麒麟がくる第三十七回感想「信長と蘭奢待」漢字の中に東大寺が隠れてるので探そう!

麒麟がくる

とどでございます。

前回、将軍様とドラマチックに袂を分かったと思ったら、信玄急逝であっさり将軍の足利義昭が捕まってしまいました。気まずい……。

信玄もいなくなったことで東の憂いがなくなった信長は朝倉、浅井を一気呵成に攻め落とし、事実上将軍のような立ち位置に収まりました。

そこで信長が望んだのは、天下を制した者が見るという蘭奢待。信長もその目で見たいと所望しました。なんだか伝説の剣を引っこ抜くみたいな話ですね。これが日本で本当にあったんだから事実は小説より奇なりです。

信玄に梯子を外された

将軍の足利義昭は信長討伐の兵を挙げました。が、挟み撃ちをするはずの信玄が来ない! というか引き返しちゃった!

義昭からしたらブチギレ案件です。命がかかっているのにこんな形で梯子を外されるなんて……。視聴者からしたら信玄に何が起きたかはすでに知っていることですが、当事者の立場だったらやりきれない怒りが沸き上がりそうです。

放送開始5分で義昭が捕らえられてしまいましたが、光秀と対面した時の気まずそうな表情といったら……。

三淵どのも捕らえられ

三淵どのも義昭側についていたので捕らえられました。一緒に行動していた弟の藤孝は、なんと織田と繋がっていました。上座に座って「面を上げられよ」と言われたときには胸中穏やかではいられなかったでしょうね。

実の弟が敵側についていたのですから。

胸中穏やかでないどころか普通に怒りを表明していましたが、織田のために働くことで許しを得られる運びになりました。プライドを取るか命を取るかみたいな選択になっていますが、将軍の義昭が生きている以上命を落とすこともないですからね。

後々坂本城に移された三淵どのは光秀に「家臣の心得」を説きました。将軍の心が分からないこともありましたが、それでもついていく姿は信念があるなと感じます。

信長が元号を決める

本来なら将軍が改元の元号を決める役割を持っているのですが、当の義昭様が京を追われ実質的に信長が将軍の役割を果たすようになりました。元号を決める話は13代の義輝様のときにも出てきましたが、あの時は義輝様へのお伺いもなく決められてしまっていたんですよね。切ない。

信長は「天正がいいと思うんだけど、どう?」と光秀に問いかけました。ワンマンでゴリゴリ決めていくスタイルでも他の人は文句を言わない立場ですが、他の人の意見を聞こうとする姿勢が見えるのはすごいなと思います。意見を聞くとはいっても反対意見まで聞くわけではないかもしれませんが(笑)

私は見ているときに「天を正す時代にするみたいなかな?」なんて思ってしまいましたが、帝に心酔している信長は「天が正しい時代だ」と説明しました。天を正すって帝に反旗を翻すみたいな感じになっちゃいますね。危ない危ない。この信長がそんなことするわけないですから。

再起を図る義昭

京を追われはしたものの、再起を図って手紙を書き続ける義昭。宛先はまだ信長に屈していない大名たち。

そんな義昭の元にやってきたのはお駒さんでした。

最初の頃は自分にできることをしようと人々のことを考えていましたが、段々とその方向からは変わってしまいましたね。終いには「戦をなくすために戦をする」とまで言い始めました。戦がなくなれば巻き込まれて苦しむ人もいなくなりますが、その過程で戦があるならそこで巻き込まれる人にとってはなんの慰めにもなりません。

特にお駒さんは戦に苦しむ人たちを見続けてきましたから、義昭様がそういう考えであるのはあまり嬉しくはありませんね。

義昭様はお駒さんにいいところを見せようとしている姿もあったような……。立ち回りによっては麒麟を呼べたかもしれませんがままならないものですね。

朝倉、無念

越前の名家、朝倉義景が身内の裏切りで命を落としました。今後の戦略を練っているときに短刀を渡されるのは最高の煽りですね。「腹を切りなよ」と、いとこの朝倉景鏡も舌を出してアインシュタインを真似しました()

色々と溜まっているものがあったのかもしれません。

信長を「成り上がり者」と嫌っていましたが、その信長に追い詰められてしまうのは皮肉なことです。戦って討ち死にではなく身内の裏切りで、というのがまた悲しい幕引きですね。100年続いた大名家がこんな形で幕を下ろすことになるとは誰も思わなかったことでしょう。

最期まで「俺は名門朝倉家の義景だ!」と家のことを口にしていたのは、それだけ誇りに思っていたんでしょうね。怯えて逃げ回るとかではなく最期まで貫き通したのは強いところ。

蘭奢待欲しい

信長は朝倉、浅井も討ち果たし、いよいよ自分の目指す天下を描ける段階にやってきました。ここで信長が望んだのは「蘭奢待(らんじゃたい)」という香木をもらうこと。蘭奢待はそれはそれはすごい功績を残した人が見ることができる香木で、帝の許しがないといけないものでした。

信長は今の頑張りを褒めて欲しくてこの蘭奢待を望んだんですね。

王国に伝わる伝説の世界樹を削ってお守りにする、なんてRPGに出てきそうな話が過去の日本で行われていたことを考えると、戦国時代もなかなかのサムライファンタジーです。

信長は蘭奢待をもらって、半分を帝に献上しました。帝のため、帝のため、という姿は健気なようですが、当の帝は「毛利に渡しなさい」とあまり喜んではなさそうでした。

信長と争っている最中の毛利に渡すことの意味は……なんでしょうね?(無知) 二人で仲良くしてね、というメッセージでしょうか。

ちなみに蘭奢待をこの段階で得るというのは光秀的には「まだ早い」という判断だったようです。過去の慣習などに縛られて澱んでしまった幕府を京から追い出しただけなので、信長自身の政策などはまだこれからというところでしたから、「頂にはまだ遠い」と今井宗久に伝えていました。流石に本人には言えなくて「帝がお許しになったなら」という温度感でした。

まとめ

光秀は信長につきましたが、100%その行動にコミットしている訳ではなくて、止めるべきところは止めようとしているような印象でした。

次回は丹波攻略の話が出てきているようです。ここ最近は信長がメインでしたが、光秀の頑張りも見られそうですね。まぁ本人が丹波を攻略したいかどうかは別として。