麒麟がくる第十四回感想「聖徳寺の会見」道三、信長気に入ったってよ

2020年4月20日

麒麟がくる

とどでございます。

信長と道三の会合では、お互い共通点を見つけてポジティブな結果に終わりました。会合に臨む信長の後ろには佐々成政、前田利家などすごい人もいてワクワクしますね。

信長と道三が接近する一方、道三の息子である高政との溝は深まるばかり。高政に「なんでもする」と言った光秀は高政に従うしかなく、道三に恩がありながらも協力できない板挟みな位置にいます。胃が痛そう。

信長の話を聞いた後に高政が家督や家柄にこだわっているのを見ると、スタンスの違いが浮き彫りになりますね。私たちは信長が天下を取ったことを知っているから「おお、ノッブこの頃からやるやんけ」と言えますが、ネタバレがない状態で戦国時代にいたら信長に援軍を送るのはちょっと待って、と言ってしまうかも。

帰蝶さまを立てる信長

道三の気に入る色の服を選んだのも帰蝶、会合に鉄砲隊を連れてきたのも帰蝶のおかげ、と帰蝶さまを立てまくる信長。偉さを盾に帰蝶さまをぞんざいに扱った挙句、毒入りのお茶を飲まされた土岐さんとは大違いです。

信長自身も「うつけ」と言いながらも、自分のバックボーン、これからの展望を語り、目指す未来のビジョンを道三に共有しました。お互いが兵を連れてきて下手したらドンぱちやるかもしれない状況で堂々と語れる姿は素敵です。

元々は神主の家系だったのが頑張って成り上がった織田家。元々商人から成り上がった斎藤道三としてはシンパシーを感じます。

ここで信長側の家臣として佐々成政、前田利家が登場したのもびっくりしました。前田利家は長男ではなく四男で家を継げない状況から加賀百万石の大名にまで成り上がったことを考えると、とんでもない出世です。

最高の褒め言葉

口の悪い道三が「見事なうつけだ」と信長を褒めていたシーンは熱いですね。「それは褒めているのですか?」と問う信長に対し、「あとで誰かに聞いてみると良い」なんて嬉しそうに返す道三の顔がまたいい感じ。

帰蝶さまなら道三の言葉の意味をよく理解していることでしょうから、あとで彼女から話を聞いていそう。褒めてもらいたいくていろいろ頑張っていた信長としては嬉しいイベントだと思います。

光秀も家で「あの口の悪い殿があそこまで言うとは」なんて言ってましたもんね。光秀も結構ズバズバ言いますね。

両想いなのばれてた

もし交渉が決裂していたら帰蝶さまが美濃に帰ってきて、十兵衛のところにお嫁にやってくるのでは? なんて話も出てきましたね。結婚したばかりの煕子どのが「私も帰蝶さまと結婚するものだと思っていた」なんて言うのも心臓に悪いです。

妻木の方でも話題になっているあたり、本人たちが意識していないだけで余程いちゃついていたのかもしれません。何かあるたびに帰蝶さまが明智荘にくるなんて話を聞いていたら「ああやっぱり」となっちゃいます。

魚を食べながら「小骨が刺さった」と誤魔化す光秀も良かったです。今回は動揺しているシーンが多いですね(笑)

菊丸が薬屋に

家康が今川の元にいるからか、駿河の薬屋に潜入したようです。偶然出会った駒さんには「駒さんから薬の知識を教えてもらったので」なんて言ってましたけど、菊丸は忍者らしき描写があったのでブラフでしょうかね。

駿河では秀吉が再登場しました。本を片手に仕事をしながら、世の中の不条理に耐えている姿は応援したくなります。「あいつらいつか見返してやる」と正直に言っちゃうのもストレートで良いです。リアルにそれを成し遂げたのがすごいところ。

字が読めない状況から天下人まで上り詰めたというのはとんでもない出世ですね。

すれ違いの斎藤親子

美濃から那古野城に援軍を出そうとする道三に対し、「今川に睨まれる」と援軍を出させたくない高政。お互いに美濃のことを考えているはずですが、その実現方法は異なっているようです。

コミュニケーション不足ですれ違いがどんどん広がっていきます。「腹を割って話そう」と一回くらい話していたら結果も違っていたかもしれませんね。

光秀は完全にこの親子の板挟みに。叔父の光安は道三側に立っていますが、光秀は高政に「なんでもする」と約束をしてしまっているので、本心はどうであれ高政の意見に同調しました。「絶対そんなこと思ってないでしょ」という顔で「援軍は時期尚早かと」なんて道三に告げる姿はシュールでした。

結局高政と稲葉は「高政が家督を継ぐしかない」という結論にいたり、「ゆずってくれ たのむ!」とお願いすることになりました。

母親の死を利用する高政

高政がそんな決意をした折、高政の母である深芳野は酒によって川で溺れてしまいました。説明的ではなく、酒を飲んでふっと消えるような描かれ方だったので、事故だったのか、道三と高政の仲違いに心を痛めて身を投げたのか定かではありませんが、道三も高政も深い悲しみに覆われることとなってしまいました。

二人とも心を痛めて今週は終了……と思いきや、高政は「母上のことを思うなら俺に家督を譲れ!」ととんでもないことを言い出しましたね。

親父のことをマムシと罵りながら、自分も母親の事故を利用して家督を譲らせるあたり、親子の絆を感じます。

道三も「わかった」と素直に家督を譲ることに。元々家督を譲るつもりはあって、時期を見ていただけっぽかったので、高政が後を継ぐことには異論はなさそうですもんね。ただ若さで熱くなるところがあるから心配だったのかも。まぁ親の心は子供は分かりませんからね。

道三が髪を剃ると

今川にいる太原雪斎と見分けがつきませんね(笑)

来週の予告では高政に家督を譲って髪を剃った道三が出てくるようです。坊主キャラでかつ二人とも濃い系のイケメンなのでひげの形で見分けをつけるのが良さそうです。