西郷どん第38話「傷だらけの維新」感動シーンでまさかの菅野テロップ

2020年2月10日

薩摩に帰りもす

とどでございもす。

反乱軍を鎮めるために戦をしようにも、京の都で出せるお金にも限界がありました。なので薩摩からもお金や兵を出すことに。

西郷吉之助の弟である吉二郎もこの兵に加わることとなりました。いつも家を守る立場にあって、直接戦に出たことはありませんでしたが、彼も郷中で訓練した身、いつか薩摩隼人として戦うことを夢見ていたようです。

後年西郷さんが「吉二郎がいなかったらおいは倒幕などできなかった。生まれの兄はおいでも、家を守る兄は吉二郎じゃった」と言っていたようで、それだけ吉二郎の存在は大きかったみたい。

それだけに、吉二郎が誇りを胸に散って行ったのが悔やまれます。

前回のあらすじ

江戸城で篤姫と会談した西郷さん。篤姫が「慶喜の首を差し出します。返す刀で私も命を断ちます」なんて言ったもんだから西郷さんはその提案を突っぱねました。

江戸薩摩藩邸に戻り、山岡鉄舟と約束した通り勝海舟と会談することに。勝海舟の出した条件は旧幕府側に有利なものでしたが、西郷さんはそれを飲んで江戸城の攻撃を中止。これによって江戸城の無血開城が達成されました。

同じ日、西郷さんは上野の寛永寺にいたヒー様を訪ねることに。自分の首を取りに来たと覚悟を決めたヒー様でしたが、どうやら違ったみたい。

西郷さんは大阪から江戸に逃げたヒー様の真意が、外国の介入を防ぐことにあったと知り、命は取らず和解することに。

これでめでたしめでたし……かと思いきやこの決定に納得していない旧幕府の勢力が各地で反乱を起こしました。

「上が決めたことなど知るか!!」と暴れまわる反乱勢力。新政府軍はそれを鎮めることに。平和はまだまだ先のようです。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 上野の戦いは半日で終了
  • 「薩摩からも兵と金を出せ」とお願いされ、西郷さんは薩摩に戻ることに
  • 薩摩では吉二郎が「兵に加えてくれ」とお願い
  • 西郷家の男兄弟総出で長岡へ
  • 長岡の戦いで吉二郎が戦死
  • 戦いは終わって反乱軍も落ち着いたけど、西郷さんは責任を取って新政府から身を引くことに
  • 江戸城が東京城に
  • 生活が苦しい中、吉二郎が吉之助のためにお金を溜めていてくれたことを知り号泣
  • 感動シーンでまさかの菅野ノーヒットノーランのテロップで雰囲気ぶち壊し
  • 西郷さん、髷を切って引退

今回も気になる所を中心に。

上野の戦い

1日どころか半日で終わった上野の戦い。江戸城にいた大村益次郎が時計を見て「ほっほっほ……そろそろ戦いが終わった頃ですね」なんて言ってたら本当に新政府軍が勝っていたなんて漫画みたいなエピソードもあります。

この上野戦争で旧幕府側の勢力として結成されていたのが彰義隊。ドラマの中では義を明らかにする、と説明されていました。

彼らは江戸城が明け渡されたことに納得せず、江戸の町で暴れまわっていたみたい。

新政府軍としては江戸の人たちを危険に晒すことこともできないため、彼らを討伐しないといけません。もし民を守ってくれないとなると、「新政府だなんて言ってるけど全然守ってくれないじゃねーか!! お前らが政治を執り行うなんて認めねぇ!」って言われちゃいますからね。国は民を守るものでなければなりません。

暴れまわっていたのは良くないけど、彼らは江戸時代の中で侍として散っていきたかったのかも。新しい生き方を受け入れられない! ってなったら「もはやこれまで」と考える人たちでしたしね。

戦いのシーンでは池に人が浮かんでるのがリアル感あって「うわぁ……」ってなりました。戦場だから綺麗なシーンはあるわけないんですけど、ちょうどご飯食べてたので微妙な気持ちに。

吉二郎の葛藤

上野の戦いは終わりましたが、東北ではまだまだ旧幕府側の勢力が暴れまわっています。東北各地で戦端が開かれ、新政府軍も対応に苦慮していました。

その中で薩摩藩でも人とお金を出すこととなり、西郷さんは藩主の許可をもらうため薩摩に戻りました。

島津久光から「薩摩ためになるのなら、好きに使え」と許可をもらって、薩摩から東北に戦いに行くことに。それにしてもすんごい信用のされよう。

さて、ずっと薩摩で西郷家を守ってくれていた弟の吉二郎ですが、彼も吉之助たちを見て、薩摩隼人として戦うことを夢見ていました。

吉二郎だって吉之助と一緒に郷中で教育を受け、訓練を積んだ人ですから、その力を発揮したいと思うのも不思議ではありません。

吉之助が家にいるタイミングで「兵に加えてくれ」とお願いします。吉之助だって気持ちが分かるだろうから、そのお願いを無下にすることはできません。

結構不遇だった吉二郎

吉二郎自身は何も悪いことをしていませんが、吉之助が沖永良部島に流された時には、そのあおりを受けて藩の仕事を失いました。家の財産なども没収されていたそうなので、かなり家計が苦しかったみたい。

