直虎35話「蘇えりし者たち」政次は皆の心の中に生きている
とどでございます。リアル事情で遅刻更新と相成りました。すみません。
今回のサブタイトルの元ネタは「レヴェナント 蘇えりし者」。
2015年公開のアメリカ映画です。ゾンビとかは出てこない。
サブタイトル的なので攻めれば、ドラクエ4の「導かれし者たち」も候補に挙げたいところ。
前回は気賀が徳川の猛攻に遭い、多くの民が犠牲になってしまいました。
かろうじて息のあった龍雲丸を救出して寺に戻った直虎たち。
そこに近藤康用の家臣から、手当の要請が。
行ってみれば、政次の仇である近藤が怪我をして床に臥せっているではありませんか。
小刀を手に、近藤康用を見つめる直虎。
いつやるか? 今でしょ!!
死屍累々の気賀
徳川、というか酒井忠次の策により、気賀にいた民までもが犠牲になりました。
その中には、龍雲党の仲間たちも。龍潭寺のみんなで生存者を探すものの、なかなか見つかりません。
直虎も悲しみに襲われながら声をあげ、ついには龍雲丸を発見。まだ息があったため、龍潭寺へ担ぎ込まれました。
龍雲丸の看病と口移し
龍潭寺で必死の看病の甲斐あってか、龍雲丸は復活しました。蘇えりし者その1です。
鈴木重時の息子、鈴木重好の依頼でお経を上げている時に復活したので、あのお経はザオラル的な効果があるんじゃなかろうか。
直虎と龍雲丸の口移しシーンがあってびっくりしましたが、その後ごまかしが入りましたね。和尚様から口移しされたと聞かされ、「お……和尚様と!?」となかなかのリアクションでした。
和尚様も和尚様で、「なんじゃなんじゃ水臭い」みたいな感じで、背中やら太ももやらをやたら触ってるし。腐女子歓喜。
自由なにゃんけい和尚
上のシーンで後ろにいた猫(通称にゃんけい和尚)が自由に遊んでいる様子が素敵でした。
このにゃんけい様は2匹の猫で演じているらしく、男の子と女の子の時があるそうで。
男の子の時は、人懐っこくて大人しく、女の子の時は結構やんちゃに遊びまわるみたいです。今回は女の子の方だったのかな。
というかにゃんけい様については前から情報出てたのに、今まで自分が見ていなかったことに気付いてショック。
NHKの特集ページとか、先週も見ていたはずなのに!政次の辞世の歌しか見えてなかったよ……。
というわけで「きょうのにゃんけい」をみんなで見よう!
近藤康用からの救護依頼
龍雲丸が起き上がった頃、井伊谷城にいる近藤康用の家臣が救護依頼を持ってきました。
今川方最後まで戦った大沢基胤の軍とぶつかる井伊谷三人衆。その一人、鈴木重時はその中で戦死したようです。
近藤康用も怪我を負って井伊谷城に運ばれました。昊天さんと共に、直虎は近藤康用が臥せっている場所へ。近藤の家臣が席を外すと、直虎は小刀を手にしました。
視聴者の60%が待ち望んだリベンジタイムです。今こそ政次の仇をとるのです!
「そのつもりなら、捨て置いていた」
と直虎は近藤康用の治療をはじめました。ちょっと残念な気持ちもありつつ、でも安易に復讐しない度量もいい感じ。
それにしても、寺の僧侶が回復を担当するって、RPGみたいですね。
政次は皆の心の中に
之の字が手紙を届けてくれたことで、直虎は川名にいる皆の近況を知ることができました。その手紙の中には、政次の話題が。
今川に従っているフリをしていた政次は、実は井伊の人々に慕われていました。
政次の甥である亥之助と直之の弟直久の碁では、どちらも政次が碁を教えたことから、同じ手筋となっていました。政次対政次のバトル。
そりゃ時間もかかります。さらには、それを崩すために自分で手を考えなければなりませんが、それは政次に挑むようなものです。
なんと無謀な。
さらに、川名の人々の間で流行っているのが政次のモノマネ。
今川の目付として、目の上のたんこぶのように扱われていた頃のモノマネとかしてました。モノマネができるってことは、その人のことをよく見ているってことなんですよね。
自分が相手のことを知っているか確認したい時は、モノマネができるかどうかを確認すると良いそうですよ。
それはさておき、政次が皆の心の中にいることを直虎が感じ取ったことで、「政次は生きている」と感じはじめました。前回、政次の死を実感してからのこの気付き、ある意味では政次の蘇りのように感じることでしょう。
という訳で蘇えりし者その2は政次でした。
大沢の降伏
大沢もついに徳川の軍門に降ることになりました。
気賀への苛烈な攻めが功を奏した、と酒井忠次は喜んでいます。
「気賀は近藤康用に与えましょう」
