西郷どん第44話「士族たちの動乱」日本初の指名手配は制度を作った本人

2020年2月10日

湯治中です

とどでございもす。

残すところあと3話。一年の終わりを感じさせます。

明治政府の参議をやめた西郷さんは鹿児島に戻りましたが、なんと明治政府にいた薩摩の人々も西郷さんを追って仕事をやめてしまいました。

各地で士族が反乱を起こし、その中には司法卿として西郷さんと一緒に留守政府を運営していた江藤新平の姿も。

佐賀の乱の首謀者である江藤さぁは指名手配の末、捕縛されて晒し首に。

実はこの指名手配制度を作ったのは江藤新平で、奇しくもその第一号は江藤新平だったんです。自分で制度を作って、自分が最初に適用されるなんて日本の歴史でもこの人くらいじゃないでしょうかね。

前回のあらすじ

大久保一蔵たち岩倉使節団が日本にいない間、留守政府は征韓論の問題で、居留民として残されている日本人の安全を確保するため西郷を李氏朝鮮に派遣することにしました。

しかし帰ってきた大久保一蔵は土壇場で反対を主張、「意見が通らなければ自分は参議を辞める」と脅し、三条実美にプレッシャーをかけます。

二つの意見の板ばさみとなった三条は心労で倒れ、岩倉具視が太政大臣代理となって明治天皇に意見の奏上を行うことに。

ここで岩倉具視は閣議決定をひっくり返して、西郷を派遣しない方向に話を進めました。

これに失望した西郷さんは、木戸孝允や大久保一蔵にあとを託して鹿児島に帰ることとなりました。

留守政府で一緒に頑張った江藤新平、後藤象二郎、板垣退助も辞職したため、明治政府はえらいこっちゃになりました。これが世に言う明治六年政変でした。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 明治政府の薩摩出身者が西郷さんを追って辞職
  • 日本各地で士族の不満が高まり反乱が勃発
  • 西郷さんの貴重な入浴シーン
  • 大久保卿、本妻と浮気相手に挟まれて大ピンチ
  • 鹿児島県令の大山さぁ、政府の交付金をごにょごにょして私学校を設立
  • 私学校で士族の不満を抑え込もうとした西郷さん、しかし大久保が曲解
  • 菊次郎がアメリカ留学から帰還

今回も気になる所を中心に。

西郷さんを追ってきちゃった

前回政府を辞めた西郷さん。それを追って半次郎をはじめとする薩摩出身者が相次いで辞職。

要職に就いている人も多かったのに随分潔いですね。

主要な登場人物で帰らなかったのは西郷従道と川路利良くらいでしょうか。

もちろん、前回の最後に「あとを頼む」と託されたのに辞めてきちゃったのには西郷さんも激おこ。

半次郎たちは正座で説教されることになりました。

尊敬する西郷先生にあとを頼まれたからには獅子奮迅の活躍を見せそうな面々ですが、「大久保には我慢ならん」と大久保利通への不満が溜まっていたみたい。

その大久保利通はと言うと

まるで明治政府の最高権力者であるかのような位置にいました。常に目がいっちゃってる演技をするもんだから恐怖マシマシです。

内務卿として君臨し、絶大な権力を持っていたそうな。一説には、大久保利通が内務省に出勤してくると、職員たちがピタッと私語を止めてお通夜状態で仕事を始めるくらいには恐ろしい存在だったとか。

西郷さんとはよく話してたし、なんとなく目指す先も共有できてたからこそ「正助どん、あとは頼んど!」と鹿児島に帰ってこれましたが、特に仲良くもない人たちからすると何考えているのか分からない怖い人ですね。

このへんのコミュニケーション不足感は否めません。

ますさんとおゆうさんのバトルもあったものの、鹿児島に置いてきた子供達に会えた時に優しい顔をしていたのが本当の一蔵どんなんだろうなと感じます。

明治政府にいる時や帰り道だと闇討ちの心配もあるでしょうし、甘い顔をして手を緩めたら自分の目指す日本を作れないし……で気を抜けなかったのかも。

目的のために冷徹に突き進む感じはビスマルクリスペクトな感じがします。

つんちゃんの登場

この頃の西郷さんは温泉に湯治に行ったり、山で狩をしたりとのんびり暮らしていたみたい。

やっぱりこのイメージが強いです。

つんちゃんもちゃんと出てきたし、もうずっと鹿児島編で……と思ったけどあと3話しかないのでした。

つんちゃん登場まで三十数話。今年は大河で犬をプッシュするかと思いきや全然そんなことはありませんでした。悲しい。

あ、つんちゃんの他にもう一頭いる犬は「ごじゃ」です。つんちゃんもごじゃも初回だけ名前を呼ばれて、あとはもう呼ばれてませんね。

でもいいの。いるだけで癒されるから。

西郷さんの貴重な入浴シーン

大河ドラマでお風呂シーンを流すなんて攻めてますね!

