西郷どん第22話「偉大な兄 地ごろな弟」兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!!

2020年2月10日

兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!!

とどでございます。

愛加那さんを奄美に置いて、西郷さんは薩摩に戻りました。

西郷さんが薩摩に居ない間、色々あったようで、弟の信吾がなんだかチャラい感じになっちょりもす。

久光は久光で、国父として権力を振りまいていますし、なんだか斉興のこと言えないなーという感じ。あなたは斉彬様の何を見ていたのかと。

サブタイトルの偉大な兄と地ごろな弟、というのは西郷兄弟と、島津斉彬様と久光兄弟のダブルミーニングでした。

これだけ兄が優遇されている大河ドラマだとジャギ様が喜びそう。

前回のあらすじ

西郷さんが奄美大島に身を隠してから2年が経ち、島で出会った愛加那さんと結婚して子供も生まれました。

菊次郎と名付けられた長男がいることで、西郷さんはもう奄美大島に骨を埋める気で居ました。

しかし、薩摩で出世を果たした大久保正助改め大久保一蔵は、井伊直弼が居なくなった後の世に西郷さんの力が必要だと考え、なんとか薩摩に戻るよう伝えます。

最初は薩摩に帰る気は無い、と言っていた西郷さんでしたが、愛加那さんは西郷さんの心が薩摩に向いてしまっていることに気付いてしまいました。

2人目の子供がお腹にいましたが、愛加那さんは西郷さんを送り出すことを決意。

島の人々は西郷さんとの別れを惜しみつつも、唄で送り出したのでした。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 西郷さん、薩摩に帰るも久光に喧嘩を売る
  • 久光は兵を立ち上げ、西郷をつゆ払いとして下関に送る
  • 下関では、弟の信吾が金を持ち逃げして京都に逃げたと聞く
  • 信吾を追って京に入った西郷さん、信吾に辿り着くも逃す
  • 信吾が身を寄せている脱藩した有馬新七を西郷さんが命を賭けて説得
  • 勝手に下関を離れた西郷さんに久光激怒、「切腹させろ!」と叫んでイカ、次回

今回も気になる所を中心に。

浦島感覚

トータルで奄美大島に3年いた西郷さんは、名前を変えて『大島三右衛門』と名乗り始めました。

死んだはずの西郷さんが生きてたとなれば、江戸幕府の追っ手が差し向けられますもんね。

大島に三年いたから大島三右衛門。分かりやすく偽名です。

当時の武士はコロコロと名前を変えていたので、現代からすると誰が誰やらとなってしまいがち。

それは多分当時も同じで、昔からの知り合いならなおのこと。京でお虎さんが「西郷さん!」と叫んでしまってもしょうがないのです。

久光に喧嘩を売る西郷さん

奄美大島からの帰還命令を出したのは他でも無い島津久光でしたが、その久光に喧嘩を売る西郷さんはブレない感じ。

京で兵を挙げて幕府に対抗するぞ! と意気込む久光に対し、「薩摩から出たことのない田舎侍が何をたわけたことを。日本がどうなっているのか見て回ってから言え」と、ドストレートに喧嘩を売りました。

西郷さんからすると、心酔していた斉彬様と対立していた勢力である斉興派の人間というイメージが離れなかったのかも。

あとは奄美大島で生きていこうとしたのに呼び戻しやがって、と恨み節もあったのかもしれません。

他の藩から認められていた斉彬様とは違い、久光はあくまで藩主ではなく藩主の父。『国父』も自分で名乗っているだけですから、久光が兵を挙げたところでついてくる藩もいないだろう、とドライな考えもあったのかな。

こうやって考えると、西郷さんから見た久光って、国の行く末を預けるのには心許ない感じ。なまじ斉彬様の近くでデカいスケールの話に携わったことから、西郷さんは「まずは地盤を固めろ」と言いたかったのかも(精一杯の擁護)

