いだてん46話感想「炎のランナー」遠足前夜みたいな回でした

とどでございます。
最終回に向けていよいよ大詰め。聖火リレーも始まって次の日が開会式というところまでやってきました。
明日の天気を気にしている様子はまるで遠足前夜のよう。100%外すことで有名なマリーさんの占いでは開会式当日が大雨とのこと。なんてこった(歓喜)
まーちゃんのパートはどんどん話が進んで行きましたが、五りんと四三さんパートはなんかこうすっきりする感じではありませんでした。来週見せ場がある感じかな。四三さんは壮大な伏線回収があるからそれが楽しみです(ネタバレ)
今回のサブタイトル
今回のサブタイトルは『炎のランナー』。1981年に公開されたイギリス映画で、題材は陸上の短距離、パリオリンピックの頃の話です。タイトルがもう聖火リレーっぽくていいですね。
聖火リレーの最終ランナーは四三さんではなく、広島に原爆が投下された日に生まれた坂井選手が選ばれました。本人は競技に出場する選手としてオリンピックに参加したかったけど、聖火リレーのランナーとしての参加となりました。本人の気持ちを考えたら複雑ですね。
四三さんは聖火リレーを走る気満々だったのでこちらもガッカリ。嘉納先生との約束は果たせませんでしたが、次の世代にバトンを渡したことを思えば諦めもつく……かも。それでも走るのをやめないあたりは流石です。
オープニングは今見ると感慨深い
オープニングは「やっとここに繋がった!」という感じで感慨深いです。東京オリンピックの開会式の様子が映って、聖火リレーをやって……と物語前半の頃は「昔のオリンピックの映像」くらいに思ってましたが、今はもう「ついにここまで来た!」って感じ。
東京オリンピックの映像とストックホルムオリンピックの映像が並んでいるシーンなんかは、これだけでちょっと涙腺やばいです。今回は金栗四三と三島弥彦の映像が出てきましたし、二人で参加するのがやっとだったところから自国開催まで持ってきたという積み重ねがありました。
「スポーツは遊び」という価値観だった国が、数十年で平和の祭典を開催する、この変化の大きさと言ったら。この間に戦争が起こってしまったというのも、平和のありがたみや重みを感じます。
大河ドラマでは最終回に向けて主人公が最期の戦いに向かっていき、その人生が終わるところまで描かれて悲しみで終わることが多いですが、今回は平和の祭典、「お祭り」に向かっていく感じでポジティブな盛り上がりになっています。
父の危篤よりも
女子バレーチームの「馬」こと河西選手は父が危篤とのことで大阪から山梨に帰っていたみたい。鬼の大松とはいえ、家族が倒れていたら「そばにいろ」と言ってくれるのは人間味があります。地獄のインパールを生き抜いたからこそ、家族と会えなくなることの辛さを感じているのかも。
でも河西選手、帰ってきました。父との今生の別れとなるかもしれない状況でオリンピックを優先できるのはとてつもない覚悟です。
女子バレーパートは選手の覚悟があるし、それをみんなで支え合っているのがいいですね。
五りんはいだてん
落語の二人会から逃亡した五りんは、志ん生の娘である美津子さんと再会しました。1年会わないうちに知恵ちゃんのお腹には子供まで。予定日は10月10日なんていう素敵な偶然もありました。
ただ単に逃亡したというよりも、若い頃の師匠がやったことを踏襲しているあたり、師匠に対して尊敬……というか感じるところがあったようです。
師匠の側でも「聖火ランナーは五りんがいいんじゃねぇか」と名前が出てくるあたり、お互いに絆がありますね。
オリンピックに関わる道を探って試行錯誤しているようでしたが、最終的に「俺はいだてんになります」とまさかのタイトル回収。シマちゃん、小松くんと走ることが好きだった流れが五りんにもつながっているようです。
河野一郎が担当大臣に
ジャカルタあたりから引っ掻き回してくれた川島正次郎から河野一郎へと五輪担当大臣が変わりました。川島さんのその後は特に語られませんが、まーちゃんの気持ちはもう立ち直ったのでまぁいいか。
河野一郎が就任時の挨拶で「田畑の盟友として」と言っているのがニヤリとするポイントですね。この人いつの間にか副総理まで上り詰めているのが凄すぎ。
