西郷どん第11話「斉彬暗殺」自分の命より民の命。斉彬様かっこよすぎ

2020年2月9日

民のために

とどでございます。

タイトルからして斉彬様あかんやつや!! と見る前からハラハラしてましたが、斉彬様は何とか持ち直しました。よかった。

怪しいと思われた斉興、由羅は今回ノータッチ。詰め掛けた西郷さんに「斉彬はいろんなやつに恨み買ってる」とアドバイスまでくれました。

実際、引退したとはいえ元藩主を証拠もなく疑うとか、切腹でもおかしくないレベルのシツレイです。「出てけ!!」で済ませてくれる寛大さ。

結局、次期将軍の擁立問題で対立している井伊直弼が黒幕っぽいので、やっぱ悪者枠のようです。直虎さんどんまい。

前回のあらすじ

江戸にやって来て出会ったヒー様。その正体は一橋慶喜でした。のちの徳川慶喜です。

彼と会っていた品川宿では越前の密偵、橋本左内がいました。彼は西郷さんを同じ密偵と見込んでいましたが、西郷さんがあまりに情報を持っていないため勝手に失望して帰っていきました。

しかし、彼から「薩摩の殿は慶喜を次の将軍にしようとしている」と聞いた西郷さんは、殿に真意を問う事にします。なぜなら、斉彬の養女である篤姫は徳川家に嫁ごうとしており、彼女の子が次の将軍になるはずで、斉彬の行動に矛盾が感じられるためです。

斉彬は「篤は不幸になる」と一言西郷さんに告げるのでした。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 斉彬様、将軍様へのご挨拶
  • 井伊直弼、斉彬様に対し「お体に気を付けられよ」と意味深な言葉
  • 斉彬様の息子、虎寿丸様身罷られる
  • 水戸の徳川斉昭、一橋慶喜、福井の松平慶永、斉彬様で密談
  • 斉彬、倒れる
  • 橋本左内、ヒ素を盛られた事を見抜く
  • 薩摩言葉のアサシンが品川宿で襲ってくる
  • 斉興と由羅を問い詰めた西郷さん、嫌疑不十分で問い詰められず
  • 「民のために命を捨てる」と斉彬様、西郷さんを諭す
  • アサシンの雇い主は井伊直弼(かも)

今回も気になる所を中心に。

悪役の象徴、井伊直弼

幕末で何かと悪役になりがちな井伊直弼。彦根城博物館のWebサイトから確認できる『井伊家系図』を見ると、去年の大河で後半の主人公になっていた井伊直政から繋がった子孫です。

途中養子関係もありますが、兄弟やその子供を養子にしているので、井伊の一族が連綿と続いているのが確認できます。

前作の主人公の子孫が悪役側にいるのは何だか複雑な気持ちですが、考え方の違いはしょうがないですものね。

清の国がアヘン戦争でイギリスと戦った、そして負けてしまった情報を持っている斉彬側からすると、幕府の体制をそのまま維持しようとする考え方は危険と感じられます。特に外国の脅威に備えるため、軍備を進めたい斉彬にとっては井伊直弼は邪魔な存在。

井伊直弼からしても、このドラマの中の口ぶりだと「戦いになったら多くのものが巻き込まれる」と戦わない開国を目指しているようです。

思想のまとめ

「あれっ? そういえばこの人何を目指してるんだっけ……?」となりがちな幕末の登場人物たち。ここでまとめておきたい所。なお、私の意訳が存分に入っているのは勘弁。

西郷どんの登場人物を中心にざっくりまとめると、こんな感じ。

井伊直弼「戦うのキツイし、開国して外国と取引しようぜ。その金で幕府の体制強化しよう」

徳川斉昭「は? 条約結ぶとかアホか。今すぐ戦って追い払うべき」

島津斉彬「アヘン戦争で負けた清国、植民地にされたわ。マジやばい。ソッコーで軍備整えるべき」

西郷吉之助「斉彬さまぁ」

徳川家定「カラスがカァー」

井伊直弼は、戦わずに開国してお金を稼ぎ、そのお金で幕府の体制を強化したい考えかな。もともと鎖国論側だったようで、幕府の地位を確固たるものにしたら外国人を追い払おうと考えていた、なんて説も。

