いだてん45話感想「火の鳥」裏組織委員会って漫画みたいな展開
とどでございます。
事務総長の辞任に追い込まれたまーちゃんでしたが、まーちゃんの家で裏組織委員会なんていう会合が開かれました。
組織委員会のトップ側の人間が集まっているのでほぼそのまま、リラックスした状態で話し合うから活発に意見が出るまであるかも。
駅伝のように想いをつないでいくことを強調したシーンが多く、「今年も終わりが近づいてきたんだな」と実感する回でした。
今回のサブタイトル
今回のサブタイトルは『火の鳥』。手塚治虫の有名な作品です。炎上したまーちゃんが灰の中から復活するからでしょうか。
火の鳥は自分を焼いてから若返って復活するので、まーちゃんの志を継いだ岩ちんが新しいまーちゃんとして東京オリンピックを盛り上げる感じかな。
と思っていたら聖火リレーのコース説明でPRが終わったところで「日本全国を、足の踏み場もないくらいに走り倒すじゃんね!」とまーちゃんの口癖が出ました。
口癖の真似は結構出てきていて、嘉納先生の口癖が出てくるまーちゃん、四三さんの口癖が出てくるまーちゃん、といったようにその人がいるかのような感覚があります。駅伝みたいに想いのタスキをつないでいくような感じ。
まーちゃんの家で会議
嘉納先生から受け継がれたストップウォッチが岩ちんに受け継がれました。「もうオリンピックに関わるのをやめて静かに暮らす」なんて言ってたまーちゃんでしたが、仲間たちが家に集まって裏組織委員会を開催。意思決定を行う人たちが集まっているので実質組織委員会です。
前回の暗い雰囲気から一転、おっさんたちがワイワイ騒ぎながら話し合う様子は、まるで文化祭の準備を進めるかのような楽しい雰囲気でした。
ポスターを担当している亀倉さんも普通にまーちゃんちに来てるし、黒澤明はまーちゃんがいないから記録映画の監督をやめちゃったし、まーちゃんは敵も多いけど仲間も多いタイプですね。
辞めた後だけど、大松監督のところに通って監督を続けるように説得したりと、オリンピックのために駆け回るのはあまり変わっていませんね。「オリンピックは俺の全て」と言っていた通り、オリンピックに人生懸けてます。
金栗四三がオーディションに
東京オリンピックのコンパニオンのオーディションにまさかの金栗四三が参加しました。どうやら聖火リレーのランナーに立候補してきたようです。聖火リレーの方は公募していなかったので、四三さんは田畑さんにと自分が走ったルートを書いた地図を渡しました。
岩ちんは目の前にいた四三さんをおじいちゃん扱いしていましたが、それもやむなしです。元オリンピック選手が目の前にいるなんて思わないですもんね。
この地図を受け取ったまーちゃんは聖火リレーのルートを思い付くのですが、前半の主人公が人生をかけて行ったことが次の主人公のヒントに繋がる構図がとても良かったです。想いが受け継がれていく感じがいいですね。
地図の上で寝っ転がるシーンも重ねてくるのがずるいです。
結局まーちゃんは金栗四三を聖火ランナーの最終走者にする考えはなく、これからの時代を担う若者に託すつもりのようでしたが、聖火ランナーのコースを金栗四三の足跡にすることで、日本で初めてのオリンピック出場者である金栗四三と一緒に走っているように感じられるかもしれません。
一人でも選手がいるなら参加国
オリンピックの参加国をローマの時よりも増やしたいと考えている岩ちん。
当時独立運動が各地で起こり、アフリカの国がどんどん参加に名乗りを上げていきます。招待状を送って、オリンピックの説明をして……と大忙しの岩ちんでした。
「一人でも選手がいれば参加国」とまーちゃんが言っていたのがグッと来ます。ストックホルムオリンピックの時に参加した選手は金栗四三と三島弥彦の二人でしたから、その状況が思い出されます。
「二人だと心細かったんですかね」「いや、楽しかったと思うよ」という会話が良かったです。
嘉納先生が「平和の祭典」と言って日本でオリンピックを広めていた姿だったり、四三さんが走った足跡の地図で寝転んだりと、過去のシーンと重なる部分が多くて「今年も終わりだなぁ」と感じます。集大成感がありますね。
いつの間にか三島弥彦のwikiが充実
いだてんでストックホルムオリンピックを放送していた頃に三島弥彦のwikipediaを眺めていたりしたのですが、当時はあまり情報がなくてオリンピック後に横浜正金銀行に就職した、イギリス支店に行ってアントワープ前に金栗四三と会った、くらいであまり情報がありませんでした。
それがいつの間にやら情報が充実していて、なんと体協で総務理事とか評議員をやったとかなんとか。ベルリンオリンピックの最終選考会では審判長を務めるなど、ガッツリオリンピックに関わってました。
都知事の東さんとも仲が良かったなんて話もあり、Wikipediaの参考文献である『日本初のオリンピック代表選手 三島弥彦 伝記と資料』がもっと早く刊行されていたらいだてんのストーリーも変わっていたのかもしれません。(この本は2019年刊行)
これなら多分まーちゃんとも関わっていたんだろうなと思います。
三島弥彦は1954年に病に斃れたので今放送中の時間軸だと登場はしませんが、ロサンゼルスオリンピックの頃であればまーちゃんと喜びを分かち合っていたのかも。
五りんそんなとこにおったんかワレェ!
落語二人会の開催日に突如姿を消した五りん。
「志ん生の富久は絶品」の言葉から志ん生に弟子入りし、父親の最期を志ん生から聞いて、さぁこれから落語家として頑張るのかな? なんて時にこの有様です。
その五りんはなんと三波春夫に弟子入りを打診していました。三波春夫も満州にいたようで、お得意の「父が満州で……」のエピソードで見事弟子入りを果たしたようです。
来年はオリンピックだ、なんて年の瀬にまさかの紅白出場を果たしていました。これには志ん生も苦笑い。
予告だと「いだてんになります」なんて言葉があったので、聖火リレーに出ようとしているのでしょうか。
志ん生の満州話を振り返ると、五りんの父である小松くんは「息子がオリンピックで走る姿を見たかった」と語っていましたし、ある意味では父親の想いを体現していると思わなくもない可能性がなきにしもあらず。
まとめ
オリンピック組織委員会の事務総長を退任したまーちゃんは、立場は変わってもオリンピックにかける情熱は変わりませんでした。楽しそうにオリンピックの準備をしている姿を見ると安心します。
次回のサブタイトルは『炎のランナー』。1981年に公開されたイギリス映画で、題材は陸上の短距離、パリオリンピックの頃の話です。タイトルがもう聖火リレーっぽくていいですね。
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