いだてん21話感想「櫻の園」の庭の声『クソッタレ』の響きあり
とどでございます。
アントワープで金メダルを取るつもりが、これまでの体への負担により思うように結果を出せなかった金栗四三。
失意のズンドコでヨーロッパ各地を巡り、ドイツで女子体育の発展を目にしました。戦争からの復興途中ですが、「やり投げでもして気を紛らわせなきゃやってらんないよ(意訳)」と明るく体育に励む姿に心を打たれた四三さんは女子体育を発展させることに。
でも竹早のお嬢様たちは「体育なんて……」と乗り気ではありませんでしたが、試しに槍を投げてみたらどハマりしたようで、女子も体育に励む時代がやってきました。
今回のサブタイトル
今回のサブタイトルは「櫻の園」。1903年にロシアで発表されたアントン・チェーホフの戯曲です。それをモチーフにした同名の漫画に吉田秋生さんの「櫻の園」があります。女子校の話なのでこっちの方が近いかも。
東京府立第二高等女学校は明治32年創立の女子校で、今は竹早高校に名前が変わっています。男女共学みたい。近くには東京大学やら東京ドームやらがある素敵な場所です。
物語の中では女子校なので、女子しかいませんでした。シマさんもそこの先生なんてのはびっくりでした。
新任の金栗先生がいきなり西洋人と日本人の体の作りについて語り始めていたのはカルチャーショックだったろうなぁ。
ドイツ女子への取材
アントワープでの敗北から、日本には帰らずヨーロッパをぶらぶらしていた金栗四三。ドイツにたどり着いた時、体育に励む女子たちを見かけました。
「クソッタレえええぇぇぇぇぇえええ !!!!!」なんつって槍を投げています。
金栗さん、失意のどん底にありながらも持ち歩いていたカメラで取材を行いました。
そこから日本でも女子の体育を! となるあたりもリカバリーが早いです。人生の目標にしていたオリンピックで悔しい思いをした直後でしたから、1、2年ふてくされていても「人生をかけていたからしょうがないね、ゆっくり次を探そう」ぐらいな感じなもんですが、すぐ立ち直りました。
……日本に帰らず、異国の女性たちに囲まれながらキャッキャウフフしていたのがスヤさんにバレたらなんて言われるんでしょうね。
シマちゃん先生
シマさんが先生かぁ……。感慨深い感じがします。
前回二階堂先生が言っていた「代わりにお見合いに行って」というのが冗談ではなくそのまま話が進んでいるのもシュール。しかも結婚までしましたし。
その相手はなかなかの好青年で、二階堂先生は勿体無いことをしたような……どんまい。
「Youオリンピック出ちゃいなよ(意訳)」と女子体育に励むシマちゃんを応援してくれる懐の大きい人でした。
竹早女学校への赴任
金栗四三はシマちゃんが勤務している竹早女学校に赴任しました。熊本に帰る道もあったでしょうが、ドイツで見た光景が彼を突き動かしているのでしょうね。スヤさんも東京に来て一緒に暮らすことになりました。めでてぇ。
学校では歴史や地理を教えることになっている一方で、自主的に体育も教えるというゴリ押し。シマちゃんも「女子の気持ちを考えろ」と釘を刺します。
それでもめげない金栗先生、放課後に陸上を教えようと生徒たちを待ち構えていると、女子のリーダーと取り巻きが出現。
「みっともないから体育はお辞めになったら? この学校はただでさえ美人のいない『シャンないスクール』なんて言われて笑われていますのよ?」とお嬢様語でお釘をお刺しあそばされました。
『シャン』はドイツ語のschönから。意味は美しいとか可愛いとかそんな感じ。大正や昭和初期はドイツ語で表現するのが流行っていたみたいですね。ドイツ語由来の言葉の先輩として、アルバイトがあります。こちらは明治期から使われていたそうで、今でも使われていることを考えるとすごいです。
演じている人たちを見ると、とても『シャンないスクール』ではないのですが、周りの学生はこう言って気を引きたい男子小学生のような感覚なんでしょうかね?
合言葉はクソッタレ
お嬢様の生き方を強制されて抑圧されてきたことに対する叫びか、戦争に夫を取られた悲しみの叫びか、日本でもドイツでも「クソッタレ!!」と槍を投げている回でした。そういえば安仁子も言ってましたね。
お嬢様ズのリーダーである富江さん、やり投げだけではなくテニスでも「クソッタレ!!」と力を発揮。永井先生がテニス少年だった設定がここで出てくるのがほんとシュール。
「自由に叫んでみなさい」と言われてこの言葉が出てくるお嬢様というのもすごい気がしますが、叫びたい気持ちは万国共通のようです。
次回の予告を見ると、伝説のスーパーヒーロー(ヒロイン?)の人見さんが出てくるみたいですし、女子体育の盛り上がりが増していく感じですね。
東京に戻った志ん生(若)
彼が見たものとは……!
なんと、結婚した清さんと小梅の姿でした。
小梅は美川くんと一緒にいたような気もしましたが、いつの間にか清さんと仲良くなっていたようです。駆け込んできた美川くんに「達者でね」なんて小声で言ってたし、別に愛想をつかして別れた感じでもなさそうですね。
志ん生は小梅のせいで東京に戻れなかったのに、戻ってきたら親友とくっついてるなんて、遣るせない。
とはいえ、見合い話も飛び込んできたようですから、先に進んでいる感じ。
まとめ
自分が選手として頑張るよりも、人を育てる方にシフトした金栗四三は女子体育の発展を目指します。頑張ってたもんせ。
それにしても今回はベジータもびっくりなクソッタレ回でした(いい意味で)
次回のサブタイトルは「ヴィーナスの誕生」。ボッティチェリの絵画が元ネタ。貝殻の上にヴィーナスが立っているアレです。
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