直虎34話「隠し港の龍雲丸」去った政次、失意の直虎、気賀の危機
とどでございます。
今回のサブタイトルの元ネタは「隠し砦の三悪人」。
世界の黒澤明監督の映画です。
史実で井伊を乗っ取ろうとした小野政次、というように伝わっていますが、このドラマで井伊を乗っ取ろうとしていたのは近藤康用じゃないか。
井伊谷城にて、我が物顔で踏ん反り返る近藤の憎らしさと言ったら。
もみあげ剃ってやりたい。
このブログ的には、政次がいなくなってしまったため、割としょんぼりしながら感想を書いています。
政次……。
と、政次だけではなく、龍雲丸、そして気賀にピンチが訪れました。
徳川の黒歴史、堀川城のなで斬りです。
政次……
冒頭では、前回の政次逝去のシーンが。
今回また泣きそうになりました。牢屋には、政次が遺した歌が置いてありました。それを捨てるなんてとんでもない!
「そんなもの捨ててしまえ!」と言った人、怒らないから出て来なさい。
今なら100kmマラソンで許してあげます。もちろん甲冑フル装備だがな!
我が物顔で歩く近藤
もみあげは井伊谷城で踏ん反り返っていました。
井伊を再興させようと奮闘していた政次を追いやり、井伊谷城を手に入れた近藤康用(もみあげ)。
井伊を乗っ取った奸臣、というのが史実の小野政次。
でも今回のドラマでは、もみあげの行動こそ、井伊の乗っ取りでした。
和尚様の何ともやり切れない顔が切ない。
「どうかされましたか?」と聞かれて、「どうかされましたか、じゃねーよテメェ……」と怒らず、「かたじけのうございます」と返すあたりが大人です。
策を考え続ける直虎
政次を待ちながら碁を使って策を考え続ける直虎。
「政次が来るまでに策を考えねば」
彼女の中では、まだ徳川が井伊に入っていないことになっています。
近藤が何かを企んでる、という情報を得たことになっており、政次と一緒にその対策をしようとしているようでした。
政次を失ったことで、彼女の中で何かが壊れたようです。完全に病んでる……。
自分の半身とも言える存在がいなくなってしまったのです。無理もありません。
川名でも報告を
政次の最期を伝える直之。
自分の子供のように大事に思って来た祐椿尼(直虎の母)。
彼女にとっても、政次がいなくなってしまったことは深く悲しいことです。なつは、「直虎様の手で最期を迎えたことは、あの方にとって本望だった」と。
結婚の約束をしたなつだって悲しいはずなのに、政次の気持ちを思いやっているのは素敵でした。
瀬戸方久の献上
何食わぬ顔で家康の本陣にいる近藤の後ろから、常慶がやって来ました。
井伊と徳川の内通を助けてくれた人ですね。彼は、戦のための物資を大量に運び込んだ瀬戸方久を家康に引き合わせてくれました。
井伊の中心部が徳川と結んでいる以上、その家臣である方久も徳川と結ぼうとするのは自然なことです。
龍雲丸は見守ることに
政次を待ち続ける病んだ直虎:病み虎を見た龍雲丸は、彼女を見守る考えのようでした。
政次を失ったという辛い現実を突きつけるよりは、まだ生きていると信じながら過ごす方が幸せかもしれない、と和尚様に告げます。
周りから見たら哀れだけど、本人の気持ちが大事、というのが龍雲丸の考えのようでした。直虎に必要なのは、気持ちの整理をつける時間かもしれません。
気賀の動きも心配
井伊だけではなく、気賀の動きも怪しくなって来ました。
井伊にとっては政次の最期が大インパクトですが、まだ今川を巡る戦いは終わっていないのです。中村屋をはじめとする商人たちは徳川と手を組むことを決意。
それを聞いた龍雲丸は、龍雲党のみんなに、いつでも気賀を出れる準備をするように言いました。
「尼小僧様はどうでしたか」と聞かれた龍雲丸が言っていた「アマになっていた」というのは、尼と女(アマ)のダブルミーニングでしょうか。
尼の格好をしているが、ひとりの女性として、政次がいなくなったことを悲しんでいた、と。
共に迷って寄り添う
真実を告げようとする昊天さんに対し、和尚様は共に迷いながら、ちょっとずつ導いていくことを決意。一緒に囲碁を打ちながら、「政次が来るまで策を考えよう」と優しく寄り添います。
辛い時に急激な変化を与えてしまっては、取り返しのつかないことになってしまうかも。それを危惧した和尚様は、ゆっくり、ゆっくりと寄り添うのでした。
ふとした物音が政次の来訪だと感じた直虎は、井戸まで駆け出します。そこへ鈴木重時がやって来ました。前回、暴走する近藤を見て、何か言いたそうにしていた人です。
