いだてん11話感想「百年の孤独」100年前に世界に挑んだ三島弥彦

2020年2月15日

百年の孤独

とどでございもす。

播磨屋さんの件は非常に残念でした。来週はその足袋を履いて金栗四三が走るのに、あのニュースがちらつきそう。

本編の方は三島弥彦の戦い。世界のレベルが全然分からないまま大会に飛び込んで、その実力差を突きつけられる弥彦。先週はプレッシャーに押しつぶされそうになっていましたが、今回は楽しそうに走っていました。

100mでは自己ベストの12秒を切る11秒80でゴールするなど大奮闘。実力が及ばなくとも、この大舞台で走ることを楽しむ姿が素敵でした。

100年経った現代では桐生祥秀選手が10秒を切って9.98秒の記録を出しており、三島弥彦がその目で世界の選手達を見てきたことが実を結んだような心持ちです。

今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは「百年の孤独」です。元ネタは焼酎……ではなく、ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説から。焼酎の元ネタがこの小説です。

ノーベル文学賞をとった人の作品で、原作の出版は1967年です。ノーベル賞といえばスウェーデン、このあたりも繋がりを感じます。

今回のテーマともなっている「100年」は、日本人が短距離走で海外の選手と戦えるようになるまでにかかると弥彦が感じた時間から。

実際、その100年近く後の北京オリンピックで日本の選手が4*100mリレーでメダルを獲得しちゃうんだからすごい話です。放送後の特集で出てきた朝原選手はリレーでアンカーを務めていましたが、銅メダルを取った当時36歳だったというのも驚き。超人かな?

2016年のリオデジャネイロオリンピックではバッチリ銀メダルを獲得したので、着実にレベルアップしています。すごすぎ。

「孤独」という意味では個人種目ですね。こちらは実は100年かからず女子選手が800mで銀メダルを獲得しています。すごい。東京オリンピックまでの間を考えるとこの人もドラマに出てくるんですかね? ネタバレしちゃうとあれなのでいつの大会かは内緒です。

ニッポンと呼ぶべきです!

金栗四三は「おい達はJapan人じゃなか! 日本人です!」と主張し、国名をNIPPONと表示して開会式に出ることになりました。

彼は「ニッポンじゃないなら俺は大会に出ん!」とまで言いだす始末。肥後の気質を表す「肥後もっこす」が安仁子の口から飛び出しました。

「肥後もっこす」は「津軽じょっぱり」「土佐いごっそう」と並ぶ頑固者を表す言葉。一度決めたら梃子でも動かない気質ば表現した言葉です。安仁子よく知ってんな。

並び順がイタリアの後ろだと決まっていたのに表示名ば変えちゃうのも中々やりたい放題ですが、自分が何者であるかを堂々と言えた方が選手もやる気を出せるのかも。

それにしても金栗四三と三島弥彦が並んで入場しているのに、写真ではどちらかが旗で隠れているのがシュールですね。この辺も初めてのオリンピック感があります。

なお、NHKでは日本の読み方は「ニッポン」と決めているそうです。

楽しそうに走る弥彦

「短距離走は他の選手と戦うんじゃない、ただ唯一タイムと戦うのだ」

と大森監督が言葉をかけたことで、弥彦の迷いが吹き飛んだようです。前回は体調が思わしくなく床に臥せっていることが多かった大森監督でしたが、今回は監督らしく励ましの言葉をくれました。

「もっと早くその言葉を聞きたかった」と弥彦が言っていたのはまさにその通りだと思います。でもこれがあったからこそ楽しく走る方に意識が向いたので、弥彦にとってとてもいい方向に進んだようです。

逆にプレッシャーを感じる四三

大会で短距離走を走った弥彦に対し、マラソンを控えている金栗四三はプレッシャーまみれ。

前回自分が弥彦を励ました言葉を受けると、「バカにしてるのか」と怒りだす始末。いやぁプレッシャーを感じてますね。

重圧、期待、不安、いろんなものを背負って走るのは……想像しただけで背筋がゾクゾクきます。

しかも日本人初のオリンピック出場ですから、プレッシャー半端ないって。自分の競技まで時間があれば余裕もあるでしょうが、目前に迫ってきたら「あわわわわわわ」となってもおかしくありません。

ふんどし祭り

毎回全裸かふんどし姿が出てくるのはNHKの趣味なんですかね?

今回は水浴びのシーンでアキラ100%改めトウマ100%まで出てきました。ジャニーズをここまで脱がせるとか官九郎さんすごひ。

それにしても部屋でふんどし一丁で筋トレに励む弥彦、いい筋肉してました。西郷どんの時の鈴木亮平さんも体をがっつり鍛えてましたし、大河ドラマは筋肉がないと出られないようになって来ました。日曜8時の筋肉ドラマです。

NHKの別番組では筋肉体操なんて番組もありますし、NHKでは筋肉ブームが来ているのかな。そう、筋肉は全てを解決してくれるのです。

志ん生も進展が

師匠の計らいで、前座として寄席に出ることになりました。いよいよデビュー戦ですね。こっちも「初めて」がリンクしているんです。

噺を教えてもらってないけれども、「お前さんは何かを持っている」なんていう師匠の無茶振りで出演することに。

こういう無茶振り、ビジネスの世界でやられたらたまったもんじゃないのですが、芸事の世界だと才能を試す試金石のような感じなんですかね?

師匠の動作を事細かに観察して自分のものにしようとする若き志ん生も一生懸命でいい感じ。

まとめ

どうしてもあのニュースが気になってしまう回でしたが、あまり足袋に注目することがなかったので良かったかも。弥彦回で良かった。

次回のサブタイトルは「太陽がいっぱい」で、元ネタは1955年にアメリカで出版されたパトリシア・ハイスミスのサスペンス小説です。「太陽がいっぱい」は日本版のタイトルで、原題は「The Talented Mr.Ripley」。意訳しまくってます。

この小説を原作としてアラン・ドロンが主演を務めた映画もあります。日本だと1960年公開なので東京オリンピック前にやってた感じです。もしかしたら阿部サダヲさん達が演じている東京オリンピック招致パートの頃にはドンピシャで上映中だったかも。