西郷どん第43話「さらば、東京」かつての仲間に別れの挨拶を
とどでございもす。
政治的な対立から、参議を辞職することになった西郷さん。
東京を去る西郷さんはみんなに別れの挨拶をして鹿児島に戻って行きました。
町人といい感じの仲になった熊吉でしたが、東京に残らず吉之助に付いていくのがまたいいですね。熊吉は武士ではないけど忠義の人です。
それにしても、東京から故郷に帰る、ってなると夢破れた感があって情緒を感じます。
前回のあらすじ
岩倉使節団が旅立ってから1年ほどが経ちました。
当初は10ヶ月程度で帰ってくるはずが、なんとズルズルと伸びているみたい。
その間、「新しいことを始めるな」と釘を刺されていた西郷さんはじめ留守政府でしたが、流石に何も改革を行わないまま民を放置する訳にもいかず、新たな政策を打ち出しました。
しかし、帰ってきた一蔵どんには「なぜ約束を破った」と怒られました。
一蔵どんはドイツのビスマルクに心酔し、彼からのアドバイスで日本を強い国へと導こうと目指します。
そのために江藤新平をはじめとする参議の面々を追い出そうと目論むものの、西郷さんに「それは引くわーお前らが外国で遊んでいる間に政府を守ったのにないわー」とドン引きされました。
西郷さんとなんだかうまくいかない感じになった一蔵どんは、参議に復活した後、西郷さんに牙を剥き始めました。
今回はこんな話
今回のハイライトはこちら。
- 大久保一蔵、議会で西郷と対立
- 三条実美、板挟みの心労でバタンキュー
- 岩倉具視が土壇場で閣議決定をひっくり返して意見を奏上、西郷さんの李氏朝鮮派遣は取りやめに
- これに失望した西郷さんは参議を辞職
- 木戸孝允も引退しようとしたけど、西郷さんの意志を継いで残ることに
- 留守政府の江藤新平、後藤象二郎、板垣退助も辞職しちゃった
- 西郷さんと大久保一蔵、最期の会話
今回も気になる所を中心に。
西郷と大久保の対立
「あんなに仲の良かった二人が対立するなんて」
と周りの人が言っていた……かどうかは定かではありませんが、李氏朝鮮への西郷派遣(征韓論)を巡って西郷と大久保は対立しました。
西郷さん一人で、しかも武器も持たずに行くと言うのですから、それは止めるでしょうね。
居留民を助けるためというのは確かにその通りだけど、西郷さんがやられたら薩摩が大勢を占めていた近衛兵は多分攻めに行っちゃってただろうし、止めるのも分からなくないです。
それでも居留民を第一に考える西郷さんにとっては、居ても立っても居られない状況なんでしょう。
直接的に国の民を助けたい西郷さんと、鉄道や工業を発展させて間接的に国の民のためになる政策を実施したい大久保一蔵とではスタンスが違っていました。
居留民はどのくらい危険だったか
西郷さんが気にしていたのは李氏朝鮮にいる日本人の居留民がどれだけ危険だったか。
2000人ほどの日本人が朝鮮にいたようですが、この時の李氏朝鮮は割と強気な鎖国政策を行なっていました。
特に当時は国王の父である大院君が「日本人と関わったら処罰するわ(マイルドに意訳)」と布告。商売しに行っているのに、商売してもらえない状況に陥ったようです。
こんな敵対的な布告をされて、居留民の安全を確保するのは難しい……ので、なんとかして居留民を引き上げたいのが西郷さんの心情。
ただ軍を率いて行けば人質にされる恐れもありますし、まずは交渉からとしたかったようです。
が、日本から送った国書の受け取りをことごとく拒否した相手が、すんなり交渉に応じてくれるかは怪しいですし、大使の安全だって保障できません。痛し痒し。
政治的な対立とは言うものの、大久保の言うことも別に間違ってないのがまた悲し。
心労で倒れる三条実美
岩倉使節団が帰って来る前に議会で決まっていた西郷派遣。
それを大久保が反対して大荒れしました。
大久保は「意見が通らないなら辞める」とまで言う始末。
議会をひっくり返すか、大久保を辞めさせるかの二択を迫られた三条実美は、心労がたたって倒れてしまいました。
こういう板挟みの立場は辛いですね。どの時代でも、組織がある以上こうした胃痛枠の人がいるのは仕方のないことです。
ドラマだと岩倉具視が西郷派遣延期を奏上した結果として、西郷さんが辞めることとなりましたが、史実だと西郷さんも三条実美に「ひっくり返すなら辞める」と言っていたみたい。
西郷をはじめとする留守政府の面々を残すか、大久保をはじめとする中枢勢力を残すか。
こんなの決めろって言われるの嫌だわぁ。
ひっくり返した岩倉
三条実美が倒れたことで、太政大臣代理となった岩倉具視。
大久保を失いたくない岩倉具視は、「下手すれば西郷を失うことになりますよ」と自分の意見も奏上しました。
結果として明治天皇が決定したのは西郷派遣の延期。
岩倉具視は議会の決定を無視……いえ、議会で決まっていない意見も付け加えて奏上したのでした。
こんなんやられたら「俺らいる意味ないやんけ!」と西郷さんが失望してもやむなし。
木戸孝允と面会
辞職した西郷さんの元に木戸孝允がやってきました。
長州藩出身の井上馨、山縣有朋が汚職で辞職したことをうけ、同じ長州藩の木戸孝允も辞職するつもりであることを西郷さんに伝えました。
その西郷さんからは、「ふんばってこの国を引っ張ってくれ」と励まされました。
堅い握手は薩長同盟の頃を思い出しますね。
今回は子供達にどんな人か聞かれるなどほんわかしたシーンもありました。子供の前で笑った木戸孝允を見て「おはんの笑った顔、初めて見たかもしれん」と西郷さんもにっこり。
確かにずっとしかめっ面をしてたような気が……。
最後に正助どんと
東京から鹿児島に帰る直前に、西郷さんは大久保を訪ねました。
直接だと取り次いでもらえないから、大久保の子供との面会として取り次いでもらうファインプレー。
これには大久保も逃げられず、二人は話をすることとなりました。
吉之助が「俺たちの喧嘩だけなら人を巻き込むことはなかった」と訴えている間も、大久保は目を逸らしていたのが辛い。まぁ合わせられないよなぁ。
「正助どんならやってくれる」と昔の呼び方になっているのも悲しいですね。昔を振り返ってまとめに入るのは終わりを感じさせます。
最後に何か言おうとした正助どんでしたが、おゆうさんのカットインで防がれてしまいました。ここ、何を言おうとしたんでしょうね。
ナレーションで「これが最後になるとは」なんて言われちゃったし。
まとめ
岩倉具視が議会軽視で自分の意見を明治天皇に奏上したことで、西郷さんをはじめとした留守政府の面々が相次いで辞職。
西郷さんは鹿児島に帰って田んぼを耕して暮らすなんて言ってましたが、予告だと不穏な空気が流れていました。
どうなる次回。
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