いだてん19話感想「箱根駅伝」もうこれで最終回でいいんじゃない?

2020年2月15日

雪の箱根で猛ダッシュ!

とどでございもす。

箱根駅伝が開催されました。今でも毎年行われている行事に繋がるとなんだか嬉しくなりますね。

いい最終回だった……!(違)

アントワープオリンピックが開催される! と思ったのもつかの間、競技の中にはマラソンがなく……金栗四三にとってはぬか喜びもいいところ。箱根駅伝に勤しんでいたおかげでその知らせが耳に入らなかったのが不幸中の幸いです。

その箱根駅伝では4校が競うデッドヒート。道は整備されてないわ、雪は降るわでコンディション最悪の状況でしたが、学生たちは全力で走り抜きました。

それを見た体協の岸さんも心動かされてオリンピックに協力的になったし、めでたしめでたしです。

今回のサブタイトル

今回のタイトルはそのまま「箱根駅伝」です。文学作品というか大会名というか。駅伝が日本の文化に根付いたものであると考えれば、ある意味では文化を体現している名称ですし、各選手のストーリーもあるしで物語の枠に含めてもいいんじゃないかな。

と思っていましたが、作中の創作落語「箱根駅伝」から取られたものだったんですね。作中作です。

志ん生パートでは、弟子の五りんがこの作品を書いていたようです。ノートの字が汚いのがリアル。

今回は志ん生(若)が出てこないと思ったら、いつも志ん生(若)を演じている森山未來さんが志ん生の息子役で出演。「志ん生二人並んでるけど、どういうことなの……?」とお茶の間を緊張と緩和に連れ込みました。次男の方の古今亭朝太さん、現実では平成狸合戦ぽんぽこのナレーターをやってたんですね。

駅伝の話を駅伝形式で話すのも面白かったです。これくらいはっちゃけてる方が見ていて楽しいですし。

アメリカ横断ウルトラマラソン

日本の道を走り回った金栗四三が次に思い描いたのは、何とアメリカ大陸横断ウルトラマラソン。

4000kmの距離を1日40km、100日で走りきるという頭のおかしいぶっ飛んだ挑戦を思い描きます。スティールボールランかな?

流石に一人で走りきるにはスピードが足りないと思ったのか、駅伝形式でみんなで走ろう! →その予選として箱根駅伝をやろう! みたいな発想で生まれたのが今回のテーマ、箱根駅伝です。

見なさいよ、野口くんドン引きしてるじゃない。流石の野口くんも「いや無理だよこれは……」と思っているはずです。口には出さないけど。

オリンピック開催の手紙

IOCのクーベルたんから手紙が届き、ベルギーはアントワープ(アントウェルペン)でオリンピックが開催されることが知らされました。

手紙がきたことを金栗四三に伝えたのは良かったけれど、実はマラソンが競技に入っていないという(嬉しくない)サプライズ付き。ぬか喜ばせもいいところです。金栗四三がその事実を知らないのがせめてもの救いでしょうか。

選手として一番いい時期のオリンピックが戦争で開催延期となり、次は競技者としての引退を考えている大会では何とマラソンが無い、なんてことになったらもう絶望です。

ただ、この頃の金栗四三は半分競技者、半分指導者みたいな感じである程度意識もシフトしているようにも見えたので、ベルリンオリンピックの延期が知らされた時ほどの辛さは無いかも。

箱根駅伝のスポンサーまで自分で見つけてくるくらいの有能ですし、プロモーターとしても活躍する道がありますね。

初めまして正明

手紙では「正月帰れないかも」なんて言ってた金栗四三でしたが、ちゃんと帰れたようです。良かった良かった。

正明、だいぶ大きくなってましたね。1~2才くらいでしょうか。それまで一度も会ったことが無いというのは衝撃です。ちょうど夜泣きもちょうどひどい頃だそうで、スヤさんと池部幾江さんで交代で夜見ているとか。頭が上がりません。

この話をした後に、スヤさんに迫って正明を起こしちゃうあたり、ドラマの四三さんはまだ父親って感じではなさそうですね。出産を手紙で知るくらいですもんね。

こんな状況でも「次のオリンピックでは絶対勝てます」みたいに励ましてくれるスヤさんまじ聖母。

やってきました箱根駅伝

最初は4校だったんですねぇ。まぁ10人も走者を集めるのは大変ですもんね。

壮行会では各校が揃い踏みでしたが、慶応の慶応ボーイ感がとてもいい感じでした。

開催は土日で、当時の土曜日といえば半日授業があったようです。なので土曜日の授業が終わった後ご飯を食べて、13:00スタートとなりました。

ここから7時間走るとなると、もう真っ暗な夜のゴールです。途中、山道で迷っている様子が描かれましたが、中学生たちが協力してくれたように灯りを照らさないと危なくて走れないです。箱根=走るもの、なんていう価値観は当時まだ無いですもんね。道などは整備されてるはずもなく、山の中を突っ走るリアル山の神。放送後のおまけで現実の方の山の神が出てきたのも良かったです。

4着は慶応、道に迷って実に1時間以上遅れてのゴールでした。

ドラマの中で言ってたか定かでは無いのですが、慶應大学は復路一斉スタートだったようです。まさかの第一回大会から一斉スタート。といっても30分待ってからの一斉スタートですから、1校だけでずっと待ってたのでしょうか。雪の中30分も待たされるとかしんど過ぎ。

金栗四三も走り出して3位の早稲田と伴走しながら応援してましたもんね。

あれ? 100kmずっと走ってた……?

金栗四三は寒さでエンジンのかからない車から下り、駆け出しました。選手たちに追いついては励ます、各大学の監督みたいな役割を果たしました。

ドラマの中だとずっと応援して、しかも選手より早くゴールにたどり着いた金栗四三。ひっそりと前回の130kmマラソンVS駅伝のリベンジを果たしてましたね。

チームで勝利を

タスキを繋いで長い距離を走り切る、その姿に体協の岸さんも心を打たれたようです。普段は冷静にお金の勘定をしていますが、この時ばかりは感情を露わにして喜んでいました。

あらすじを見ると、この方は元々漕艇選手として活躍していたみたい。がっつりスポーツマンでした。

マラソンって言ってしまえば走っているだけなのに、なんでこんなに心を打たれるんでしょうね。自分が苦しくて走るのをやめてしまう距離でも、諦めることなくゴールに向かっていく姿が美しいからでしょうか。選手に思いを託しているのかも。中継を見ているだけでも、35kmを過ぎたあたりから泣きそうになります。

駅伝ともなると、誰かが諦めたらチーム全体が負けになってしまうプレッシャーがあるから、余計に応援に力が入ります。

まとめ

いい最終回でした。

いや、もうちっとだけ続くんじゃ。

と言う訳で次回はアントワープに向けて船出です。予告では弥彦が応援に来てたっぽいので熱い回になりそう。

次回のサブタイトルは「恋の片道切符」。1959年にアメリカで発表されたニール・セダカの曲であり、日本ではそれを背景に描く同名の映画が1960年に公開されました。

誰からの恋なのでしょうか……。