麒麟がくる第四十二回感想「離れゆく心」サブタイトルから本能寺の足音が

麒麟がくる

とどでございます。

サブタイトルがもう嫌なフラグ立ちまくり。明智光秀といえば本能寺の変ですが、そこに至るまでの過程がこのドラマのポイントです。

そんな背景もあり、今回のこのサブタイトルは本能寺の足音が聞こえてきますね。

信長は力だけで押さえつけようとしていますが、それだけでは人がついてきません。実はこの時点でもまだ将軍の足利義昭がいるので、それを旗印に西日本の武将たちがどんどん信長と敵対しています。

信長は信長で心細いのでしょうが、言うことを聞かない者は全て切り捨てていくスタンスではただの恐怖政治。いつ寝首をかかれてもおかしくはありません。

今回は光秀が足利義昭に会いに行ったことで、信長がいなくれば戦がなくなるかもしれない、という道が見えてきてしまった回でした。

荒木殿の裏切り

毛利攻めをしていたはずの荒木殿が信長を裏切ってそのまま有岡城に籠城しちゃいました。荒木殿は光秀にとっては娘の結婚相手の親ですから、姻戚関係にある人です。

光秀としては絶対に戦いたくない相手ですが、将軍である足利義昭を抱える毛利の味方になってしまったため、下手するとそのまま戦うことになってしまうことにもなりかねません。

光秀は今回何度も説得を行いましたが、荒木殿の気持ちは変わらず信長と敵対することになってしまいました。光秀の娘・おきしはそのまま荒木の家にいるつもりでしたが、離縁されて光秀の元に帰ってきました。

現代的な感覚からすると娘だけでも帰ってきたことは喜んでいい点のように感じますが、当時の武家社会だと「離縁されてしまいました」という感覚のようですね。一度結婚したら最後まで道連れの覚悟での結婚。強い気持ちが求められます。

離縁がなかったとしたら女子供関係なしに斬られていたことを思えば、やはり光秀にとっては内心ほっとしたのではないでしょうか。

鯛を釣る

毛利の庇護を受ける将軍の足利義昭。信長は朝廷で右大臣という高い立場になったものの、将軍ではないんですよね。

その将軍を抱える毛利は、義昭本人が必要というよりも将軍という肩書きを抱えていることを重視しているようです。かつて朝倉がしていたような状態なので義昭様も特に良いとは思っていなそう。

その義昭本人は日がな魚を釣って過ごしているそうで、光秀が訪ねていった時も、敵対する間柄ではありますがちょっと嬉しそうな顔をしていたように感じました。あくまで立場が違うだけで、個人的な感情で敵対しているわけではないのが救いでしょうか。

「信長がいないなら京に戻ってもいいよ」とまで言われてしまい、光秀の中で「あれ? 実は麒麟がこないのは信長様のせいでは?」なんて思う種が撒かれたように思います。

家康も怒ってる

信長にとっては家康は小さい頃から知っている間柄で、信長が親戚のお兄ちゃん、家康がまだ小さい子供、みたいな感じの関係がそのまま大人になっていると認識している感じでしょうかね。

家康の息子である信康とその母築山殿が武田と通じている、という疑いから切り捨てろと命じているあたり、家康は自分のいうことをなんでも聞くと思っているフシがあるのかも。

築山殿や信康については諸説あり、本当に武田と通じていた説や、あるいは信康の正室で信長の娘である徳姫が不満を手紙にしたためて信長に送った説など、斬られた理由が色々と想像されています。

自分の妻と子供を斬るように命じるのは相当なことですから、家康もなにか重大な理由があったのではと思うのは想像に難くありません。

今回の放送ではその前段階で信長から築山殿と信康を斬るように命じられたところで光秀に相談がいきました。船での密会は秀吉のスパイがいる可能性も少ないので安全度が上がりますね。信長の家臣である光秀にこの話をすることの重さもさることながら、話をしている時の家康の表情を見るに押し留めている思いが多々ありそうな感じです。

佐久間も怒られた

信長が荒木を一気に攻める話をしている中、佐久間信盛が信長を諌めました。

主君を諌めるのは命をかけての行為ですから、ドラマの佐久間は勇気があるなと感じます。

佐久間信盛といえば折檻状でお馴染みで、無能と茶化されることもあります。しかし、このドラマだと盲目的に信長に従うわけではなく、止めるべきところは止めるスタンスのようなので、芯が強い感じがしますね。

当の信長はイエスマンを欲しているようで、口答えせずにいうことを聞いてくれる人を近くに置いておきたいようでした。光秀もその枠だと思っているのか、帝との面会についても内容を言うようにしつこく迫っていました。

このドラマの中だと、かつては目上の人から褒められることを目的に生きていた信長ですが、目上の帝は信長を警戒しているので、今度は家臣たちに褒めてもらおうとしているようです。盲目的に従う家臣であることを求めているからか、信長の状況を客観的に見て止めようとする家臣に対してはあたりが強くなっていますね。

しかし、信長は誰と戦っても勝っているような印象がありましたが、ひとつひとつ状況を見ていくと割と敵に囲まれている期間が多いですね。その中で右大臣に上り詰めるのは強さを感じます。

まとめ

足利義昭から駒さんに送られた手紙で麒麟の話が出てきたことで、「麒麟がくる国にする」というかつての光秀の夢がまた出てきました。信長が麒麟を呼ぶのか、それとも麒麟を阻むのか、光秀がそろそろ決断しそうな感じがあります。

予告の「道三様ならどうします」「毒を盛ります」の会話が不穏ですね。