……うん、ごめん。

半次郎たちが西郷さんを頼って西郷家に押しかけ、糸さぁが「あんたたち甘えてないで自分で道を切り開け!(意訳)」とかっこよく追い返している間、西郷さんは温泉で熊吉とイチャイチャしていました(語弊)

あのセット、スタッフさんたちが気合いを入れて作ったそうですね。受信料を払った結果、西郷さんの入浴シーンが見られると思うと感慨深……くはないか。

鈴木亮平さんの体を見ると、晩年の西郷さんっぽさを出すためにめっちゃ脂肪を付けたんだなーと努力の跡が伺えます。第5話で斉彬様の前で相撲を取っていた時はめちゃくちゃ引き締まった筋肉だったのに、今回はなんと言うか、擬音で表すと「でろーん」とか「だるーん」な感じ。

西郷さんらしさを演出するために服の下に厚着するとか色々と方法はあるのかもしれませんが、役に合わせた体づくりを怠らない点に敬意を評します。

SAGAの乱

征韓論の問題で大久保と岩倉のやり方に辟易した江藤新平は、今回佐賀の不平士族と共に蜂起し、政府軍に討伐されました。

明治政府の司法を取り仕切っていた彼は明治5年に写真による指名手配制度を成立させましたが、佐賀の乱を起こした後に逃亡したため指名手配されました。

自分で成立させた制度の適用第一号が自分というなんとも運命のいたずらを感じさせる出来事です。まさにロマンシング。

これで逃げている間に西郷さんに面会にきたものの、「お前は何をしてるんだ!」と一喝されて逃げ帰ったとかなんとか。

史実だと湯治中の西郷さんに会いにきたらしく、その時に温泉宿で働いていた女性が昭和になってインタビューされたとかなんとか。

しかも佐賀の乱はもともと江藤新平が自分で起こそうとしたのではなく、佐賀で不満を燻らせている士族たちを落ち着かせようとしてたなんて話も。

「前参議は東京に残れ」という取り決めがあったけれど、このまま放っておいたら佐賀で士族たちが爆発しちゃう! と佐賀に乗り込んで行ったことで大久保から「おっ反乱するのか?」とマークされ、佐賀に乗り込んだら今度は「あなたが立ち上がらなくて誰が立ち上がるのか!」と佐賀の士族たちに担ぎ上げられていつの間にかリーダーに。

反乱では最終的に破れ、指名手配されながら各地の有力者(西郷さんなど)に協力を依頼するもことごとく断られ、四国で捕まってその場で裁判。

裁判では(敵対していた大久保の差し金で)最初から死刑が決まっていたため、ろくに反論させてもらえず斬首の上晒し首。

……あれ? 江藤さぁ可哀想すぎ……?

そういえば内務省での会議では「やりすぎじゃないかしら」と言われているのにニヤリとする大久保利通が……。

これも全て大久保利通ってやつの仕業なんだ。

私学校の設立

日に日に増える薩摩の浪人士族たち。佐賀の乱で江藤さぁが晒し首になったものの「晒し首がなんぼのもんじゃい!」と半ば自棄になって暴れる始末。

彼らの不満をそらしつつ教育を施すため、西郷さんは学校を作ることにしました。

県令となった大山さぁにお金を出してもらうようお願いしていると、なんと新八どんも帰ってきちゃったみたい。

「鹿児島から政府を支える」の信念の元、みんなで学校を作ることになりました。

ここまではいい感じなんですが、学校を作るお金は大山さぁがごにょごにょして捻出したみたい。役人の贅沢に使われるよりはよっぽどいいなんて言ってましたが、これがのちに彼の運命を決めることになるとは誰も思わなかったのです……(フラグ)

大山さぁのエピソード

大山さぁは寺田屋事件でも鎮撫使として選ばれていたように、剣の達人だったようです。

完全にwikipediaネタで真偽のほどはアレですが、西郷さんと大山さぁで藤田東湖に会いに行ったとき、「ちょっと試合してみてよ」と藤田東湖と同じ流派の剣道塾で塾生と試合をしたそうな。

大山さぁは立ち上がるか否か、素早く塾生に小太刀を叩き込んだみたい。

塾生は「ちょ、ちょっと待って! もう一本!」ともうひと試合申し込んだものの、「この塾では亡者が試合をするのか」と大山さぁが笑ったとかなんとか。真剣勝負だったら一本取られた時点で命がないから「お遊びだ」と言っていたそうです。

なんか覚えがあるような……。

……。

これ、るろ剣で見たやつだ!

志々雄真実が出てくる前だったと思いますが、新古流を復活させようと道場破りをしていた石動雷十太も似たようなこと言ってました。

大山さぁのエピソードをパクっ……リスペクトしてたのですね。石動雷十太は秘剣・飯綱でかまいたちを飛ばす技を持っていましたが、話が進むにつれただの小物だったことが分かる悲しい男でした。

剣心には「お前真剣勝負と言いながら、命のやりとりをしたことがないだろ」とバレてしまいフルボッコにされました。哀れ。

人斬り抜刀斎のアクションシーン

私学校でトレーニングを積む士族でしたが、そこに正体不明の刺客が!

刺客は刀をひっくり返し、次々と私学校の面々を峰打ちで叩き伏せていきます。

銃で狙われてもひらりとかわし、その銃をぶった切るという離れ業も見せます。

その正体は、人斬り半次郎と恐れられた中村半次郎こと桐野利秋でした。

……うん、知ってた。

「明治時代」「人斬り」のキーワードが並ぶとどうしてもるろ剣が出てきます。刀を逆刃刀のように使っていたのも剣心っぽさが出ててるろ剣感マシマシ。

特に大山さぁが出てきたら石動雷十太の話をしようと思っていた私にとってはどストライクなネタでした。

まとめ

西郷さんが政界を去ったことで、薩摩出身の面々も政府を辞めてしまいました。

各地で士族の不満も噴出し始め、かつて西郷さんと共に留守政府を預かっていた江藤新平も佐賀の乱を起こしてしまいました。

明治政府が出来てから10年も立っていません。創業期にゴタゴタするのはいつの時代も変わらないようです。