直虎37話「武田が来たりて火を放つ」高瀬がまさかのアサシン(未遂)
とどでございます。
今回のサブタイトルの元ネタは「悪魔が来たりて笛を吹く」。
横溝正史の小説です。金田一耕助シリーズ。
直虎、髪伸びましたね。
なんかキングダムにいそう。というか政みたいな。
おかっぱだと手入れが大変そうですし、伸びるがままにしているのでしょうね。今回から新章に突入したようです。
お金の匂いに敏感な方久
以前、昊天さんに弟子入りし、人を救うための薬草知識を学び始めた方久。
今はそれが実を結び、薬を卸しているようです。
お得意先もいるようですし、この辺のやり方は見事ですね。
その方久は、龍潭寺に戻ってきたところで、祐椿尼(直虎の母)の前にあった刺繍を見つけました。聞けば新野の屋敷にいるあやめが作ったとのこと。
「刺繍が売れそうだ!」となるまでは普通の人も同じでしょうが、「売れそうな刺繍を作る人と結婚しよう!」とまで考えるのが方久です。
その後、あやめの元に駆け込み、「私の一番好きな(お金の)匂いがする」と結婚を申し込みました。セリフだけ見れば情熱的……なのかな、うん。
「あなたは私の吉祥天だ!!」なんて。
吉祥天は仏教の守護神で、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーを仏教に取り込んだもの。つまり、現代風に言い直せば「あなたは私の女神だ!!」となります。
直虎の嫉妬
畑から戻ってきた直虎の視線の先には龍雲丸が。
普通の女の子に戻ります宣言から早3年、ふたりは一緒に暮らしているようでした。龍雲丸に声をかけようと近づいたところで、謎の女が駆け寄りました。
親しそうに話す様子をみて、ぐぬぬ状態になる直虎。夫に言い寄る女を見つけてしまった時の心境ですね。
直虎は草木に隠れながらその様子を伺います。その謎の女に抱きつかれる龍雲丸を見て、さらに「むむむ」となる直虎。家に入ったところで問い詰めることに。
ここで百姓していても但馬様は生き返らない
先ほどの女について問い詰める直虎。
結果、浮気ではなくて、中村屋から「堺に来ないか」とのお誘いでした。龍雲丸は堺に行こうと考えましたが、直虎は井伊に残りたそうな感じ。
井伊のために散っていった者たち、特に政次のことを考えれば、井伊を離れるのは忍びない見たい。そんな直虎に、「ここで百姓をしていても但馬様は生き返らない」と龍雲丸。
直虎は「それは我が一番分かっている」と言いつつも、縛られてしまっている自分から抜け出せていないようでした。連綿と続いてきた井伊を終わらせたのも自分、政次にトドメを刺したのも自分。
そんな負い目があり、龍雲丸と一緒に堺に行くのは罰当たりだと考えてしまっていました。
孫を見せてくれ
堺行きの話について考えていた折、龍潭寺から母の祐椿尼がやってきました。
祐椿尼は「母には野望があります。それは孫を抱くことです」と直虎に告げました。
「かしらを手放したら、チャンスはない。もう二度と、決して、間違いなく」と念を押します。ここまでゴリ押ししていたのは、娘の幸せを願ってのことでした。
還俗したにも関わらず、井伊に縛られてここでただ過ごすのでは、おとわは幸せにはならない。そう考えて、直虎が堺行きを前向きに考えてくれるよう、自分が孫を見たいのだ、という理由で後押ししたのでした。
娘の幸せを願う母親の優しさですね。
高瀬の元にエージェントが
一方、高瀬は近藤康用に仕え、商人が持ち込む品から城で使えるものを見繕っているようでした。
前回の放送終盤で、中野直之と一緒に近藤に臣従している様子がありましたね。
そんな高瀬の元に、怪しい商人が。貼り付けたような笑顔が恐ろしいですね。
変装して出てきた、るろ剣の般若を思い出します。その商人は、どこかのエージェントのようでした。
「武田が攻めてくるから、井伊にいる殿をヤミウチ! しなさい。しくじったら命はない。いいね?」
と高瀬に小さな巾着を渡して去っていきます。おや、高瀬って何者なのでしょうか。
武田が遠江にやってきた
エージェントからの依頼を受け、動揺する高瀬は、龍潭寺の仏像の前で心を鎮めていました。そこに直虎と龍雲丸がやってきて、高瀬の様子が変なことに気付きます。
高瀬の話を聞こうとするも、之の字が武田の襲来を伝えにきました。そのまま龍潭寺で和尚様との作戦会議へ。
和尚様は、直虎と龍雲丸を堺に逃がそうとしますが、ふたりとも譲りません。
龍雲丸にとっても、堀川城でみんなを無事に逃せなかったけど、今度こそは、という場所でした。話し合いによって、近藤を武田に帰順させる方針に。
帰順は敵対をやめて服従すること。
直之は近藤に仕えているため、その方針を受け入れられるのか尋ねれば、「私が近藤に仕えたのは井伊の民を守るため」とのこと。
之ぴょんかっこいいぜ!!
