西郷どん第40話「波乱の新政府」贅沢三昧の明治政府に隆盛ドン引き
とどでございもす。
意気揚々と東京に来てみれば、贅沢の限りを尽くしていた明治政府。
一蔵は「他国に舐められないため」というものの、西郷さんからしたら「その金があるなら贅沢じゃなくて産業なりに回しなさいよ」って感じ。
西郷さんの視点だと一蔵の意見はアレなように見えますが、国として立ち上がる以上、他国と対等に渡り合わないといけません。ボロ小屋に住んでる要人と会談します、なんてなったら「この人と話をしてほんとに大丈夫……?」と不安になるでしょうし、お金を餌にした交渉を持ち掛けられちゃうかも。
例えば昼飯に豪華な仕出し弁当を食べるにしても、「これは西洋の人の口に合いそうだから交渉の時に出そう」とか「この酒は西洋の人にはきついかも……出すのはやめるか」みたいな後に繋がる学びがあればそれはそれでいいのかも。
でもそのためのお金は誰が出すの……? となるとまた問題なんですよね。税金から払ってたら国民は「ザッケンナコラー!!」ってなるし。
江戸から明治にかけてはびっくりするくらい急激な変化があったので、もうほんと手探りで進んでいた時代だったんだと思います。
前回のあらすじ
明治になり、政界から身を引いた西郷さんは薩摩に戻ったようです。
糸さぁからの提案もあり、奄美大島にいる愛加那さんとの子供である菊次郎を薩摩につれていくことになりました。
菊次郎は薩摩の西郷家に来たものの、遠慮しがち。
一方その頃、東京で政策を決めていた大久保一蔵たちでしたが、一枚岩ではなく激しい議論を行なっていました。要人の中には暗殺されてしまった人もおり、一蔵と岩倉具視はみんなをまとめられる西郷さんをなんとか呼び戻せないか画策。
ナイスタイミングでフランス留学から帰って来た西郷隆盛の弟・従道に「西郷隆盛を呼び戻してこい」と依頼しました。
従道からの勧めもあって東京に行こうと考える西郷隆盛でしたが、菊次郎が気がかりなため諦める方針に。
でも菊次郎はそれを察して「人のために立ち上がる父上であってほしい」と東京に送り出してくれました。
今回はこんな話
今回のハイライトはこちら。
- 鹿児島城で島津久光に、明治政府への参加を依頼
- しかし久光様は体調不良(仮)で辞退
- 一蔵、300程ある藩を取っ払う廃藩置県を提案
- 西郷さんはそれを履行するための手段として御親兵の配備を提案
- 明治政府は贅沢三昧で西郷さんドン引き
- 一人だけ質素倹約に務める西郷さんに明治政府の面々もドン引き
- 明治政府内では薩摩・長州の陣営と土佐・肥後の陣営に別れていた様子
- 主導権の争いで政争が……
- 最終的に西郷さんの鶴の一声でなんとか瓦解を防ぎ、廃藩置県を断行
今回も気になる所を中心に。
久光様の仮病
新政府からの要請を仮病を使って断った、というのは史実だったっぽいです。
天子様からの勅命だと簡単には断れませんから、「おしりぴりぴり病」だったり「ひざがしらむずむず病」だったりの仮病で凌いでいたみたい。
久光様からしたら、江戸幕府を終わらせたのは徳川の支配を終わらせるのが目的であり、その後は薩摩(というか久光様自身)がイニシアティブを取りたかったのに、いざ蓋を開けてみたら側近は大量に辞めちゃうわ、部下だった大久保一蔵だけが天子様のお側のポジションに行っちゃうわで散々な結果に。
そりゃ簡単に力を貸したくはないですよね。
しかも寝室まで説得に来た大久保に対して「誰に向かって口を聞いているんだ!」と国父として対応したのに、その大久保は「自分はもはや天子様の部下です」と出奔宣言。
転職していいポジションに就いた部下と元上司みたいなやり取りでした。
最後の「大久保、行かないでくれ〜〜〜!!」と縋り付く様子は、恋人に振られた人みたいな感じに。いつまでも自分のところにいてくれると思っていたのに、いつの間にか恋人は心変わりしていた、みたいな。なんかこんな曲ありそうです。
御親兵の立ち上げ
江戸時代には諸藩が所有する兵力を同盟的に組んで軍を編成していたのに対し、西郷さんは明治に入って天子様の元、軍をひとまとめにする方針を立てました。御親兵、のちの近衛兵です。
明治政府は当時のイギリスやらフランスをお手本にしているところが多々あり、明治維新時点でのイギリスはヴィクトリア女王の時代でしたし、フランスはナポレオンの時代でした。王または皇帝がトップに立って、その下に国をまとめる方式を真似たのです。
その一環として作ったのが御親兵でした。
強力な軍事力を背景に、廃藩置県を行う際の反乱を起こさせないようにする目的がありました。戊辰戦争の時にも出て来た錦の御旗がありましたが、その旗を掲げた兵に歯向かったら、全力で悪者扱いされてしまったのも記憶に新しいですし、抑止力として機能させたかったんです。
大久保一蔵が廃藩置県を断行しようとしたのは、各藩が大きな力を持っているけどあまりまとまっていないから。日本国内だけを考えていたらそれ自体は別にいいとしても、他国と渡り合うことを考えると、国として一つにまとまっていた方が強いんです。
廃藩置県は各藩を廃止して中央に権力を集める、いわゆる中央集権の体制を作るための準備でした。そうすれば中央で税としてお金を集められますし、他国と渡り合うために国としてどこにお金をかけるかを一貫性を持って決めることができます。
ドラマ『西郷どん』だと、結構お金の話は付いて回りますね。2話で早速調所広郷がお金の話をしていたのもあり、お金はどうしても付いて回ります。
贅沢三昧の明治政府
こっちは腐敗したお金の使い方の話。
ドラマの中だと仕出し弁当が強調されていましたが、当時の明治新政府の面々は東京の広い屋敷に住み、西洋風の建物をぽんぽん立てたりと贅沢三昧。
前回切腹してまでその腐敗を訴えた横山安武(森有礼の兄)が言っていた「明治政府は腐敗してる!」の言葉通りの生活をしていたのでした。
これには西郷さんもドン引き。
若者が命を懸けた訴えをしたにもかかわらず、あいも変わらず贅沢な生活をしている明治政府の面々を見て、「お前らマジか……」と失望した様子でした。
そんな暮らしをしつつも「鉄道を整備するお金がない」「法整備をするお金がない」「御親兵を配備するお金がない」なんて言ってるのがシュールです。イギリスから学んだジョークかな?
