直虎10話。日々是好日は禅の言葉。名探偵直親も活躍しました
とどでございます。
直虎も何だかんだ10話を迎えました。別に打ち切りとかがある訳ではないので、攻めた感じの内容もできるんじゃないかしら、なんていう過度な期待もしてみたり。
今回は結構内容が詰まっていました。
前回の予告からは、おとわが瀬名と竹千代の助命嘆願する、といった内容が軸になるかと思われましたが、実際には直親と政次の仲直りの様子がメインでした。
あと寺のシーンが来ると気になるのが、オリジナルの説法なのか、実在の説法なのか、という点。私だけかもしれませんが、気になっちゃうんですよね。
6話では「超の国」という架空の国のお話がされました。キングダムで秦にとって大きな敵として立ちはだかる李牧がいた「趙」の国とは別なのです。ちなみに6話については『直虎6話。中と伯の話はオリジナルエピソードの例え話だと思う』をご参照くださいな。
奥山殿は助からず
政次は前回「奥山殿を斬ってしまった」と言っていましたので、もしかしたら生きてるかも? なんて淡い期待を抱いていましたが、残念ながらそれはならず。
義理とは言え、2度も親を失った直親は、小野を責めてもしょうがない気もします。特に周りから見たら、状況的に「小野許すまじ!」ってなるのもしゃーなし。
でも直親は政次を信じることにしました。
名探偵直親
現場に駆けつけて、泣いている妻を慰めながらも、現場検証を欠かさない直親。回によって冴えてる時と、残念な時がありますね。今回は冴えてる方です。
床や柱の低い位置の刀傷、凶器の様子から、奥山が仕掛けたものと推測しました。
戦国時代と言えば、殿が黒と言えば、白でも黒になるほどの権力があったことが窺えますが、今回の直親は、上記の状況証拠から政次が正当防衛だったことを説きました。
証拠なんか知るか! お前が犯人じゃ!
と言ってしまえば通る世界で、理詰めで真実を見極めようとしている姿は印象的です。
小野のせいにした方がメリットは大きかった
周りから見れば、今回の件は真実がどうであれ、小野犯人説を通してしまった方がメリットが大きかったんですよね。
井伊の中ではお目付け役という嫌われ役でしたし、直親にとっては父親を売った人間の家ですので、小野を悪者にすれば井伊のまとまりも強くなったことでしょう。しのにとっては、正当防衛とは言え父親を討った人間ですから、これまでの妻の不信感も払しょくできたことかと思います。
でもそのメリットを排して、政次を信じたことによって、政次の心が動かされました。
7話の検地のときには、政次から見て信じるふりが透けていた直親でしたが、今回は自分のメリットを捨ててでも、政次をかばおうとした姿勢が伝わったのでしょうね。
検地のときのこと、やっぱり気にしてたんですね。
小野は何をするか分からないから怖かった
小野が嫌われている理由として、何かを企んでいそうな感じがあったんでしょう。井伊家の家臣の中では今川に近い存在なので、今川嫌いが蔓延している井伊家にとっては怖い存在なのです。桶狭間に散った玄蕃は素直な人でしたが。
それが破られたエピソードが今回見られました。
きっかけこそおとわが語った流言でしたが、実際に政次が写経をしたことによって、中野の心を動かしました。奥山を斬ってしまったことを悔い、写経をしているという噂を聞いている中野は、「かわいいところがあるじゃないか」と政次の人間らしさを認めていました。
割と短気な感情に素直な人が多い井伊家の家臣にとって、理詰めで動く小野の思考回路はよく分からないものでした。だからこそ、小野は何か企んでいるんじゃないかという目で見ていたのです。そう、まだ何もしていない政次に対してさえも。
ところが、自分たちがしうる行動を政次が取ったことで、ある種の共感を生み、政次に対する態度の軟化が見られたのです。自分の理解の範囲にあることを認識した訳です。
虎松の誕生
直親にとって待望の男子が生まれました。のちの井伊直政です。井伊にとってのヒーローですね。
虎松の誕生祝の席に、政次がやってきました。多少態度が軟化したとはいえ、奥山を斬ったこと自体はみんな承知しちゃってるので、どことなくぎこちない。
その場で政次が贈ったのは、小野にボッシュートされた直満の領地。小野政直が持っていたものです。(違ってたらすまみませぬ)
これを虎松の誕生祝として献上しました。直親が政次を信じて、それに沿って行動したからこそ、政次もこうした行動を起こそうと思ったわけです。
終盤には一緒に碁盤を囲む様子もあり、仲直りしたことが窺えます。
日々是好日は禅語です
ときたまファンタジー説法をぶち込んでくる直虎ですが、今回出てきた日々是好日(にちにちこれこうにち)はちゃんとした禅語です。このまま読めば、毎日がいい日だなぁ、という意味です。が、もうちょい意訳するとこんな感じ。
いい日もあれば、悪い日だってある。でもそういったことで一喜一憂するとか、執着やこだわりを生んでしまうとか、そういうのはやめよう。みんなかけがえのない1日なんだから、前向きに生きていこうね。
って感じでしょうか。仏教では執着するのはやめようぜ! ってのをテーマにしているところがあるので、それを短い言葉で表したいいスローガンだと思います。
南渓和尚の真似をする昊天さんがいい味出していました。猫を撫でる仕草までまねていましたし。憧れてるんですかね。
今回のテーマにも合ってた
回想シーンがあったように、直親の中では、父親が小野に売られたことは大きな爪痕を残していました。直親は上記の昊天さんの言葉を直接聞いてはいませんでしたが、今回のストーリーにおける直親の動き方はこれに沿っていました。
父親のことに関するこだわりや執着を一旦置いておいて、感情だけで政次を断罪するのではなく、状況をしっかりと見極める。そうした姿が見られました。
前向きに、建設的に生きようとする姿は見ていて気持ちのいいものがあります。今回みたいに、おとわの寺属性を上手く生かしたストーリーになっていると良い感じ。
気になる引き
実は大人になってからは初めて会うふたり。瀬名の助命嘆願に向かうも、今回の話の中で瀬名を救う所まで行きませんでした。
おとわピンチ! からの「つづく」。気になる引きですが、誰が助けに来てくれたんでしょうか。
明確に敵対を表明した家康が駆けつける可能性は低いでしょうから、それ以外の人物。2話で登場してそれっきりのムロツヨシさんでしょうか。彼がどう関わってくるのかさっぱりなので、面白い登場を期待。
できれば皆が忘れる前に出てきて欲しいところです。流石に2か月前の登場人物を覚えているのはちょっときついし。
まとめ
WBCの裏番組というのもあり、そっちを見ていた人も多かったんじゃないでしょうか。日曜8時は激戦区なので、視聴率確保は結構なハードルですが、それはそれとして話を楽しめるようになってきた気がします。
尺が足りなくて、エピソード無しにいきなり人の考え方が変わっているなんて部分もありますが、だんだん安定してきた気も。今回の政次が奥山のお化けにおびえる様子とか、あんな感じのシーンがあると、見ていてついて行きやすいです。
おまけ
サブタイトルの元ネタ集作りました。
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