早速組織委員会でも都知事に無茶振りして、結果都民は1日15時間の断水となったようです。水不足の暑いときに水道が使えないのは地獄ですね。当時の都民の苦労が目に浮かびます。
金栗と三島だ
コンゴ共和国の選手を見た岩ちんが「金栗と三島だ」と呟くのはずるいですね。すかさず後ろから可児くんが出てくるのがいだてんです。
「生きとったんかワレェ!」と思わず突っ込みそうになりましたが、なんと可児徳さん、このとき89歳。ご長寿です。体育の先生をしていただけあって、健康に長生きしていたようです。
ストックホルムのときには割とギャグ担当でしたが、当時の思い出を振り返っているタイミングで出てるのは泣きそうになりました。
しかもその後コンゴ共和国の国歌を歌っているシーンでも金栗三島の両名の姿が映っていたのが涙腺に追い討ちをかけてきます。
選手村に入るときには「嘉納先生に見せたかったなぁ」なんて言ってましたし、このパートはこれまでの集大成感があってとてもよかったです。
沖縄の聖火リレー
平沢さんの「私にいい考えがあります」は安心感があっていいですね。
今回はアメリカに直接交渉するのではなく、国旗掲揚している姿を全国放送してしまうという既成事実によって文句を言わせない作戦でした。
自分の番組では「国旗掲揚を容認する自由の国アメリカの懐の深さに敬意を表する」と追撃する始末。メディアを使えるって強いです。
沖縄での第一走者である宮城さんは放送後のコーナーにも出ていましたが、自分が生きている間に大河ドラマに出ているってすごいですね。国旗マニアの吹浦さんも自分自身の役があって、しかもこのドラマ自体の国旗考証も担当しています。すごい。
「俺の先祖が大河ドラマで活躍してたぜ!」という自慢だけではなく、「俺、大河ドラマで活躍してたぜ!」なんて自慢もできます。
8月6日と呼ばれて
「8月6日」だの「アトミックボーイ」だの、坂井選手にかけられた声はおよそ選手を呼ぶ名前ではありません。
選手として選考会に挑み、正々堂々と戦った結果、東京オリンピックの選手としては選ばれなかったものの、次のオリンピックへの出場を目指して練習を行なっていたら生年月日だけで注目を浴びるようになってしまいました。
選手としては自分の努力ではなく生まれた日で注目を浴びるのは不本意なのではと思います。
それでいて周りは「平和の申し子」だのなんだのと、なんだか政治的にもデリケートな扱いをされたらたまったもんではありません。そりゃ顔も曇りますよね。
100%外す占い
いつの間にやら東都知事と仲直りできたまーちゃんは、マリーさんのお店で一緒に飲んでました。ブルーインパルスで五輪マークを作るぜ! と意気込んでいた航空自衛隊の面々は、今回はただのウェイ系になってました。
そんな彼らが見守る中、マリーさんは開会式の日の天気を占うことに。タロットで占った結果は、太陽の逆位置、審判の逆位置、星の逆位置、塔の正位置。これを見たマリーさんは「世界中の雨雲を集めたような曇天」と読み取りました。
このタロット占い、マリーさんから見ると上記の位置なのですが、まーちゃんから見ると真逆の結果なんですよね。
太陽の正位置は「成功」、審判の正位置は「復活」や「結果」、星の正位置は「希望」や「願いが叶う」、塔の逆位置は……あまりいい意味はありませんが好意的に解釈すれば「解放」や「価値観の転換」などでしょうか。多少のアクシデントはあるかもだけど、オリンピックは大成功を収め、まーちゃんは夢を叶えた後その役割から解放される、くらいの感じでしょうかね。
マリーさんは口では悪い方の結果を言っていましたが、ニヤッとしたのを見るに分かってて逆の結果を言ったのかもしれません。自分の占いはいつも外れると思っているまーちゃんを後押しするために。
まとめ
最終回前で悲壮感ではなく希望を持っている大河ドラマは珍しいですね。喪失感ではなく達成感による感動があってとてもいい感じ。最終回は五りんと四三さんも活躍が見られるといいなぁ。
次回のサブタイトルは『時間よ止まれ』。1978年発売の矢沢永吉さんの曲が元ネタかな。
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