直虎44話「井伊谷のばら」おとわ様ベルばらのオスカル的存在だった説

2020年2月7日

私の所領はダンボール

とどでございます。

今回のサブタイトルの元ネタは「ベルサイユのばら」。

池田理代子氏の漫画です。史実を元にしたフィクションというくくりなら大河ドラマと通ずるものがあります。

男のように生きようとした姿がオスカルと共通する所でしょうか。そうするとオスカルに恋心を抱くアンドレ枠に政次が来ますね。

さて、今回は万千代の活躍と祐椿尼の逝去が中心に。万千代は手柄を立てることが念頭にあって、井伊をどう運営するかまでは頭にない様子。

それを聞いた直虎は、そんな考えなら家督は譲れない、と突き放します。万千代も、もう一皮向ければ広い目線を持てそうですが、それが来週の信康関連のイベントなのでしょうか。

色小姓扱いがネックに

前回、色小姓宣言をしたことが尾を引いて、散々な言われようだった万千代。

初陣で家康と共に田中城に向かいましたが、陣中の守りを任されました。

戦略会議に出ようとしても、「色小姓なら寝所にいれば良い」と酒井忠次に笑われる始末。いつものぐぬぬ顔で寝所に戻れば、家康の息子である信康が薬を求めにやってきました。

万千代はいつも漢方薬を煎じていますね。回復役は大事だから仕方ない。このとき信康と一緒にいた男が実は武田からのアサシンでした。

異様な気配

うとうとする万福を槍でつついていると、なんだか人の気配が。

カメラに映る不審者の襟は、まんま先ほどのアサシンでした。この異変を家康に伝えると、家康に陣中の守りを任せられることになりました。

万千代の頭の中には戦場に出て手柄を立てることしかありませんから、それ以外の事を命じられるのは不服な様子。今回の後半に和尚様が言っていた通り、まだまだ視野が狭い様子でした。

おや? 薬箱の様子が……

なんと、蝶結びにしておいた薬箱が、片結びに。いつも触っている万千代はすぐにその異変に気付きました。

自分の仕事道具って、人が触ったらその形跡ってわかっちゃいますよね。ここで万千代は一計を案じ、寝たふりをすることに。

代わりに薬湯を作ろうとした犯人の尻尾を捉えることにしました。刺客が毒を盛ろうとした瞬間、家康の前に身を乗り入れて防ぎました。小姓はボディガードの役割もしていたそうですし、見事な働きぶりでしたね。

怪我したけど1万石

この働きが認められ、井伊万千代は1万石に昇進。

1万石あれば大名という話もありますし、これで小姓から大名に昇進です。放送後の史実パートでは万千代が田中城の城攻めに加わっていたようで、実際にはそちらの働きも大きかったことでしょう。

ここまでの石高となれば、家臣を雇わないといけないレベル。後半に話が出てきましたが、松下の所にいた小野の家臣たちを召抱えることにしたようです。

直虎の想いとは裏腹に、井伊の家がどんどん復興していますね。

直虎の母に不吉な影

直虎の母、祐椿尼の具合が悪いようです。それでもみんなに心配をかけまいとする姿は素晴らしいものです。

特に、娘である直虎には悟られたくないようでした。しかし、万千代たちの活躍が伝えられると、抑えていたものが一度にきたようで、倒れてしまいました。

その間、もしもの事を考えてみんなに会いにきてもらうように手配する直虎。オロオロするのではなく、何ができるかをすぐ判断して動けるあたりがもう立派な大人ですね。

祐椿尼はなんとか持ち直し、万千代と直虎に話し合いの場を設けるべく、和尚様に手紙を託しました。

万千代への手紙

万千代が徳川での元服を願い出ようとしていたころ、ちょうど祐椿尼からの手紙が届いたようです。

「元服を申し出ても、直虎のBBAは絶対に家督を譲らん!」と井伊谷に行こうとしていなかった万千代にとってはこの手紙がいいきっかけとなりました。

孫のように可愛がっていた子ですから、祐椿尼もぜひ会いたいでしょうし。

この手紙のおかげで万千代が井伊谷にやってきました。そして、直虎と話し合いをすることに。

お互いにギスギス

「どうせ俺の言うことなど、聞きはしないのだろう?」といったスタンスで突っかかる万千代。

戦によって手柄をあげることの無意味さ、虚しさを説く直虎でしたが、万千代もそれを聞き入れようとしません。

視聴者はなんだかんだ万千代が頑張って知恵を絞ってあがいているのを知っているから、多少応援したい気持ちにもなりますが、直虎の所にはそんな話は行ってませんもんね。

今回の1万石の話だって直虎には伝えられていませんでしたし。

手柄を潰された件もあったので、「今回の1万石の話も邪魔されるかも」となっても不思議ではありません。前回家康に伝えていたように、陰の働きでも見ていてもらえる、という点が万千代にとって大事なようでしたから、それを知らない直虎には心を開こうとしませんね。

このあたりは思春期感が溢れています。直虎にとって井伊の家名は武家としての威光を表すものではなく、民を守るものでなければならないので、今の万千代に渡したくはなさそうです。

特に、井伊谷の安堵を巡って近藤と対立してしまうと、そこに巻き込まれる民がまた疲弊してしまいますから、「そうなってもやむなし」と考えている万千代とはスタンスが違いますね。

結局喧嘩別れとなってしまいました。もう少し腹を割って話し合えばいいのに、相手はどうせこう思うだろう、と先回りして考えてしまうのは、初期の政次とのすれ違いを思い出します。

辛い思いをさせてしまった

万千代と直虎の話し合いの内容を知ってか知らずか、祐椿尼が優しく語りかけてきました。

10で寺に入れ、普通の女の子としての幸せを教えてあげることができなかった、と後悔を口にする祐椿尼。
一人娘だったからこそ、辛い思いをさせてしまったと謝る祐椿尼でしたが、直虎は「だからこそ得られたものがある」と告げます。

瀬戸村・祝田村の農民との話し合いから彼らの仕事を知り、龍雲丸たちと仕事をして彼らの境遇を知り、瀬戸方久と関わったことで商人の考えを知った。

こうして生きてきたからこそ知ることができた、自分に兄や弟がいてどこかに嫁いだのであれば、これを知ることができなかったと、後悔していない事を直虎は母に伝えました。その想いに満足したからか、祐椿尼はその夜、眠るように息を引き取りました。

信康のピンチ

次回予告でついに来てしまいましたが、家康の息子、信康が切腹の危機です。史実では奥さんとの仲違いで信長の怒りを買い切腹させられた、なんて話がありますが、このドラマではどう着地させるのでしょうか。

江戸時代の書物では、信康は徳川の人間ではなく松平の人間だという扱いをされたり、性格が粗暴だったとボロクソに書かれていたりと散々な扱いのようです。

悪者扱いされた人はどうしてもボロクソに書かれてしまうため、このドラマの信康は是非とも綺麗なままでいて欲しい所。それはそれで退場が悲しいけど。

まとめ

万千代と直虎はまだまだ話し合いが必要なようです。

万千代の普段の頑張りが井伊谷に届いていない以上、直虎も万千代の評価を改められない、というのが悲しい所。

次の世代を担う万千代に道を示すことはできるのでしょうか。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。