昔の家も売って手狭な家に引っ越したりもしましたし、第3話で商人から借りたお金だって返しつつでしたから、かなーり辛い生活です。

家を維持することに終始していたこともあってか、吉之助のように戦場で活躍することを夢見ていたのかも。

そりゃ兄の名声のおかげで西郷家自体は認められるようになりましたが、弟の吉二郎は対外的には特に活躍してないですもんね。兄の力ではなく、自分の力で褒められたい、というのは自然な成り行きだと思います。

吉二郎は知る由もありませんでしたが、かつて吉二郎が習字を教えていた同じ下鍛冶屋町出身の東郷仲五郎は、のちに東郷平八郎として超強かったバルチック艦隊を破る活躍をしました。西郷さんが東郷さんに習字を教えていたのもなかなか面白い組み合わせ。郷中の西側にいたから西郷、郷中の東側にいたから東郷、なのでしょうか。

戊辰戦争での別れ

吉之助を除く西郷家の兄弟は先に越後に向かいました。

戦況が思わしくなく、士気も下がっているとの報告を受けた西郷さんは、薩摩から軍艦春日丸で越後に向かいました。東郷平八郎はこの春日丸の乗組員だったそうで、1月3日の鳥羽伏見の戦いの頃には船同士で戦ったりもしたみたい。

さてその越後では旧幕府軍が新鋭のガトリング砲を使って応戦してきたようです。

ガトリング砲というとるろ剣で御庭番衆がばったばったとなぎ倒されていったのが思い出されます。あんな勢いで弾飛んできたらどうしようもないですね。

どこまで正しいかわかりませんが、wikipediaの戊辰戦争・北越戦争の結果を見ると、新政府軍の死傷者が1000人以上、旧幕府軍の死傷者が400人とありました。

損害だけ見ると新政府軍が大きな損害となっていますが、最終的には新政府軍が勝ったようです。

この戦いは長岡城を取ったり取られたり、旧幕府軍の新発田藩が新政府軍に寝返って追っ手が放たれたりと、壮絶だったみたい。

兵として参加した吉二郎も敵のガトリング砲に腹を撃たれて重傷を負ってしまいました。

軍議中の吉之助にこのことを伝えにきた信吾でしたが、「兵の命は皆平等だ」と心を鬼にした吉之助に見舞いを断られてしまいました。本当だったらすぐにでも駆けつけたいのでしょうが、かと言って身内を贔屓しては仲間に示しがつかないし、何よりどの戦場も大変な状況で判断の遅れが大きな被害にも繋がりかねないしで、グッと堪えるしかない状況だったようです。

なんとか軍議が終わり、勝利を手にした新政府軍。負傷者の元に駆けつけた西郷さんでしたが、吉二郎はもはや息も絶え絶え。吉之助に「体だけは大事に」と言い残して息を引き取りました。最後まで吉之助のことを案じているのが吉二郎の優しさであり強さでした。

明治の幕開け

明治天皇が江戸に入り、天子様がいる場所は京だから「東京」と名前を改めました。江戸城も東京城に。

裏で戦っていた新撰組の面々については一切触れていませんでしたし、戊辰戦争で会津の話もあまり出てきませんでしたが、とにかく戦いは終わりました。その辺りは新撰組! とか八重の桜でやってたから触れない感じなんですかね。

江戸幕府を排除してこれから明治政府として頑張っていきましょう、というときに西郷さんはなんと辞職。

それを聞かされた一蔵は困惑するも、西郷さんが「この戦いの責は誰かが負わないといけない」と固く決意しているのを見て引き止めきれず慟哭。

一蔵の立場からしたら、西郷さんは「おい達で国を変える!」と言っていたのに急に「やっぱやーめた」みたいに言ってる感じでしょうかね。裏切られた気持ちがあるかも。ただ一蔵のことだから西郷さんの気持ちも分かるでしょうから、どうすることもできずにあの笑いになったのかも。

……あのシーンを外で聞いていたら「大久保一蔵は西郷が居なくなって喜んでいる」なんて思わぬ誤解が生まれませんかね……?

吉二郎の思いを受け取る

薩摩に帰った西郷さんは、弟の妻である園さぁに吉二郎の最期を伝えました。

園さぁだって吉二郎の覚悟とはいえ、帰ってくることを望んでいたはずですし、とても辛いです。

家に入ると、吉之助に「吉二郎が兄さぁのために溜めていたお金だ」と壺いっぱいのお金が渡されました。自分の生活も大変なのに、吉之助のためにここまでしてくれたことを知り、西郷さんは声を上げて泣きました。

……が、ここでまさかの「菅野、史上初クライマックスシリーズでノーヒットノーラン達成」のテロップが。

NHKさん、テロップ出すのあと3分待ってよ! 涙引っ込んじゃったよ!

一番の盛り上がりのシーンで「あ、泣きそう……ん? テロップだ……菅野すげぇ!」みたいなよく分からない心の動きになりました。西郷さんも菅野投手の快挙に泣いてるみたいな絵になってたし。吉二郎、ここでも不遇なのか……。

あ、菅野投手はおめでとうございます。大快挙。

まとめ

多大なる犠牲とともに戊辰戦争が終わりました。

刀を置いて今度は新しい時代を作る時です。しかし戦いの責めを負う、と西郷さんは辞職して薩摩に帰ってしまいました。

次回から明治時代に突入ですね。

あ、そうそう、前回の記事で「西郷どんと呼ぶの勝海舟だけ説」なんて言ってましたが、西郷さんちに居候している石蓬さんが普通に「西郷どん」と呼んでましたね。すっかり忘れていました。すんもはん。説立証ならず、です。