徳川斉昭は開国なんてするか、侍の国を守るぜ! 戦うのが侍だぜ!! って考え。

斉彬様は軍備を進めて外国と対等に戦える力を付けたい考え。力を示せずに外国の植民地になったら民を守れないため、とにかく急いで研究を進めたい。

このうち徳川斉昭と斉彬様は外国の脅威に備える点で一致し、協力関係を結びました。そして自分たちの発言力を高めるために、次の将軍として斉昭の息子、一橋慶喜を推しています。

一方の井伊直弼も自分の意見を通すためにそれを防ぎたいので、斉彬様に刺客を放ってきました。

アサシンの正体

品川宿で西郷さん達を襲ってきた仮面の男。橋本左内を人質に取りつつ逃げて行きましたが、薩摩言葉を喋っていたため、薩摩の手の者のようです。

西郷さんは斉彬の父・斉興を疑っていましたが、空振り。「斉彬は憎いがそげなことせん。あいつは恨みを沢山買っている」とヒントまでくれました。

視聴者にはその後、アサシンは井伊直弼に近いものであることが示されましたが、名前などは明かされませんでした。

ここからは妄想だけど、このアサシン、1話で西郷さんの腕を切りつけたクソガキおぼっちゃまが成長した姿だったら面白いなぁ。

大人になって、子供の頃の因縁にケリをつけるため西郷さんと戦う的な。斉彬からもらった短刀を使って、斬りつけられた右手で止めを刺すとかね。いや、賊は捉えて情報を吐かせないとダメか。

自分の命より民の命

斉彬様は自分の息子である虎寿丸を亡くしたにも関わらず、仕事に打ち込みました。

しきりに「時間がない」と言っているのは、ペリーの再来航が迫っているから。1年の猶予をもらったものの、その間に武器の開発や配備を終わらせないといけないのでとにかく止まる暇がありません。

自分が倒れても、医者に止められながら仕事を続けようとする執念は見事です。その甲斐あって今回は反射炉のモックが完成したようでした。

鉄を効率よく溶かして大砲を量産して……と、具合が悪い中でも着々とステップアップしていくのは根性ですね。ブラタモリで言ってましたが、完成品を見たことがない状態で資料から作らせたそうな。斉彬様、時間がないとはいえ無茶振りもいいとこです。

それにしても、斉興を問い詰めに行った西郷さんを一喝したのもビビりました。「そんなことをするためにお前を召し上げたのではない!」と雷。

自分の命を狙う輩を探す時間があれば、自分の仕事を進めて民を守る準備をしたいとのこと。そしてその素養を西郷さんにも見出しているようでした。

斉彬様、スケールデカすぎます。

あれを見せられたら、西郷さんの心に焼き付きますね。かっこよ過ぎて泣くわ。

薩摩言葉の矯正続き

前回から始まった篤姫への指導。今回も相変わらず輿入れのために花嫁修行を行なっているようでした。

その中で注目したいのが、篤姫が普段の会話でだんだん江戸言葉(京言葉?)を使うようになってきていること。

流石に虎寿丸逝去の時など、感情が出るときには薩摩言葉になっていましたが、修行の成果が現れているようでした。

幾島も篤姫の成長に伴ってだんだん態度が軟化している雰囲気ですし、こういう細かい部分も詰めてるのがこのドラマの良いところだと思います。

まとめ

斉彬様、なんとか持ち直してくれました。サブタイトルが釣りタイトル過ぎて心臓に悪かった……。

それにしても、大事な話をするときに品川宿に集まるヒー様、橋本左内、西郷さん。遊ぶ場所で大事な話をしてるのもシュールです。

そこにアサシンを放ってくる井伊直弼も悪役感がバリバリ出てきて、どんどん物語が動くなーという印象です。