麒麟がくる第二十七回感想「宗久の約束」藤吉郎のテンションの上げ下げが激しすぎィ!
とどでございます。
足利義昭の上洛を果たすため、織田勢は義昭とともに京に入る準備をすることに。光秀は京に潜入して敵勢力である三好勢の兵数や朝廷の様子を探ってくることになりました。
先に潜入していた藤吉郎(のちの秀吉)と合流したのですが、この藤吉郎のテンションの上げ下げが激しくてびっくりしました。わざとテンション高く振る舞ったと思ったら、トーンを落として真面目に語り始める姿にドキドキやらヒヤヒヤやら。なんでしょう、これがギャップ萌え……?(違)
光秀はお駒さん、伊呂波大夫の協力を得て朝廷の様子を聞くことができました。そして三好を支援している今井宗久ともお駒さんを通じて話すことができました。
お駒さん重要な人物とのコネ持ちまくってますね。すごい(感嘆)
お金の使い道
信長は義昭の上洛のために1000貫、現代の貨幣価値にして約1億5000万円を献上しました。かつて斎藤道三は商業で栄えている尾張が欲しいと言っていましたが、これだけのお金をぽんっと出せるのはすごいことです。
信長はこのお金を兵を起こすためだったり戦いの準備に充てるつもりでいましたが、義昭は「このお金があればたくさんの飢えている人が助かる」とまた別の視点を持っていました。
あげたお金だから直接は文句を言わないものの、光秀には愚痴を言うあたり仲の良さが伺えます。今週の放送後半でも「義昭様には従うけど、本心は不承知だから。お前の腹の中に留めておけ」と愚痴をこぼしているシーンがありました。
正直なところ今回で信長の家臣になるのかと思っていましたが、光秀はずっと前から将軍の元で働くと決めていたようです。2回お誘いいただいて、2回ともお断りするのは意外でした。この後どんなイベントがあって信長の家臣になるのか楽しみです。
藤吉郎のテンション
信長の命を受けて先に京に入っていた木下藤吉郎(のちの秀吉)はサバを捌いて町人に紛れ込んでいました。
声が大きいしテンション高いし、敵がすぐそばにいるとわかったらすぐ刀を取り出すしで、すぐにバレるんじゃないかと見ているこっちがヒヤヒヤ。ワッハッハと笑いながら話していると思ったら急に真面目なトーンで話し始めるし、なんだか二面性を感じて底知れない恐怖を覚えました。
藤吉郎はお駒さんに字の読み書きを教えてもらって出世して、いつの間にやら1000人の兵を持つまでになりました。キングダムを読んでいるせいか、「おっ千人将じゃん」と変なことを考えてしまいました。
ここまで出世できたのもお駒さんのおかげ、とちゃんとお礼を言えるあたり根っこはまっすぐなんだと感じますす。
藤吉郎も「褒めてもらいたい!」と言っていたので、主君の信長共々褒めてもらいたがる部分が共鳴しているのかも。
京が焼かれる
久々に会った嬉しさもそこそこに、光秀はお駒さんに信長の上洛について相談することになりました。信長が上洛すれば三好と戦になる、とお駒さんは京の街がまた焼かれてしまうことを危惧していました。武家の人々は割と気軽に「戦じゃ!」と意気込んでいますが、巻き込まれる住民たちにとってはたまったもんではありません。
お駒さん、伊呂波大夫は戦に巻き込まれる側の立場なので、信長の上洛について相談したい光秀にとってはちょっと居心地の悪い感じになっていましたね。
伊呂波大夫は朝廷の内部情報まで漏らしてくれたりと割と協力的でしたが、この人は近衛さんに「武家同士が潰しあってみんな消えてしまえばいい」とラスボスのようなことを言っていたことを忘れてはいけません。
今井宗久とのコネ
お駒さんが作った薬を売るとか売らないとかの話をしていたときに出てきた今井宗久。あの時は急に出てきて「誰ぞ?」とよく分かっていませんでしたが、三好の後援者だったんですね。今回いい感じに伏線が繋がってちょっと「おおっ!」ってなりました。
この今井宗久は商人でありながら茶の名人でもあったようで、千利休、津田宗及とともに天下三宗匠と呼ばれているそうです。すげぇな。
