西郷どん第33話「糸の誓い」日本初の新婚旅行は龍馬……ではなく小松帯刀説

2020年2月10日

夕日を眺めた新婚旅行

とどでございます。

よく日本初の新婚旅行は坂本龍馬とお龍(おりょう)だったと言われていますが、実は薩摩藩の小松帯刀が先だった説が近年浮上してきました。

小松帯刀が奥様と霧島の温泉に出かけたのが1850年代だったようで、龍馬が薩摩を回っていた1866年からすると10年ほど早く新婚旅行に出かけていたみたい。

ただ二人での新婚旅行ではなく、奥さんの父親の療養も兼ねてだったようで、「二人で回った新婚旅行」となると龍馬とお龍に軍配が上がるのかも。

今回はその龍馬が薩摩にやってきて、薩摩で迎えるイギリスの公使・ハリー・パークスの好みや作法の話などを教えてくれました。

その裏では、西郷家の糸さぁとお龍が「お互い難儀な男に惚れましたね」と井戸端会議。奥様同士の会話も史実で残ってたら面白いかもしれません。

前回のあらすじ

一橋慶喜公が孝明天皇に圧力をかけて、第二次長州征伐の勅命を引き出そうとしました。

それを聞いた大久保一蔵は、京でこしらえた愛人に介抱されつつ、「大義のない勅命は勅命にあらず」と喧嘩を売る手紙をしたためました。

急ぎ、長州と手を組まなければと思いつつも、これまでのすれ違いにより素直になれない桂小五郎は同盟の話が出ても首を縦に振りません。

西郷さんは直接的な同盟の話はせず、まずは幕府の刀が迫っている長州を助けるべく、外国から薩摩名義で買った武器を龍馬を通して届けることに。

龍馬がその武器を届けたことで、結果的に話だけなら、と無茶な条件を突きつけつつ同盟の話し合いの席まではきてくれました。

「長州が頭を下げるまでは何も話さない」なんて薩摩も意地を張っていましたが、イギリスに留学していた薩摩と長州の留学生が向こうで協力していたことを知り、お互い歩み寄って手を取り合い、薩長同盟が成立しました。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 龍馬、寺田屋で襲撃される
  • 龍馬とお龍が薩摩にやってきて新婚旅行へ
  • 西郷さん、人の浮気をバラす
  • 薩摩ではイギリス公使ハリー・パークスを歓待
  • 歓迎会をしてから手を組もうとしたら、怒って帰ろうとしちゃった
  • 西郷さんはハリーの乗る船を訪れ、交渉をしてきました
  • それからしばらくして、長州と幕府の戦いが開始
  • 秋になった頃には糸さぁとの子供ができたことを知りました。めでてぇ。

今回も気になる所を中心に。

龍馬が襲われた店の名前正しく言える人ほとんどいない説

坂本竜馬が奉行に追われて捕縛の危機に陥りました。が、お風呂にいたお龍が、道を歩く捕方を見て龍馬に知らせに行った有名な事件ですね。

NHKの大河ドラマで入浴シーンを流すなんてあまり見ないような気がしました。水戸黄門では有名でしたが、NHKでもこういうの結構あるんですかね?(無知)

さて、この事件では龍馬は高杉晋作からもらったリボルバーで応戦して、怪我をしつつもなんとか逃げ延びました。

さて、ここでクエスチョンです。

今回龍馬が襲撃を受けた宿の名前は、一体なんでしょうか。

……。

はい、正解は「寺田屋」でした。正解者にはスーパー龍馬くん人形を差し上げます。

実は龍馬は2度襲撃を受けており、1回目はこちらの寺田屋、2回目はまた別の近江屋で襲われたのでした。

当時の京だと闇討ち上等で襲撃事件がいっぱい発生しています。コワイ。

前にも聞いたぞ寺田屋事件

この辺りの襲撃事件って「◯◯屋事件」が多くて混乱しますね。

有名どころだと、

寺田屋事件(1862年・文久2年)……島津久光が薩摩藩の尊王派志士を鎮撫した事件

池田屋事件(1864年・元治元年)……公武合体派の公家を襲う計画を立てていた長州藩志士が新撰組に取り押さえられた事件

寺田屋事件(1866年・慶応2年)……坂本竜馬が奉行から嫌疑をかけられて捕縛されそうになった事件

近江屋事件(1867年・慶応3年)……坂本竜馬が暗殺された事件

でしょうか。寺田屋は2回も襲撃を受けて大変です。

1回目の寺田屋事件は、有馬新七をはじめとする薩摩の尊王派と、久光が派遣した鎮撫使が戦った事件。「おいごと刺せ!」と壮絶に落命した有馬さぁの姿は西郷どんでも印象深いシーン。

