麒麟がくる第九回感想「信長の失敗」良い人かと思ったらいつもの信長だった

麒麟がくる

とどでございます。

帰蝶さまの前にいる信長は民に寄り添う良い領主なのかと思いきや、父親の信秀の前では「引出物」と称して松平広忠の首をプレゼントする非情な領主に。急進的な息子の考えには信秀も苦笑い。

「パパに喜んでもらえると思ったのに……」と字面だけみれば可愛いのかもしれませんが、やっていることはなかなかえげつないですね。

一方、光秀パートは幼馴染イベントが発生しました。前半が嘘のようにほんわかした空気でギャップが凄かったです。

松平広忠がやられるとは

前回今川と面談して、これから立ち塞がる大きな敵になるかと思いきや、次の話で討ち取られてしまいました。あっさり味です。

襲撃した3人組は、信長が帰蝶の元に連れてきた3人なんですかね? 部屋から出ていく際、泥で汚れた足元が映し出されていましたから、広忠襲撃後にやってきたのかも。

また、気になるのは岡村さんです。菊丸が於大の方に面会していて、「そなただけが頼りです」と言われていましたし、「竹千代様の影としてお守りします」なんて言っていたのも忍者っぽいですし。

Twitterだと菊丸が後の服部半蔵になるなんて話も出ていましたが、本当にありそうな感じです。

池の中の化物

帰蝶さまとの祝言をすっぽかして帰ってきた信長は、「池の中に化物が出るというからそれを確認しに行った。民に寄り添うのが大切だ」と最もらしいことを言っていました。信長が大蛇を探して池に潜ったエピソードは蛇池神社に伝わっている話なので、上手く絡めてきましたね。

これが実は広忠を討ち取ってたとは……。ちょっとでも「お、素直な優しい感じのノッブなのかな?」なんて思った純情を返して欲しい。

たこの乾物を二人で分け合うシーンは微笑ましいのですが、このあとのシーンがなかなかぶっ飛んでいて、感想を書いているこのタイミングだと信長の笑顔が怖くて仕方がないです。

「これが尾張の味だ」とようこそ精神を出して帰蝶を迎えてくれている優しさもありながら、やるときはやるのが信長なのです。

またまたTwitterでは「この化物の特徴って麒麟のことじゃね?」なんて話も出てきて、戦のない世にやってくる麒麟を倒そうとしている信長だから光秀は本能寺した、なんて感じで説得力のありそうなネタが出てきました。このあたりは後半に思い出して「そういえば!」なんてなるのかしら。

首かと思ったら本当に首だった

信長が信秀への挨拶で「引出物」と称して持ってきた器。あれ、行器(ほかい)というらしいですが、米などを入れる容器らしいですね。

「信長だし、首でも入れてるのかな?」なんて冗談めいた考えを持っていたら、ガチで首が入っているとかサイコパスすぎ。「松平の首を美味しくいただきましょう」ってやかましいわ!

信長のおかんも席を外せと言われて「あっ……(察し)」みたいな感じで出ていきましたし、信長ならやらかすと(負の意味で)信頼しているようでした。

そりゃ普通の信勝を溺愛しちゃうかも。

信秀は信秀で「時期は今ではない」と焦りすぎた信長を嗜めていました。実際、ついこないだまで戦をしていた美濃と手を組んだばかりで、いつひっくり返されるかも分からない状況で援軍を期待するのは難しいですもんね。

信秀がまともすぎて、信長の若さが目立っていました。

視聴者の視点だったら広忠は織田との戦支度をするために移動していたので、スパイを紛れ込ませていた信長が討ち取ったのは効果があったように思いますが、信秀的には性急だと感じても仕方ありません。

それにしても、首を持ってきた時のニッコニコ顔から、怒られて真顔に変化していく染谷さんの演技がすばらしいですね。

竹千代に信頼されているけど

竹千代とお話した帰蝶さまでしたが、竹千代は信長を信頼しているみたい。でも竹千代の父を討ち取ったの、その信長なんですよねぇ……。

この頭良い竹千代だと、それすら飲み込んで信長と協力関係を築きそうではあります。

あと信勝との将棋は「わざと負けている」というまさかの事実。10才前後の子供に接待将棋をしてもらうとか……信勝凹みそう。

帰蝶さまとは仲良く

那古野城に戻った信長は鉄砲の撃ち方を帰蝶さまに教えてくれました。帰蝶様もノリノリで試し打ちしていたのが良いですね。馬に乗ったり、鉄砲を撃ったりと、そのうち戦場を駆け回りそうな勢いです。

こういうプライベートな部分では信長もまともな感じで、二人とも若干警戒心が解けていっている様子が伺えました。

父親との衝突はあったものの、「たまに大嫌いになる以外は好き」とお互いに共感したことで仲良くなったようです。

ヒーローは遅れてやってくる

主人公の光秀は30分過ぎまでなりを潜めていましたね。こちらは戦や腹黒とは無縁なのほほんとしたパートで癒されました。

米を届けるように言われた妻木の城では、幼い頃に一緒にかくれんぼをした煕子(ひろこ)さんと再会しました。帰蝶様へのほんのりとした恋心を自覚した後ですが、新たなヒロインと出会って心動かされているような……?

しかも昔結婚の約束をしていたし、それも光秀からだったし、とこれは煕子さん大勝利ルートですね。というか放送後の解説で「光秀の妻になる煕子」って思いっきりネタバレしてましたね。

前半の戦国時代前面プッシュなイベントに比べると心温まるイベントでした。

叔父の光安は「煕子とくっつくように」なんて計らいで妻木の城に光秀を行かせたようで、何か進展があることを期待していました。ただ「酒を飲まされて城や山の話を聞かされて帰ってきた」なんて報告を受けてガッカリしたみたい。

叔父の前では何もなかったかのように振舞う光秀でしたが、持って帰ってきた花弁を見て何か思うことがあったようでした。

駒には困ったもんだ

なんてジョークを言っている場合じゃないですよ、東庵先生。

駒さんは京に帰ってきてから気が抜けた様子。治療もままならないようで、ため息が止まりません。

片思いしていた十兵衛は遠い空の下で他の女と仲良くしているようですし、駒さんが報われません。

そこにやってきたのは「いろは太夫」なる旅芸人の一座。ちょくちょく話には出てきていましたが、来週あたり駒さんとご対面しそうな感じですね。

まとめ

今回は主人公がゆるふわ空間で癒されている一方、信長が笑顔の裏で暗躍していました。来週の予告では二人が出会って自己紹介しているシーンがあったので、ついにちゃんとお互いを認識するようですね。