西郷どん第28話「勝と龍馬」結ぶ縁あれば切れる縁あり、で前に進みもんそ
とどでございます。
グッバイヒー様。
民のことを見てくれず、結局徳川を守るだけの人間になりかけてしまったヒー様でした。
斉彬様がいた頃は志を共にしていたけれども、今となっては……。
人は変わってしまうもの。悲しいけどお互いの道を行くべき。
今回は禁門の変の事後処理がメインの会でした。
前回のあらすじ
物乞いのふりをして一橋邸の周囲をうろついていたのは、桂小五郎でした。
桂小五郎は、長州藩は他の藩と対立せず、手を取り合っていきたいと西郷さんに願い出ます。
ヒー様に引き合わせて、うまくいきかけたものの、周りを信用しないヒー様は新撰組を使って長州藩の周りを探っていたみたい。
桂小五郎は長州藩が血気逸って暴走しないように説得を行なっていましたが、宿に言い訳できない量の武器をためていたことが新撰組にバレ、長州藩の過激派が御所襲撃を考えていたと伝わってしまいました。
追い詰められた長州藩は、本当に御所を襲撃。禁門の変が発生しました。
長州力率いる長州藩は薩摩と戦ったものの、あえなく全滅。孝明天皇のいる建物にも大砲を向けたせいで怒りを買いました。
戦火は京の町まで及び、無辜の民が家を焼かれてしまう悲惨な結果に。
今回はこんな話
今回のハイライトはこちら。
- 長州藩討伐に鼻息を荒くするヒー様
- 勝安房守(勝海舟)は、徳川のための政治を行おうとするヒー様にがっかり
- 西郷さんと勝海舟、坂本龍馬の初対面
- 斉彬様と話したことのある勝海舟は、「幕府を見限れ」と辛辣な言葉
- 西郷さんは長州討伐をヒー様から任される
- 情報収集部隊を先に送り、その後自ら乗り込む西郷さん
- 「重臣3人のハラキリで勘弁してやる」と強気の姿勢で武力衝突を回避
- 長州藩の街を焼くことまで考えていたヒー様は激怒
- しかし民を顧みない発言をしたことで、西郷さんとの縁が切られることに
今回も気になる所を中心に。
京の町が大変なことに
禁門の変があったことで、京の街は三日三晩の大火に見舞われました。
民に危険が及ばないようにしたかった西郷さんにとっては最悪の状況。自分も足を撃たれて負傷しているけど、戦いの後の処理に奔走しました。
町を見回っていると、ヒー様の側室となったふきが。「誰が悪いのか」と西郷さんに問いかけますが、西郷さんは「みんなが悪い」と悲しそうに言いました。
斉彬様が生きていた頃から「民あっての国」と考えていた西郷さんにとっては、この結果は受け入れられるものではありません。
犬の救出
民とは人間だけでなく動物もだ!
と、博愛精神を全力で発揮するがごとく、焼け落ちた家から犬を救出しました。人懐っこい感じの子でニヤニヤしちゃいます。
この犬がのちに上野の銅像になるとは、まだ誰も知りませんでした……。いや、違うか。
西郷隆盛といえば犬、というくらいには犬好きだったのかも。去年の大河ドラマでは猫がフィーチャーされていたので、今年は犬を前面に出してくれると嬉しい。
……冷静に考えると、ここまでほとんど犬出てきてないな。
勝先生とのご対面
のちに重要イベントで重要な役割を担う重要な二人が出会いました。
そう、あの城を無血開城に導いたあの会談です。いや、史実でネタバレを気にするのもナンセンスだけど、ドラマ的にはまだ先の話だから、ね?