今井宗久は三好を支援していますが、そのポイントは堺の商業を庇護してくれていること。この部分が守られるなら信長を支援するため、三好のサポートを打ち切ってもいい、と申し出てくれました。
この時代、パトロンがいなくなるのは恐ろしいことで、かつて帰蝶さまがやったように金で傭兵を雇って戦支度をすることも多く、有事の際に兵を集めることができなくなってしまうのはそのまま戦力差に現れてしまいます。
かつてピンチだった頃の織田家ならいざ知らず、秀吉の下に1000人もの正規兵がいる状況ですから、そりゃ戦いになりませんよね。
三好の支援を打ち切る条件として出されたのが鎧を脱いでの信長の京入り。京の街が戦で焼かれないよう、戦いをしない意思表示として甲冑を脱ぐことが条件になりました。
そりゃ家臣は止めるよね
「鎧を脱いで京に入れ」だなんて、明らかに「狙ってください」と言っているようなものです。そりゃ家臣たちは必死に止めますよ。あの場の光秀の立場からすると非常に胃が痛い思いをしていたでしょうが、家臣たちの言い分もよくわかります。
信長は「織田だけでは決められない。義昭様の意見に従うまで」と大人の対応でした。「褒めて褒めてー!」と言っていた頃の信長ではなく、なんだか大きくなって寂しいやら嬉しいやら。その義昭様の前ではにっこりと「仰せのままに」なんて言っていました。あとで光秀に言っていたように心の中では納得していないようでしたが、それでも公的な返答として「あなたに従います」と満面の笑みで回答するなんて100点の対応じゃないでしょうか。見習いたいものです。
それにしても、鎧を脱いで京に入る案を聞いたときの義昭様の笑顔は織田勢との対比になっていますね。戦いで敵を押し除けることを考えている織田勢と、単純に敵を倒すだけではなくそのあとのことまで考えている義昭様。武家出身と僧侶出身で考え方が見事に異なっています。
武家の頭領として自分自身が武士としてあろうともがいていた義輝様とも対比されていて、義昭様は当時からすると結構異端な考え方をしていたのかもしれません。お飾りの将軍であることを受け入れながらも、民と触れ合っていた経験から別の視点で自分の目指す幕府を実現しようとしています。
佐久間信盛がいるだけで笑っちゃう
光秀の提案に織田家の家臣が大バッシングしている中、佐久間信盛の姿がありました。この佐久間信盛、信長から折檻状をもらったことで有名で、手紙で長々と「お前最近手柄挙げてないよな? できないならできないでこっちに相談すりゃいいのにそれすらしないで言い訳ばかり。他の家臣に対する態度も悪くてクレーム来てるんだけど。これまで我慢してきたけど、ここらで死に物狂いで手柄を挙げるか、頭を丸めて出家して高野山にでも行ってろよ(意訳)」みたいな感じで怒られた人です。
ググると現代語訳した手紙も見つかるので、もし時間があれば一度読んでみると面白いかも。
後年は手紙で怒られましたが、この頃は「退き佐久間」と呼ばれるくらい戦の殿(しんがり)を務めるのがうまく、今回ナレ落城した六角承禎のいた箕作城を攻め落とすなどの武功を挙げています。なので徹頭徹尾ヘタレだったわけではないのがまた人の衰えを感じさせて悲しさを生むポイントでもあります。
今回もお断りします
信長から2回目のスカウトを受けた光秀。「ここで信長につくか!?」と期待していたものの、返答はまさかのお断りします。
義昭を推薦した手前、最後まで見届けるのが筋であると考えたのかもしれません。信長は非常に残念そうな顔をしていましたが、このあと一緒に上洛するの気まずそうですね。
まとめ
今回は義昭の上洛を果たすための工作回でした。木下藤吉郎と光秀がちゃんと対面して話もしましたし、伊呂波大夫から朝廷の状況を聞き出すこともできましたし、光秀は潜入ミッションが得意ですね。
史実に残っていないから色々と動かせるのもあるのかもしれませんが、このように動き回っている姿はテンションが上がります。
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