直虎46話「悪女について」争いや悲しみのない世界のためにできること

2020年2月7日

失敗から学ぶ

とどでございます。

今回のサブタイトルの元ネタは「愛情について」。

1953年の古い日本映画から。なんとなく響きが似ていますし多分これ。

今回は「良かれと思って」がすれ違って悲しい結末に繋がってしまいました。

史実ではボロクソに言われることの多い築山殿(瀬名)と信康ですが、このドラマのように汚名を被って子供を守ろうとしていたのかもしれません。

家康は信康の菩提寺まで立てているので、不仲説とかも違っていそうですし。悪いのはだいたい信長のせい。

信長「はいはい儂のせい儂のせい」

信康を移送して時間稼ぎ

斬る……!

斬るとは言ったが、今回その時と場所の指定まではしていない……!

つまり……我々がその気になれば信康を斬るのは半月後、一ヶ月後ということも可能だろう……ということ……!!

利根川先生のような理屈で信康の処断を先延ばしにした家康。それを移送する度に信長に伝えに行った酒井忠次は生きた心地がしなかったでしょうね。

戦犯だしやむなしですけど。胃に穴開け。

親心の行く末

家康は信康を移送しつつ時間を稼ぎ、その間に北条と手を結んで武田攻めを進めることで、手土産を持って行って許してもらう作戦に。

そんな折、瀬名の方でも動きがありました。なんと瀬名が姿を消し、後には武田と内通していたことを示す手紙が残されていました。

これは瀬名が罪を被って信康を助けようとしたもの。この手紙が公になったことで、家康は追っ手を差し向けて瀬名を斬らざるを得なくなってしまいました。あぁすれ違い。

うまく連絡を取れていたら、こんなすれ違いはなかったでしょうが、残念ながら破滅へと走り出してしまいました。

井伊で匿おうとしたけど……

瀬名は身代わりになろうと信康の元へ。この時は堀江城にいました。その途中にある井伊谷でお祈りをする瀬名。

瀬名の母である佐名は南渓和尚の妹で、井伊谷の出身。思うところがあって井伊谷に寄ったのでしょう。

そこで直虎と行き合いました。「これから信康に会えることになったのです」と立ち去ろうとする瀬名でしたが、自分を犠牲にして井伊を存続させようとした政次と同じ目をしていた様子。

直虎は引き止めるものの、瀬名は去ろうとします。

家康のはからいも……

去り際の瀬名の前に立ちはだかったのは万千代。家康の命を受けて、瀬名を井伊に匿うようにと言われたのでした。

「家のために」と命を差し出した政次のことが思い出された直虎は、面倒ごとを背負い込まないというポリシーを曲げて瀬名を匿おうとしました。

しかし、家康が北条と結んだことで信長が許してくれるかが定かでないため、それをただ待つことはできないと瀬名は言います。彼女にとって最悪のパターンは、信康を失って自分だけ生き延びてしまうこと。

信康が助かる可能性を少しでも上げることができるならと、命を差し出そうとします。「家のために」と覚悟を決める生き方に、「理不尽に命を奪われて、それが本懐などと言わせない!」と直虎は納得ない様子。

寺で修行し、女性でありながら城主になり、多くの人が散っていくのを見た直虎からは、戦国時代の生き方も違う形で見えているようです。

今まで会った女性の中で一番美しい

追っ手が来ているのを見て覚悟を決めた瀬名。石川数正に離れるように告げました。

この時の石川数正と瀬名のやりとりが良かったです。

「今まで会った女性の中で、一番美しいと思っていました」

「ふふっ今更ですか」

なんて、少女漫画にありそうな、お姫様と騎士のやりとりみたいでほっこり。でもこの後を思うと悲しすぎます。

石川数正と別れて追っ手に捕まった瀬名は湖のほとりで散っていきました。佐名も自刃に追い込まれてしまっていたので、この親子は最期の迎え方が悲しいです。

佐名が自刃した時に瀬名を助けに来てくれたのは石川数正だったのを思い出しました。今度は救えなかったのが無念でなりません。

瀬名の首を差し出したけど

家康御自ら信長の元に向かい、「武田と内通していた瀬名の首を持って来たので、信康は何卒お助けください」とお願い。

「徳川殿の好きにするがいい」と答える信長。でも「こちらも好きにするがな」と付け加えるあたりが畜生です。

ドラマではこの後すぐ信康が自刃していましたが、この間に織田からの圧力があったことは想像に難くありません。光秀はよ本能寺。

虎松を使って理想を実現させる

覚悟を決めた瀬名は、政次と同じように直虎の元を去っていきました。母でもない、奥方でもない直虎とは違う価値観で生きていきました。

幼少期は漠然と「家」を継ぐことを考えていた直虎でしたが、大人になる過程で「家」が時に人を縛ること、時には「家」のために命まで投げ出す必要があることを感じ取りました。そんな直虎が望むのは家に縛られることなく、争いも起こらない世界。

それを実現するために、虎松を使って、実現に一番近い家康をサポートすることに。和尚様が碁石を渡してくれたのがとても良かったですね。

政次が直虎に「次の一手」として託した白の碁石。しばらく静観を決め込んでいた直虎も、いよいよ自分で動き始めました。

次に繋げる一手

直虎が浜松にやって来て、万千代と話しました。「瀬名様や信康様が亡くなった。こんなことが無くなればいいのに……」と漏らす万千代。

直虎はこれを聞いて、自分と同じ想いを抱えていると感じたのかもしれません。「それを実現するために、殿を御支えしなさい」と、言葉は少なかったですが、想いは伝えられたようでした。

ふさぎ込む家康に対し、失礼を承知で元気を出させようとする万千代は、若いながらまっすぐな感じがして良かったです。

一度失敗したら、どこが悪かったのか分析し、改善して次は勝てば良い、という政次の言葉を家康に伝える万千代。PDCA。

それを受けて、怒りに震える岡崎城に本多忠勝を走らせました。今回は政次を思い出させてくれるエピソードが多くて嬉しかったです。

まとめ

気付けばあと一ヶ月で終わりですか。

終わりの雰囲気をひしひしと感じつつ、徳川シナリオが「これから」なところを見ると、風呂敷をたたみ終わるのかと変な心配も。

また直虎が頑張る感じの予告でしたし、後ひと踏ん張りですよ、直虎さん。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。