この寺田屋は薩摩藩の定宿になっていて、1回目は薩摩の尊王派がここにいたために事件の舞台になりました。

2回目の寺田屋事件は今回龍馬が襲われた事件。龍馬が襲われたのは諸説ありますが、どうやら「薩摩藩士です」と身分を偽って寺田屋に泊まっていたみたい。それを見た奉行が「あれ? あいつ怪しくね?」って捕縛を試みたようです。

ドラマだと龍馬狙い打ちっぽたったので黒幕がいそうでした。

幕府がフランスなら薩摩はイギリスに

前回でしたっけ、慶喜公がフランスの公使であるロッシュに頼んで、武装した艦隊で神戸に入港してもらったの。

幕府はフランスの公使と密に連絡を取って、自分達に力添えをするように取り計らっていました。

「それなら薩摩はイギリスじゃ!」とばかりに、薩摩でイギリスの公使であるハリー・パークスと手を組もうと試みます。

ハリー・パークス役のセインカミュさん、久々に見て懐かしい気持ちになりました。さんまのからくりテレビで見ていた記憶があります。お母さんがイギリスの方ですから、イギリス人の役をやってても違和感ないですね。

彼の横に通訳としてアーネスト・サトウがいたけど、「あんた日本語ペラッペラだから通訳いらんやんけ!」と心の中でツッコミを入れてました。

あ、よく誤解されがちですが、アーネスト・サトウさんはドイツ人の父とイギリス人の母を持つイギリス国籍の人です。日本人の佐藤さんではないんです。

ただ国籍はイギリスのまま日本名である佐藤愛之助(または薩道愛之助)を使っていたりもするので、日本人と勘違いしてもやむなし。

宴会ばかりしてんじゃねぇ!

薩摩に来たハリー・パークス一行を歓待する島津久光と茂久。

謎の料理・NAMACOを食べさせてO・MO・TE・NA・SHIです。

肝心のパークスさんは酒で飲み込んでましたね。実際に食べた人のブログを見ると、貝のような食感らしいです。アワビをもっと硬くしたような感じ? 意外と美味しいらしい。

今でも外国の方はタコを食べない方が多いなんてのもありますし、その国の料理ってある程度食べ慣れてないと馴染めないかもしれません。

普段自分が食べないものを「美味しいよ!」って出されても、躊躇っちゃうあの感じ。

肝心な交渉の話をせず、謎の食べ物ばかり食べさせられてたら、そりゃ「もう知らない! 帰る!」ってなってもやむなし。

No More NAMACO!

怒ったハリーを引き止めようと、通訳を引き連れてイギリスの軍艦に乗り込む西郷さん。

「藩主連れてこいや!」と怒るハリーに対し、「おはんらはこげなところに女王陛下を連れてくるのか?」と応戦。

「誰と交渉すればいい?」と問われたら、「薩摩です」と大見得を切りました。うん、堂々たるブラフでございもす。交渉は弱気になったら飲まれてしまいますもんね。

「幕府は腐ってやがる! 国民のためにも俺が幕府を正してやるぜ!」なんて過激な発言も飛び出しましたが、ハリーは「やっと交渉ができそうだ」と席に着きました。

交渉の内容は、「手を組んでもいいよ。あともうNAMACOはやめてくれ。あれはだめだ」でした。詳細とかはナマコジョークの後に詰めたんでしょうね。

フランスのロッシュは幕府の言い分を結構聞いていたようなので幕府寄りの考え方、ハリーは「他の意見も聞いてみよう」と中枢以外の藩も訪れたみたい。

勝った方を応援していれば、あとで取引するときに有利になりますから、どっちと交渉するかは重要な点です。まさに勝てば官軍。

おめでたです

かつて子供ができないと言われて離縁されてしまった糸さぁでしたが、西郷さんとの間に子供ができたようです。めでてぇ。

現代でこそ不妊の原因は男女50%ずつなんて分かってきましたが、当時の考え方だと男に原因があるなんて口が裂けても言えないでしょうから、「夫婦の相性」と言うしかないのかも。

ちょうど子供ができたことを知ったタイミングで、また単身赴任に行かなきゃいけないのも辛いところです。

愛加那さんの話をしている時もそうでしたが、今回西郷さん泣いてばかりのような気がします。

まとめ

龍馬といえば寺田屋事件と近江屋事件。2度も襲撃されているあたり、重要人物感が出ています。

その龍馬は、新婚旅行の後に第二次長州征伐の様子を見に行ってくれました。いつもありがとうございます。

西郷さんに薩摩での子供もできたし、もうこれでめでたしめでたしでいいんじゃ……ダメか。