこれは深読みですかね。

金栗四三とアベベ

オリンピックを盛り上げる上ではこの男が欠かせません。日本人初のオリンピック出場選手である金栗四三です。

誰かと会見をしていると思えば、まさかのアベベ。ローマオリンピックでは裸足で走り、ゴールにたどり着いたら「まだあと20kmは走れる」と言い放った金メダリストです。

播磨屋さんが足袋をプレゼントするとのことで足形をとっていました。裸足でも走れるなら足袋は相性がいいのかも。

このとき四三さんは70過ぎてるんですよね。アベベに対抗心燃やして走り出そうとする姿からは老いを感じられません。

国旗マニアの吹浦さんは激レアさんに出てた

オリンピックを盛り上げるために各々の能力を役立てようと面接にやってくる若者たち。

その中に国旗マニアの吹浦さんがいました。彼は東京オリンピックで各国の国旗を作成する大役を任されることになる大学生。

大学生なのにこんな大役を、ということで他局の番組で紹介されていました。国旗の色を決めるときには、アイルランドの国旗で緑色を染めてみたら「アイルランド人の心が表れていない」と何度もボツにされたなんて話がありました。

日本の国旗を作るのも、当時赤色の部分は一定の赤ではなかったらしく、各家庭を回ってその平均値の赤にしたとかなんとか。(うろ覚え)

国旗マニアだからこそ追求できた部分かもしれません。2020でもこういう特殊能力を持った若者が何か携わっているんですかね?

暗躍する川島さん

明るい話題とは裏腹に、政治家の川島正次郎はオリンピックを利用してまーちゃんや政治家の津島さんを失脚させようとしているみたい。

都知事に対して「事務総長は首をすげ替えられるけど、君は替えが効かないからね(ニッコリ)」と脅しをかけてきます。おおこわいこわい。

まーちゃん視点だと完全に悪い人ですね。オリンピックをうまく使えば、日本の経済成長を後押しできると踏んで政府を噛ませるようにしてますから。政治とスポーツは別だというオリンピックの精神に反しています。

ただ以前まーちゃんに言った「オリンピックはお前のものではない、日本の、国民のものだ」が本心だとしたら、日本のことを考えて行動している……のかも。手段はアレですけど。

ジャカルタの大会に出場するかどうかで揉めている日本チームのところに乗り込んできた時も、「どっちでもいいから決めようよ」と、決めることは促すけど、どちらかは自分で言わないあたり上手いですね。自分で結論を出したら責任を取らされるのはわかっているから、まーちゃんか津島さんが選ぶようにしているあたり政治に長けています。

「政府に相談して決めます」と言った津島さんに対して投げかけた「ぼくが政府だ」というセリフも強いです。

津島さんは津島さんで「何かあったら詰め腹を切らされるのは私だ」と言ってましたし、やっぱりそういう考えになるんですね。この切腹が大河ドラマ要素だった……?

インドネシアの思惑

インドネシアのスカルノ大統領は、政治的な思惑からジャカルタ大会への台湾とイスラエルの出場を拒否。これによりIOCはジャカルタ大会を正式な大会として認めず、参加したら処罰があるかもしれない状態に。

最初は「支援しない」というレベルの話だったのに、いつの間にか話が大きくなってきました。

ジャカルタのホテルで新聞を読んでもらうため、通訳のアレンを呼ぶまーちゃん。その内容からは台湾やイスラエルの名前があり、より混乱することに。

最初アレンは大統領側のエージェントで、日本を大会に参加させるために送り込まれたものだと思ってました。でもアレンは暴動で乗り込んできたインドネシアの人々を「逆らわずして勝つ!」とジュードーで撃退。まさかの嘉納イズム。ごめんアレン。

まとめ

今回は政治的な動きがたくさんあって、前回の五りんパートでハートフルなエピソードが並んでいたのと対比的になっています。

次回のサブタイトルは『ぼくたちの失敗』。1976年にリリースされた森田童子さんの曲です。タイトルがもうまーちゃん敗北ルート……。