麒麟がくる第二十八回感想「新しき幕府」史実だとこの辺りから活躍する光秀
とどでございます。
放送後の『信長記』でも触れられていましたが、本圀寺の変で光秀(明智十兵衛)の名前が出てきます。青年期の光秀の行動や活動は謎めいているのですが、一説によると光秀は医学的知識に長けていて、若い頃は医者として生計を立てていたんじゃないかとも言われています。
この辺りの医学的な素養については麒麟がくるの中でお駒さんに受け継がれているのかもしれません。
今回は足利義昭の将軍就任と、三好勢の将軍襲撃が肝でした。織田信長が義父に帰ってすぐに本圀寺の事件が起きたので、事情を知っている人が怪しいですねぇ(摂津さんを見ながら)
NHKの番組紹介サイトを見ると「京〜伏魔殿編」とあるので、パンデモニウムな感じのドロドロ水面下バトルが繰り広げられるのかもしれません。
まさかの繰り上げ就任
三好勢が推挙する第十四代将軍足利義栄が病に斃れるというまさかの展開に。空位であることは問題があるため、第十五代将軍に足利義昭が就任しました。
織田勢としては目的が果たせた形になるのでめでたしめでたし……となるかと思いきや、織田の家臣と三淵を筆頭とする将軍の家臣で揉めてました。このシーンの間の取り方が緊迫感があったりして見ているこっちまで胃が痛い感じになってきました。
遅れて入ってきた光秀はさぞ気まずい感じだったでしょうね。しかも前回信長をフって将軍の家臣になったわけですから、同じ場にいるのはなんと気まずいことか。
義昭はまだ武士になって日も浅く、この場を納めるのも大変なんじゃないかと思っていたら、信長に感謝する形で織田勢の溜飲を下げました。殿が将軍に感謝されている姿を見れば、信長の家臣たちも矛を納めて話を聞くしかありません。
上洛のために利用して終わりではなく、ちゃんと信長に感謝できる義昭はいい人ですね。逆に変な人に利用されちゃいそうで怖いですが。
信長へのプレゼント九十九茄子
元々三好長慶の家臣である松永久秀が信長の仲間になりました。コンゴトモヨロシク。
この時信長に献上したのが九十九茄子(つくもなす)と呼ばれる茶器。その価値は1000貫ともなるそうで、信長が義昭に献上したお金と同じくらいの額をぽんっと献上しちゃう松永の隆盛を感じられる場面です。
この九十九茄子、信長→秀吉→家康を経由して現代まで伝わってきたらしいですね(驚愕)
天下人が手にした茶器が現代まで伝わっているのは驚きです。長く使えば付喪神が宿るなんて言われていますが、九十九茄子もその名の通り付喪神がついているのかもしれません。なんといっても400年以上前のチャキですからね。
将軍襲撃!本圀寺の変
将軍がいる本圀寺(ほんこくじ)が三好に襲撃されました。後ほど細川藤孝との話に出てきましたが、関所もスルーしてどこからともなく敵が現れたようで、幕府内部の内通者の存在が伺えます。
将軍はこれまで政所を担当してきた摂津をそのまま採用しており、光秀に対しても「摂津が明智殿のためにいい家や土地を用意してくれる」なんて感じで気軽に言っていましたが、光秀はこのことに危機感のような何とも言えない感情を持っていたようで、張り付いた笑みを浮かべていました。
光秀自身は将軍の警護を担当していたようで、かなり信頼も暑かったように思います。逃げ道の先導、逃げた先での警護など、信頼している人じゃないと任せられませんからね。
戦いのあとは基地の修復や怪我人の手当ての指示など、最近加わったとは思えないような働きぶりでした。すごいな光秀。
二条城の築城命令
本圀寺の変では摂津は信長への知らせを遅らせていたようです。悪いやつですね。
そのチョンボに信長はブチギレで、「2ヶ月で城を建てろよオラァン!」と無理難題を吹っかけました。摂津は表面上は平謝りでしたが、部下たちの前では「信長気に入らねぇぜ」と文句たらたら。元々この人のミスから発生した問題でしたがそんなことはどこ吹く風、信長を追い詰める策を立てているかのような口ぶりでした。
本圀寺に敵を招き入れたのもこの人では? と思えるくらい片岡さんの演技が光っていました。いい悪役がいてこそドラマは輝きますね。
仏像なんのその
二条城の築城にあたっては、周辺の地域から様々なものを集めていたようです。その中には石仏まであり、これを砕いて石垣にするとか。
現代の感覚でも罰当たりなような気もしますが、当時「苦しみから救われるための方法」という位置付けだった仏教で大切なアイテムをぶっ壊して城の材料にするなんて、光秀もドン引きしていました。
人々のよすがとなっている仏教に対して挑戦的な行動を取るのは、人の心に与える影響を軽視しているのでは? なんて思われるかもしれません。
信長はこのあと比叡山の焼き討ちを控えており、宗教の名の下に腐敗した仏教勢力を討ち果たします。本来人を救うはずの仏教が破戒僧の隠れ蓑になっているのはブッダも苦笑いする状況ですね。仏教に特別な思い入れがない信長だから比叡山の焼き討ちに至ったのかも。
また、幼い頃に城にあった仏像を壊しちゃったエピソードも出てきましたが、まだ心の中には母上から怒られた場面が残っているようです。「どんな罰が当たるか待っていた」なんて言っていましたが、母上の言葉を軸に行動していた信長の姿が伺えます。
近衛前久の立場回復を目指して
本圀寺の変で傷ついた人を癒すため、お駒さんたちは怪我人の応急処置を行うことに。そこで将軍となった義昭と再会しました。お駒さんと会っていた頃は覚慶さんでしたが、その頃と同じように湯を沸かして人のために走り回っている姿がありました。
伊呂波大夫はこの話を聞いて、お駒さんを通じて近衛前久の復権を目指しているようです。
近衛前久は将軍の推挙にあたっては「足利義栄がいいと思う」と推薦していました。その結果三好に担がれている形になりましたが、推挙した義栄が病に斃れてしまったので立場がない状態に。近衛前久と兄弟同然で育った伊呂波大夫としては立場を回復するサポートをしたいところ。
お駒さんは将軍とのとりなしを断りましたが、光秀が将軍のそばにいるという情報を提供することに。光秀も信長の上洛に先駆けて京に入ったときに伊呂波大夫に世話になっているので、うまく使われそうな予感。
この光秀は、現時点では別に人を裏切ったりはしてませんから、伊呂波大夫に言われる通り近衛前久の立場回復を目指すのかも。そうすると摂津ともぶつかることになるのかな?
まとめ
将軍の側に仕える幕臣として加わった光秀。朝倉の元でローニンをしていた時とは顔つきが違っているような気もします。その朝倉は何だか不穏な動きを見せているようで、次回は激突してしまうのかもしれません。
光秀としては越前にいる家族は何としても救出したいところです。
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