いだてん18話感想「愛の夢」母の日の放送で母になったスヤさん
とどでございもす。
駅伝を生み出し、日本全国津々浦々を駆け回っている金栗四三。子供が生まれるというのにスヤさんそっちのけでマラソンや駅伝に励みます。
いい感じにぶっ飛んでますね。
物語の中では女子体育にもスポットがあたり、三島家で働いていたシマさんを軸に、女子体育の発展の様子が描かれました。袴で運動していたというのは恐ろしい話です。
今回のサブタイトル
今回のサブタイトルは「愛の夢」。元ネタは昭和24年(1949)に出版された谷村まち子の小説です。ジャンルが少女小説となっており、女子のスポーツが中心の話題となる今回と合っている感じ。
「夢」というキーワードでは、物語の中の金栗四三が日記に書いていた金メダルをとってスヤさんにプレゼントする夢がリンクしていました。スヤさんに対する四三なりの感謝、そして愛の表現方法があの夢だったようです。
会社で出世して年収を増やし家族に楽をさせたいと思う父親ごころと、仕事で家を空けることが多い夫に不満をもつ妻側の心が表れていて面白いですね。特にスヤさんは臨月を迎えているところで不安がいっぱいですから、今の感覚からすると一生言われ続けて頭が上がらなくなりそうな感じです。
現代だと、
「正明、お前の出産のときには四三さんはどっかその辺を走っていたんだよ」
なんて言われそうな案件。
久々の美川くん
大二病を患って大学を中退し、よく分からない道へと進んでいった美川くん。
熊本出身の遊女・小梅と駆け落ちしたようです。しかも人の女に手を出したとかなんとかでトラブルまでこさえてました。
小梅は旦那への言い訳に「三遊亭朝太に惚れたのさ」なんつって志ん生(若)を巻き込むとんでもない人でした。せっかく東京に戻ってきた志ん生(若)は追っ手がいるため寄席に出れない状態に。語り部の側は割と危険な生活ですね。
美川くんは画家を目指して画伯的な絵を公開。……うん、下手でも描いて描いて描きまくって上達したらいいんじゃないかな。
この美川くんは後半でスヤさんにサンドバッグにされる役割もあったので、みんなにとって大事な立ち位置でした。「美川に言ってもしょうがないけど」と何度も言葉のボディブローが刺さります。
金栗四三は日本全国へ
スヤさんのお腹に子供がいることが分かった後も日本全国津々浦々を駆け回る金栗四三。マラソンキチマラソンの鬼と化しました。
弟子の秋葉くんと一緒に下関などにも行っていたようです。この秋葉くんは前回の駅伝で足をくじいた人ですね。放送後の写真で金栗四三の隣に写っていました。
野口くんやら秋葉くんやら、陸上競技を行う仲間がたくさんいるのでその方面では充実しています。奥さんほっぽってるけど。
スヤさんも「マラソンをやっているあなたを応援する」という気持ちと「もうすぐ子供の出産を控えた不安を分かって欲しい」という気持ちに挟まれた葛藤が生まれていました。
母の日にスヤさんは母へ
おめでとうございます。
といっても放送日が母の日ってだけで正明さんが生まれたのが母の日ではないんですけど。
全然会いに来ない四三さんは現代的な感覚からするとひどいお父さんですね。ベルリンオリンピックは開催されなかったけど、次のオリンピックは開催されるかもしれないから、そこに向けてトレーニングを積んでいるってことなのかしら。
四三さんにとっては金メダルを持ち帰ることがスヤさんへの最大の恩返しだと思っているから、何が何でもそれを達成しようとしているんですね。
不安だけどそれを後押ししてくれたスヤさんは懐が深いわぁ。
メダルの夢
その金栗四三は悲願である金メダル、それを取った夢を日記に書いちゃうくらいに取り憑かれています。
ドイツ語で祝勝会の挨拶をしちゃっているんですもの、文字通り「夢に見るくらい」望んでいたことです。
こうやって寝ている間に見ていた夢を日記に書いて、しかもそれを友人や妻に見られるって精神的にきますね。
あと、永井先生のイメージってやっぱ肋木なんすねぇ……。夢の中でも肋木につかまっていましたもの。
女子体育のはしり
金栗四三の活躍を見て、自分も! 頑張り始めたシマさん。袴姿でランニングをしてトレーニングを積んでいるみたい。あの格好で走るとかすげぇわ。
袴といえば大正時代を象徴しているイメージがあります。大正ロマンといえばこれ。上が桜色、下が紺、あるいは上が藤色に下が臙脂色みたいな組み合わせがまず思い浮かびます。
もともとこの袴で運動していたのを「いやいやこれ動きにくいから」って二階堂トクヨがチュニックを導入したみたい。ダンスで楽しみながら体を鍛えていくのは楽しそう。
時代的に大きく動いたのは、「女子も体育やろうぜ!」って意見が出てきたこと。オープニングでも女性選手たちの行進のシーンが入ってましたもんね。
シマさんはこの後選手になったりするのかしら。
清さん男前
車屋の清さん男前すぎやしませんかね?
志ん生(若)が東京で追われていることを教えて匿って、追っ手に見つかったら体張って止めて。
志ん生(若)が初めて寄席に出る時にも着物をプレゼントしてましたもんね。江戸っ子のいいところを全部突っ込んだような登場人物です。
「俺がそんなすごい落語家になれるように見えるかい?」「なれるさ」の掛け合いはかっこよすぎてしびれました。
マラソンVS駅伝
日光から東京まで130km。
この距離でマラソンVS駅伝という勝負を行なった四三。いやもうぶっ飛んでるわ。
結果は当然ながら駅伝の勝利でした。しかし持久力の鍛錬を目的としていた四三は、それでも20時間で走り切りました。すごい。
現代だと41.195kmを超えるマラソン競技はウルトラマラソンとして区別されています。ググってみると結構大会が開かれてるんですね。びっくり。
北オホーツク100kmマラソンとか、みやぎ湯めぐりウルトラマラソンなんてのがあります。一番目を引くのは沖縄本島1週サバイバルランでした。400kmて。四三さんが現代にいたら喜んで参加しそう。
次のオリンピックへ
1919年、第一次世界大戦が終わった頃に、嘉納治五郎先生の元にフランスからの親書が届きました。
それは次のオリンピックを知らせるもの。
次の開催は1920年だから、2020年の東京オリンピックから見ると100年前ですね。
思いっきりネタバレするけど次はベルギーのアントワープ(英語読み)です。現地ではオランダ語も使われており、その読み方だとアントウェルペン。どっちもおしゃれな響きです。
まとめ
金栗四三はマラソンのことだけに打ち込んでるのはもはや風物詩。なんだかもう、そういう舞台装置に見えてきました。
次回は箱根駅伝ですね。超盛り上がりそう。
次回のタイトルはそのまま「箱根駅伝」です。文学作品というか大会名というか。駅伝が日本の文化に根付いたものであると考えれば、ある意味では文化を体現している名称ですし、各選手のストーリーもあるしで物語の枠に含めてもいいんじゃないかな。
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