「戦場の様子を見てまいります」
と飛び出した傑山さんもかっこよかったですね。傑山さんはいつも斥候として大活躍しています。
井伊って斥候やら、潜入技能やら、暗殺技能やら、スカウト系のスキルに長けた人材が多いですね。
和睦しようと思ったのに
所変わって徳川軍。
勝手に今川と和睦して遠江をぶんどったので、武田はお怒りです。
破竹の勢いで攻めてくる武田軍に対し、有効な手を考えられないでいる様子。恐ろしい赤備えたちに、家臣たちも狼狽えています。何気に榊原康政が初登場ですね。
井伊直政のライバル枠です。
家康も頭を悩ませましたが、結局、武田と和睦を結んで織田を倒しちゃおうぜ!
という方針に決まりました。
しかし、そのタイミングを見ていたのか、ちょうど織田からの援軍が家康の元に辿り着きました。本多忠勝は「これで戦うしかなくなりましたな……」と落胆を隠しきれない様子。
みんなを逃すのは龍雲丸のリベンジ
龍雲党のみんなが帰ってこないことを薄々感じ取っていた龍雲丸。井伊の民は逃がさなきゃならん、と奮起します。
和尚様との作戦会議の結果、瀬戸村、祝田村をはじめとした井伊の領民を逃がすことになりました。逃亡先は川名の隠し里でしょうかね。
戦備えとして、村の食料やら男手やらを徴収しようとした近藤にとっては肩透かし。人っ子一人見つけられないまま、龍潭寺に乗り込んできました。
また直虎が何かしたに違いない、と怒り新党です。これで戦を諦め、武田に帰順するかと思いきや、城を枕に討ち死にじゃ! とかえって頑なになってしまった様子。
これはまずいですねぇ。
家康、みそ漏らしたってよ
有名なエピソード。
三方ヶ原の大敗走です。織田軍と徳川軍の共同戦線で武田を迎え討とうとしたものの、武田の猛攻に敗走する羽目に。
命からがら逃げてきたものの、大きい方をお漏らししてしまったようです。「これはみそじゃ」と笑いながら言う家康でした。
退却戦でトイレ休憩を取る余裕なんてありませんし、ビビってなくてもそのままするしかない状況だったことでしょう。
出典は定かではありませんが、大きい方ではなくみそであることを証明するために、「ビビってうんこなんてしてないし。数正、これはみそだ。食べてみろ」なんてことを言ったという説も。
数正としても「いやいやうんこですよ殿」とも言えませんから、泣きながら舐めて「はい、みそです」と証明したそうな。これが一因で後の石川数正の出奔に繋がったなんて話もあります。
数正に食べさせたエピソードは話半分で聞いてもらうとして、この時の家康のポーズを「しかみ像」として書かせ、後の戒めにした、なんて話が有名ですね。
これも最近では「この絵は三方ヶ原関係ないんじゃね?」みたいな話が出てきていますが。目立っていたからこそ、いろんな人から見た家康像が今に伝わっているんですね。
アサシン高瀬
井伊谷城で武田軍を迎え討とうとする近藤康用。最期の戦いのつもりで、部下たちを鼓舞します。
一方その頃、直之の手引きで井伊谷城に直虎が侵入しました。城の警備ザルすぎ!
高瀬も持ち物検査されていないし、相当浮き足立っている状態だったことでしょう。高瀬は近藤の雑炊に毒らしきものを入れ、彼の元に運んで行きました。近藤は高瀬に対してはネガティブな感情を持ってなさそうでしたね。
むしろ「よく働いてくれた」と感謝していました。
その相手に今からペロッコレハセイサンカリ! されようとしているというのがまた悲しい状況。高瀬も覚悟を決めあぐねているようでしたね。
結局、物見からの報告で戦いの準備をすることになり、近藤は生き延びました。
生家を焼かれて
戦い前の演説時、直虎が武田への帰順を求めて近藤に訴えます。話を聞いてもらうため、直之が近藤を人質に取りました。
ほんと井伊ってアサシン向きの集団ですね。
「その命、誰が救ったと思ってるんだ? アァン?」
と脅します。前回救ったのが生きてきましたね。
近藤は逃げることまでは受け入れたものの、帰順はしない、と一点張り。挙句、城に火を放ちました。
帰順するなら城を手土産にすればいいですが、しないなら残す意味もありません。戦の観点からすればその通りなのですが、直虎にとっては生まれ育った家ですから、勝手に焼かれて納得できるはずもありません。
政次との思い出も焼かれてしまうようで辛いです。幸い、全員が脱出できたことで死傷者は出なかったようです。
まとめ
井伊は解散したものの、周りの武将たちが大人しくしているはずもなく。
武田信玄は相変わらず暴れまわっていますね。
なかなか巻き込まれる立場からは脱せていない井伊、そして直虎でした。
おまけ
サブタイトルの元ネタ集作りました。
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