麒麟がくる第二十三回感想「義輝、夏の終わりに」もう少し早く会いたかった!
とどでございます。
義輝様の「もっと早く会いたかった!」というのは本当に悔しさが滲み出ている感じがしました。
正直、今回義輝様の最期の輝きの回かと思っていましたが、来週まで持ち越されました。どちらかというと前回見出した希望が尽く打ち砕かれ、義輝様が覚悟を決めていく様子を丁寧に描いた回でしたね。
光秀自身も「家族と一緒にゆっくりと過ごしているのが幸せなのでは……?」と思い始めるまでになりました。ただ、この点は煕子殿が「それは嬉しいことです。しかし、今この時も戦が行われています。子供たちが大きくなった時、戦がない世になっていることこそ理想です」と励ましました。煕子殿強いですね。
秀吉と光秀の対面
光秀が秀吉と会うのは今回が初ですかね。この二人がこれから切磋琢磨して天下を目指していくことになります。
普通に信長のところにいるのはシュールですね。なんか出会いのドラマとかあるかと思いましたが、光秀からしたら知らない世界の話だからこのドラマでは特に描かれないか。
その信長は美濃を攻めるのに忙しくてろくに話を聞いてくれませんでした。光秀はまだ家臣ではないですし、一緒に戦ったわけでもないので忙しい中で会ってくれただけでも御の字かもしれません。
駒さんの丸薬
駒さんが作った正露丸……じゃなくて丸薬は大和で人気だそうで、お寺や神社からたくさんの発注がありました。7貫分の丸薬ということで、1貫で約12万円とすると約84万円。当面の生活費と考えれば喉から手が出るほど欲しいですね。
前回は副作用のことを考えて医者として丸薬の提供を止めていた東庵先生でしたが、今回は自分の生活がかかっているからか、丸薬作りにオッケーを出してくれました。盗賊に入られて一切合切持っていかれてしまったのですから、プライドにこだわってもいられません。
医者としての軸が知恵の輪のようにぐるぐるとぶれてしまっていますね(暴言)
松永久秀とも再会
光秀は松永久秀とも再会しました。松永自身は「命までは取らない。ただ京から出て将軍を変わっていただく」というスタンスのようです。
義輝のために、と考えている光秀にとっては受け入れがたいことでしたが、求心力のない人間がトップにいては分裂待ったなしですから松永の言うことも戦国時代的には一理あります。
特に「俺が! 俺が!」とまるで雛壇の若手芸人のように前のめりになっている武家の人々を見れば、誰も守ってくれない将軍はいいカモです。そう考えると松永のように「京から離れてもらう」というのは、ある意味では義輝の命を守ることにもつながるかもしれません。
このシーンで衝撃的だったのは、松永と考えを同じくした細川藤孝が出てきたことでした。義輝の側で頑張っていた藤孝でしたが、ついに「もうあかん」と声を挙げたようです。
そういえば覚慶さんのところにもいましたし、世代交代を望んでいたのが伝わってきます。
理想に押しつぶされた義輝
「麒麟がくる国にする」という理想を胸に頑張ってきた義輝でしたが、家臣の三好長慶に京での実権を奪われて、理想を実現するための舞台に立てない状態が続きました。
今回光秀を呼んだ時も、「もっと早く会いたかった。遅かった!」と悔しさをあらわにしました。「麒麟がくる国にする」という同じ夢を追いかけている二人ですから、もっと早くに会っていれば義輝ももう少し頑張れたかもしれません。
でも三好長慶に目をつけられて、もっと早く危ない目に遭っていたかも……。
今回の義輝様が「夏の終わり」を感じているシーンは名シーンでした。儚い背景と共に、気持ちの整理をつけている感じから無念さが伝わってきます。
家族もいいな
義輝から言われて光秀は越前に帰ることになりました。家に帰ってきた光秀は、元気に遊んでいる家族の姿を見て、「麒麟がくる国にする野望を持っていたけど、家族と静かに暮らすのも悪くないかな」なんて思い始めたようです。
生まれたばかりの玉(ガラシャ)が大きくなった姿を見るに、(今の感覚からすると)結構長いこと離れていたことがわかります。子供の成長を側で見守ることができるように近くにいるのもいいなーと思うのは共感できます。
ただ、煕子殿は「それは嬉しいことです。しかし、今この時も戦が行われています。子供たちが大きくなった時、戦がない世になっていることこそ理想です」と励ましました。光秀が離れていて寂しい気持ちもあったでしょうに、こうして夢を応援し、時にケツを叩いて奮わせることができる煕子殿は強いですね。
まとめ
正直にいうと、今回義輝様の最期の大立ち回りだと思っていましたが、次回になりそうです。理想を持っているだけでは生き延びることができない戦国時代の荒々しさを感じる回でした。
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