空気など読むな
明治政府の面々が豪華な仕出し弁当を食べれば、西郷さんはおにぎり。
明治政府の面々が豪華な住居に住めば、自分は長屋で生活。
いっそ清々しいくらいの空気読まないっぷり。このドラマの西郷さんはお金には厳しい人ですね。藩の仕事として税の取り立てを行うことから始まったので、そういうところには敏感なのかも。
家自体も武士にしては貧しかったし、弟の吉二郎がその中でも必死に隆盛のためにお金を貯めていてくれたのもあり、無駄遣いは許せないのかもね。
これを見た他の面々は「やりにくくてしょうがない」と愚痴をこぼしているみたい。
それで空気を読むような西郷さんだったらそもそも江戸時代終わらせてないんだけどね。
それにしても登場人物が多いよね
西郷さん、一蔵どん、木戸孝允と、明治維新前から登場していた人物はともかく、大隈重信とか板垣退助たちは維新後に出てくるようになりました。
新キャラが増えすぎると、それぞれの考えを追うのが大変……。
「どういう国を作りたいのか」がテーマなのに、彼らがどうしたいのか見えないのが辛い。多分尺足りてないわこれ。
西郷さんの目線からすれば、それぞれの人がどういう思想を持っているかってすぐには分からないでしょうけど、実際には夜誰かの家に集まって話をして、考えを聞いたりとかってしてたみたいだから、ある程度は話し合いもあったはず。
でもそんなところドラマでやったら多分2年くらいかかるから、まぁしょうがない省略なのかな。
延々と「これからの日本のあるべき姿とは」「民のためにできることとは」みたいな、現代の居酒屋でも繰り広げられてそうな話をドラマを流されるのも嫌ですもんね。日曜の夜くらいリラックスしたいし。
そうなると、「主導権争いをしている」「薩摩と長州だけでリードする」みたいな状況だけ描くことになるか。
結果として西郷さんがまとめました
後藤象二郎たちが「薩摩と長州が気に入らないので辞めます」と言っているタイミングで西郷さんが登場。
事前に木戸孝允が「西郷くんが来ないなら話は無しだ」と言っていたり、前日の大久保と木戸の会談があったりと、なんかもう図ったかのようなタイミングでしたね。
登場した西郷さんが「薩摩と長州だけじゃなく、みんなが力を合わせなきゃ」と説得したことで、後藤たちも思い留まり、話し合いの席に着きました。
……なんだか西郷さんの存在が水戸黄門の印籠めいてきました。
やっぱり犬は出ないじゃないか!!
西郷さんが東京に行っちゃったからか、犬は出てきませんでした。
前回西郷家にいたつんちゃん達も登場せずで寂しい。
予告で映ってたから来週は出るのかも?
たくあんコーヒー
大久保一蔵が西郷さんと面会した時に食べていたたくあん。それと一緒に置かれていたのはコーヒーでした。
大久保一蔵は漬物が好きだったようで、食事の時には毎回出してもらってたとか。
コーヒーと一緒に、というのがシュール。西洋文化を取り入れつつ日本の文化と混ざっていく文明開化の様子が表れています。
試しにたくあんコーヒーをやってみたけど……うん、緑茶がいいわこれ。
クランクアップしたみたい
ニュースで出てましたが、29日に西郷どんのクランクアップだったようです。
インタビューを受けているすっぴんの鈴木亮平さんを見ると、ドラマではがっつり濃いメイクしてたんだなぁと分かります。ギャップがすごい。めっちゃ若返った感じがします。
なんだかんだあと7話で終わりですから、あっという間に今年の大河も終わりそう。
まとめ
たくあんコーヒー、ぜひ試してみてください。そしてあのなんとも言えない感じを味わってみると「明治ってこういう時代だったんだなぁ」と感慨深くなります。
……まとめとは一体……ウゴゴゴ……!
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