麒麟がくる第十八回感想「越前へ」朝倉さんめっちゃ軽いノリですね

麒麟がくる

とどでございます。

長良川の戦いで斎藤道三と斎藤高政が激突し、道三が討ち取られました。

光秀は道三サイドについたので追われる身になってしまいました。明智荘に攻めてくる高政の軍勢を叔父の光安が食い止め、その間に越前に脱出することになりました。

岐阜から福井だと山を超えるイメージでとてもしんどい道のりですが、抜け道を知っている伊呂波太夫が道三脱出ルートを使って光秀たちを朝倉義景の元へと導いてくれました。

大河ドラマになる武将というとこうした敗走から成り上がっていく感じですよね。家康も武田軍に討ち取られそうになったり、本能寺の後には死にそうな目に遭ってますし。信長も自分以外の織田が全員敵といったレベルで絶賛ピンチでしたもんね。

明智荘からの脱出

いきなり高政の軍勢が攻めてきているところからスタートです。

叔父の光安は明智城に残って戦っているため、その間に光秀は生き延びねばなりません。光安としては亡き道三を追いかけるつもりでいるのが手に取るようにわかってしまいます。

追っ手が光秀を探し回っている中、伊呂波太夫が合流し、おそらく道三を逃がそうとしたルートを使って光秀を越前に導いてくれました。

撤退戦の最中に知らない人から「ついてきて」と言われても信用するのは中々難しいですが、お駒さんが伊呂波太夫の身元を証明してくれたことで越前に逃げ延びる事ができました。

光秀の父親に命を救われたお駒さんが光秀たちを救ってくれたのを思うとこの巡り合わせは素敵ですね。

朝倉さんノリ軽くないですか

越前では朝倉義景が光秀たちを受け入れてくれました。受け入れたといっても渋々感が出ていましたけどね。

光秀たちがいない場面で掃除をしている家臣に「もっとえぐるように拭いて」と八つ当たりしているようにも見えました。

そんな朝倉さんでしたが、心の中はともかく、言葉は現代的なノリで喋ってました。わざとゆるい喋り方している感じでしたもんね。

光秀を匿う事で火種を抱えてしまうことになりますが、つっぱねるのではなくちゃんと置いてくれたのが嬉しいです。

与えられた家では光秀が敗北の感覚を母に打ち明けていました。そんな時こそ人の価値がわかる、と光綱の言葉を教えてくれました。今回は父の面影を追っているような回でもありました。

藤孝さんマジ親友

朝倉さんのところに藤孝から手紙が届いていました。明智というものが落ち延びたらよしなに頼む、と美濃の御家騒動であるにもかかわらず、その家臣の明智光秀の今後についてもサポートしてくれるとか、藤孝さんいい友人ですね。

将軍家の方でも色々と大変でしょうに、友人のピンチを聞きつけてこうしてすぐ行動できるのはいい男です。

殴り合った後は親友になる、みたいな感じで真剣で斬り合った過去がこうして光秀を生かしてくれました。つくづく縁は大切ですね。

質屋にて

朝倉さんに家を紹介してもらいましたが、その他支援物資は受け取らなかった光秀。

当面食いつなぐために父から受け継いだ数珠を質屋に入れることにしました。大切なものではありますが、みんなが生き延びるためには……とお駒さんに渡したものの、煕子殿が数珠の代わりに帯を質に入れることでお金を作りました。

煕子殿の帯だって妻木の家からもらった大切なものでしょうに、光秀の大事なものを守るために自分の大切なものを差し出せるというのは聖人めいたムーブです。

相手のために自分のものを差し出せる精神には頭が上がりません。

お駒さんが帰る際には「また質屋にいきましょうね。今度はもっと値を上げますから」と飄々とした感じで告げているあたりも強さを感じます。

お前が持ってきたんだからお前が飲めよ

信長は体調不良を装って信勝をおびき寄せました。最終的に弟を討ち取るので、やっていることは信長と敵対している高政と同じなのがロマンシングですね。

ただまぁ信勝を守ろうとして立ちはだかる土田御前を隔離して、兄弟二人で腹を割ってお互いに「お前が妬ましかった。お前さえいなければ」と本音をぶちまけている姿は良かったです。ちゃんとお互いの腹の中を吐露していましたからね。

でもちゃんとけじめをつけるあたりは信長らしさが出ていたように思います。腹を割って話して、やっぱりお互い兄弟なんだなと認識しつつも、やっていることは信長の家族や家臣、ひいては織田家を危険に陥れることだから信勝を排除しなければならない、という冷酷さも持ち合わせていました。

信勝も「お前が持ってきたんだからお前が飲めよ」と言われて潔く飲んだのがかっこいいです。この信勝は母親の操り人形でなければ信長と手を組んで一緒に頑張れたかも知れないと思うと切なさを感じます。

信長が信勝に向けた「信勝、愚か者……」という言葉も「うつけ」ではなくて明確に「愚か」と言っているのが良いです。「うつけ」は道三から褒めてもらったときの言葉ですからね。

信勝の家臣である柴田勝家も、斬られる覚悟で主君の不道を信長に訴えていたのがカッコ良かったです。自分の命を捨ててまでも主君を諫める事ができる人は得難いものです。

まとめ

今回は敗北を噛み締めながらも未来を見据えてなんとか再起を図る回でした。

明智家の母が父の思いを託してくれたのに対し、織田家では土田御前が信勝ばかり可愛がってしまい、信長に毒を飲ませようとするまでになるという状況に。

さらっと一言で済ませていましたが、既に謀反も起こしていて、かつ信長はそれを許していたのもポイントですね。信長は謀反は1回なら許してくれる案外心の広い人である点が現れていました。

予告を見るに次回は京都で信長を護衛するミッションになりそうです。放送中断まであと何回あるか分かりませんが、気になるところで中断されてモヤモヤしそう(笑)