政次の辞世の歌だと告げますが、真実を突きつけたくない和尚様はそれを隠そうとします。ですが、直虎はさらにそれを奪い取り、「もう、おらんのじゃな……但馬は」と政次がいなくなったことを思い出しました。
このあと、寺で祈りを捧げ、頭を下げる鈴木重時に対し、「但馬を生き返す術を教えてくれ」と言った和尚様がまた悲しかったです。
良い歌ではないですか
政次の遺した歌を見て、そう呟く昊天さん。「鶴らしい」と傑山さんも呟きます。
「白黒を つけむと君を ひとり待つ 天たふ日そ 楽しからすや」
政次が直虎と囲碁をしていたことから、その時間をゆっくりと待つのも、きっと楽しいだろう、くらいの意味に思っていました。
今回昊天さんの解釈では、「あの世でゆっくりと待つから、心配するな」と。確かに、「あの世で待ってる」的な解釈がしっくり来ます。
ゆっくりと待つのが楽しい、ということは、「すぐにこっちに来るんじゃないぞ」という政次からのメッセージでもありますね。
この歌は政次役の高橋一生さん自らが筆で書いたそうです。
NHKの公式ページで特集が組まれているので、ぜひご覧あれ。
「ひとり待つ」とは言いつつも、多分あの世で直親と反省会しながら待っているんでしょうね。「亀、お前川名での無茶振りはマジでひどかったわ」「いや、鶴だって寿桂尼の圧力に屈して助けてくれなかったじゃねーか」みたいな。
「まぁでも山道で斃れた亀と違って、事切れるその瞬間までおとわが一番近くにいたけどね」「よしその喧嘩買った」的な。仲良くじゃれあってそう。
奮闘する大沢
家臣21人が武田に寝返るという見事な梯子外しを食らった今川氏真でしたが、大沢基胤は違いました。要所となる浜名湖周辺で、徳川を撃退すべく、奮闘していたのでした。徳川と通じていることがばれ、方久のいる堀川城にも攻め入って来ました。
方久はホームアローン的なトラップでなんとか逃亡。その代わり、城にいた人々が今川の人質となってしまいました。
徳川を動かす中村屋は有能
今川に船を奪われた徳川でしたが、船を持ち込んで来たのが中村屋。文字通り渡りに船。
気賀の人々を助けるために、中村屋の船と方久の情報で家康が指示を出します。ところが、指揮系統の間に入っている酒井忠次が余計なことをします。
堀江城にいる人間を全員見せしめのために討ち取れ、と指示を出してしまいました。このドラマの酒井忠次、メガテンでいうLaw-Darkな感じの思想。
「徳川のため」という大義はありますが、その手段が非道、みたいな。前回、直虎の談判をはねのけた時もそんな感じでした。
この家康がなで斬りなんてするのか……?
なんて思ってましたが、犯人は酒井忠次でした。
気賀の民救出作戦
龍雲丸たちは、中村屋たちとは別の方法で気賀の人々を救おうとします。隠し港の船に気賀の民を乗せ、大沢の家臣に占拠された堀川城を脱出します。
脱出のために使われたのが隠し港。設計したのはもちろん龍雲丸でした。
港から出ようとした力也、ゴクウでしたが、助けに来たはずの徳川軍から攻撃を受けてしまいます。ゴクウがやられたのは結構ショックでした。
次々と斃れていく龍雲党の人々や気賀の民。中村屋と一緒に逃げていれば、龍雲丸は助かったかもしれません。
でも、それじゃ仲間は救えないのです。
この考えは、前回政次が牢の中で語ったことと似ていますね。
政次が逃げたら、井伊の民に危害が及ぶかもしれない、という考えに通じるものがあります。
救援を期待できない堀川城で、なんとか敵を斬り伏せていく龍雲丸。斃れている中にはモグラの姿も。
なんとか逃げて来たカジを救出したものの、何者かに後ろから刺されます。後ろを振り返れば、なんとそこにいたのは直虎……?
なんだ夢か
ではなかったようです。夢でよかった。
と言っても、龍雲丸を刺したのが直虎でないだけで、あの惨状そのものが夢オチ、という訳ではないことでしょう。
堀川城は一体どうなったのでしょうか。
まとめ
政次が去って、直虎はまだその現実を認められないでいました。そこに、井伊にとって更に困難な状況がやって来ます。
徳川と結ぼうとした気賀に、今川の兵がやって来ました。気賀の民を救うために奮闘した龍雲丸でしたが、その運命は。
おまけ
サブタイトルの元ネタ集作りました。
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