この勝先生を演じている遠藤憲一さん、私の中で2016年の真田丸での印象がまだ尾を引いています。今回は胃が痛くない立ち位置で、割と楽しく振る舞えるかも。前回は豊臣や徳川の言いなりに近かったですもの。
それはさておき、ヒー様との面会を終えて帰ろうとした勝先生は、「西郷どん?」と西郷さんに話しかけました。何気に西郷さん本人が『西郷どん』と呼ばれることってなかなか無いですね。
これもあって、のちに訪ねて行った時にもスムーズに話が進みました。ご都合主義ではありますが、こういうフラグ立ては大事。
佐久間象山は何処へ
禁門の変の1週間前に亡くなってしまいましたが、史実では佐久間象山も京にいました。
彼を京に招いたのは一橋慶喜公で、この年に公武合体の話や開国の話をしていたはず。
……が、西郷どんでは影も形もありません。ヒー様病んでたからしょうがないね。
勝海舟の妹が佐久間象山と結婚しているので辿れば出てきそうですが、流石に西郷さんとの関わりがなかったので無理か。(でも西郷隆盛と会ったことがあるなんて話もあるんだよなぁ……)
真田丸の最終回、有働元アナの無慈悲なナレ倒幕の中で、『真田信之が治めた松代藩が輩出した佐久間象山が江戸幕府を倒すきっかけを作った』なんて話があったので、少し触れるかなーなんて淡い期待をしていましたが、泡沫の夢でしたね。
「きっかけを作った」とあるのは、江戸時代を終わらせた無血開城の談判に臨んだ勝海舟や、その下地となった薩長同盟を成立させた坂本龍馬の先生でもあるから。志半ばで散った橋本左内も佐久間象山に学んでいます。
これだけ関わってるんだから、2年越しの伏線を回収して欲しかったです。
……いや、江戸城無血開城までに回想で出てくれば……! (淡い期待)
4ヶ国からフルボッコにされる長州藩
将軍である徳川家茂に「攘夷を実行せよ!」と言われたから息巻いて関門海峡を通る外国船を攻撃した長州藩。禁門の変の前年である1863年に下関事件が起きました。
この時砲撃を受けたのはアメリカ、フランス、オランダの3ヶ国。このうちアメリカとフランスは軍艦を引き連れて砲台に反撃しました。しかし、長州藩が海峡を封鎖し続ける姿勢を見せたため、一時撤退。
年が明けて1864年、日本と貿易してたのに、海峡を封鎖されて困ったイギリスが、アメリカ、フランス、オランダの3ヶ国に呼びかけて長州藩を叩くことに。
結果として長州藩の砲台はボコボコにされた上に、上陸されて記念写真まで撮られる始末。
ドラマの中でヒー様は「長州は外国にフルボッコにされたってよwwwざまぁwww」な感じでしたが、禁門の変で朝敵扱いされたのに外国にも攻められるとか可哀想。まぁ自業自得な部分もあるけど。
西郷どんの中では語られませんでしたが、この時まだ24歳の高杉晋作が和議の交渉に臨みました。賠償金の支払いなどは全部受け入れたけれど、「土地をくれよ」って話は突っぱねたことで、植民地化を防いだなんて逸話があります。
この後、「やっぱ攘夷は無理だわ。開国してイギリスから学ぼうぜ」となって長州藩はだんだんと開国派に傾きました。この辺は薩摩と似ていますね。同盟を組む下地にもなったのかも。
その長州藩に脅しをかける西郷さん
ヒー様に「任せる」と言われて長州討伐の参謀として幕府軍に加わることになった西郷さん。
ドラマの中だと、禁門の変で負傷した兵を治療し、「預かっていたものを返さねば」として無事に送り届けていました。
その姿を見て心打たれた岩国の吉川経幹(きっかわつねまさ)は、長州藩の家老3名の切腹を受け入れ、長州藩の降伏で幕を閉じました。
……となっていたのですが、放送後の特集だと、西郷さんが禁門の変で負傷した兵を使って脅しをかけていたっぽいですね。「今降伏すれば、負傷した兵たちを返しもす。どうされもすか? ん?」みたいな。「3家老の切腹で済めば安かこってあいもはんか?」的な。
結果的に長州藩の城下を焼かずに降伏にこぎつけたので民は守られましたが、ドラマのように「いい人」だけではなかった部分もあるのかも。ドライなところはドライだったみたいですし。
家老は名誉の守られる切腹だったけど、長州の参謀4人は罪人として裁かれる斬首に遭ってますし、ケジメつけるところはしっかりとケジメするようです。
これで縁は切れもした
相手方の少ない犠牲によって長州藩を降伏させ、ヒー様の元に戻ってきた西郷さん。
やり方は任せると言われたからちゃんと目的を果たしたのに、「いや、こんなんじゃダメだ! なぜ城下を焼かなかった!!」と後からひっくり返すクソ上司嫌な上司のようなセリフをのたまうヒー様。
民のことなんか全然考えてません。自分に楯突いた敵をフルボッコにしたいだけだったようです。
それを指摘したら「西郷、切腹しろ」と言いつけ。西郷さん的には、かつて仲間だと思っていた人だっただけにショックでしょうね。「俺はやるぞ!」と国を変える決心をしていたのに、いつの間にか自分のことしか考えられなくなっていたヒー様を見るのは。
「覚えていますか? この刀であなたの命を救ったことを」と、取り出したのは斉彬様からもらった短刀。
すぐに切腹するのかと感心するヒー様に対して、刀を持って迫る西郷さんの悲しそうな顔はなかなか辛いです。後ずさりするヒー様も、ドラマじゃなかったらおもらししてそうな勢いでした。
刀を床に突き立て、「これで縁は切れもした」と帰っていく西郷さん。友人でもあったけれど、「民のため」という斉彬様の信念を貫きました。
まとめ
勝海舟、坂本龍馬と、幕末の重要人物との邂逅を果たした西郷さん。
結ぶ縁あれば切れる縁ありで、かつて同志だった一橋慶喜公が民のことを省みない人間になってしまったことから、彼と決別しました。
次回のタイトルは「三度目の結婚」なので、薩摩に帰った感じですかね。最近シリアスだったし、多少のほほんとするくらいがちょうどいいかも。
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