という言葉がなければ「ただの冷酷な人」という感想でしたが、近藤と繋がってる感が出てくると、これまた違った感想に。それとも、近藤をコマとしてうまく使ってやろう、という考えでしょうか。それならよし。
本多忠勝も、掛川攻めに関して後顧の憂いがなくなった、と前向きに捉えている様子。
今のところ、
- 酒井忠次 → 冷酷かつ策略家、ドラクエ4でいうエビルプリースト
- 本多忠勝 → 戦い大好き! ドラクエ4でいうヘルバトラー
なイメージ。
いや、酒井忠次はエビルプリーストほど凶悪ではなかったですね。
あくまで、「徳川のため」の範囲内でやっていることだし、史実では裏切ったりもしないし。同じく徳川四天王の榊原康政はまだ出てこないんですかね。
直政のライバル枠だから、直政が成長してからでしょうか。
掛川城の和睦
酒井忠次、本多忠勝に内緒で、ニンジャ常慶を呼んだ徳川家康。
その目的は、掛川城にいる今川氏真との和睦でした。
これは今川氏真にとっても願ったり叶ったりの状況です。条件が整い、直接掛川城に乗り込んだ家康は、氏真と直接交渉。実はお互い、戦が嫌いだったことがわかり、仲良くなりました。
氏真は「戦の代わりに蹴鞠で勝敗を決めようぜ! ……そんな風に考えていた時期が俺にもありました」と、理想を掲げていたけれどそれだけではうまくいかない、と思い知らされたようでした。
この対談の結果、和睦が成立し、戦国大名としての今川氏は滅亡することに。以後は、徳川の庇護下で生き延び、江戸幕府ができてからは公家との調整役になったそうで。
今川氏のルーツは公家なので、その流れを汲む氏真は適任だったことでしょう。
掛川城を明け渡した後、「私は私のやり方でいく」と妻に告げる氏真は、どこか晴れやかな表情をしているのでした。
寿桂尼や父・義元の姿が強く焼きつき、自分を亡くして動いていた氏真にとって、自分の生き方を考えられるようになったのは、ある意味では蘇り。
蘇えりし者その3は氏真でした。
また入れてしまったのう
氏真との和睦の結果、掛川城への入場を果たした家康。「また入れてしまったのう」と、岡崎城への入場を果たした時と同じセリフでした。
あの時も、今川が持っている城を獲ったんですよね。
前回はごっつぁんゴールのような感じでしたが、今回は家康自身も策を考えて城を獲得しました。
武力で攻め落とそうとしていた酒井忠次と本多忠勝は、家康とのスタンスの違いを感じていたようでした。
戦いによって相手を屈服させる、というのが戦国の外交手段だと考えている彼らにとっては、家康のやり方が心配なのかもしれません。
あとは、自分たちに内緒で話を進めていたことに対するショックとか。そんな感情が入り混じった表情をしていました。
武田ブチギレ
そらそうですよね。
氏真を討伐して、遠江をはんぶんこしようぜ! って言ってたのに、全部家康が持ってっちゃうんですもの。せっかく今川領を攻めたのに、徳川の方がいっぱい領地持ってくなんてずるいです。
これを機に、武田と徳川との関係は悪化していきます。
仲間の帰りを待つ龍雲丸
幼い頃、父親が自分を逃がすために敵の足止めをしていたシーンを思い出してしまう龍雲丸。また自分だけ生き残ってしまった、と今の自分と重ね合せました。
井伊にあるアジトに帰ってきているんじゃないかと期待して戻ってみるものの、龍雲党のみんなは帰ってきませんでした。
龍潭寺からいなくなった龍雲丸を心配して直虎が探し行くと、彼はひとり、泣いていたのでした。仲間の帰りを信じていたい龍雲丸の姿は、前回の直虎を彷彿とさせます。
瀬戸方久の弟子入り
堀川城の城主・瀬戸方久は、その後出家して「法休」と名乗っていた、なんて説もあるため、予告で見たときはそれを採用したのかな、なんて思ってました。
wikipediaの情報、しかも[要出典]が付いているという最大級に信用できない説を採用するとか、勇気あるなーなんて。
でも放送を見てみれば、出家したんじゃなくて、弟子入りでしたね。
しかもその動機は、薬が儲かりそうだから。実に瀬戸方久らしい。この男、ぶれません。気賀の惨状を見て、戦道具を売る商人、通称「死の商人」を廃業するそうな。
これからは薬で人を助けて、それでお金を稼ぐようです。
まとめ
政次は皆の心の中に生きていました。
気賀で敵に刺された龍雲丸も意識を取り戻しました。
自分らしい生き方を失っていた氏真は、勇気を持って和睦を受け入れることで、自分本来の生き方を取り戻しました。蘇えりし者たち、というのはこういうことだったんじゃないかな。
おまけ
サブタイトルの元ネタ集作りました。
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