久光有能説を推したい

あくまでドラマ『西郷どん』の中では久光はこんな描かれ方ですが、もし『大久保どん』があったら、久光はこのお話の斉彬様のポジションにいたはず。

斉彬様自身も、薩摩藩主時代に久光を信頼していたみたいですし。

蘭学に通じていた斉彬様に対して、国学に通じていた久光も勉強熱心だったようです。

決して暗愚なリーダーではなかったはず。

若干ネタバレになるけど、久光自身は公武合体運動を提げて江戸に上ろうとしているので、闇雲に挙兵したわけでもありません。

彼自身の考えもあり、かつ斉彬様が果たせなかった上洛を実行に移すのは見事。

このドラマは西郷さんから見て良いかどうかが主眼なので、多分久光すごいぜ! 的な描き方はされないと思うけど、彼の実績については無下に扱わないで欲しいなーと思います。

急進派の暴走

幕府倒しちゃおうぜ派が有馬新七。西郷さんも誘って脱藩しようとしてました。

久光からすれば、幕府と朝廷とでバランスを取ることで、諸藩の発言力を高めたい狙いがあったため、勝手に幕府を無くされては計画が台無し。

だからこそ、「事を急ぐな」と釘をさしていました。

ところが有馬新七は仲間を連れて脱藩。「倒幕の狼煙をあげるぜ!」と息巻いています。

幕府で井伊直弼の独断専行があったせいか、腐った幕府というイメージが各地で広がっちゃったのかな。

江戸幕府が成立して250年も経ってますから、停滞的な世の中に嫌気がさしたのかも。

とにかく倒せばOK! の精神で暴走するもんだから、そりゃ久光も「あいつらふざけんな」と怒ります。これが多分来週のサブタイにある寺田屋事件に繋がるっぽい。

「倒した後はどうするの?」という点は西郷さんも今回の中で指摘していました。幕府を倒すのは良いとして、その後どうやって国を動かすのかビジョンがないなら今はまだ待てと。「おいに命を預けてくいやい」というのは多分そんな感じ。

西郷どんと呼んでくいやい

お前がその名前出すんかい!

とツッコミを入れたくなるのは西郷さんの弟である信吾(のちの従道)。

信吾の役を同じグループの錦戸くんが演じるというのもシュール。あっちは信五だから微妙に字が違うけどね。

彼は島に流されている間に伝説となった西郷吉之助の名前を借りて、京で好き放題遊んでいたみたい。

「日本を変えてやる!!」と決死の覚悟で京にきたのか、有馬に乗せられてついてきちゃったのか、とにかくお金をばら撒きながら遊んでいました。

それを吉之助が咎めましたが、ヒー様に会うためとはいえ品川宿に入り浸っていたのを忘れてはいけませんぜ、旦那。

信吾のように女の人に入れあげてたわけではないけど、周りから見たらどちらも「お盛んなのね、オホホ」と言われる感じ。

兄であり父でもある

最後のシーンにも通じるけど、吉之助は信吾にとって兄でありながら父親替わりでもあった感じよね。

最後に「俺がいない間、ようきばってくれたな」と頑張りを認める姿が、単身赴任で働いていた父親っぽかったです。

このセリフで泣いていたのを見ると、信吾は誰かに認めてもらいたかったから、有馬についていったのかも。熱に浮かされて命を賭けることで、周りから認めてもらうことを望んでいたり。

兄の名前を借りて京で遊んでいたのも、誰かに認めて欲しかったから。

吉之助はそんな信吾が道を踏み外さないように体当たりで止めていたのかも。

まとめ

西郷さんが奄美大島にいる間、幕府は弱体化し、倒幕の気運も高まっていました。

斉彬様と国父の久光、島にいる間に名前が大きくなった吉之助とその名前に押しつぶされそうになった弟の信吾。

立場は違えど、各兄弟の弟は兄の名前に負けないようにもがいていました。