直虎29話「女たちの挽歌」さらば寿桂尼! 強き女たちの戦国時代
とどでございます。
今回のサブタイトルの元ネタは「男たちの挽歌」で香港映画です。
元ネタは香港マフィアのドンパチがメインですが、こっちもお家(ファミリー)同士のドンパチだと考えれば通ずるものがあります。
さて、今回は強くなったしのにスポットライトが当たりました。
徳川との内通の証として、しのを人質として送る羽目になった直虎。
それを知った虎松は、しのを嫁がせないための策を考え直虎に直訴しますが、結果としてしのは嫁ぐことに。
しのだって嫁ぎたくないでしょうが、「井伊のために」どうやったらお家が存続できるのかを考えた訳です。
「赤ちゃんはまだか」で暴れまわっていたのが懐かしい。
家康に手紙が届きました
直虎から、「上杉と組んで今川攻めを防いでね」って手紙が届きました。
家康本人は「それもアリかも」くらいに思っていそうでしたが、いかんせんタイミングが悪かったです。
実はこれと同時期に武田からも打診が来ていたのでした。
武田の使者としてやってきたのは山県昌景(やまがたまさかげ)。のちに武田四天王のひとりとして数えられています。
この時代、「四天王」とか「十二神将」とか、仏教的な神様ワードにあやかることがほんとに多いですね。
ちなみにこの人の部隊は赤い武具で固めていたので、「赤備え」として恐れられていたそうです。
井伊直政、真田幸村も「赤備え」にしていたのは、この人がめちゃくちゃ強かったからそれにあやかって、という話もあります。
さて、そんな山県氏が交渉に来たということは、武田と織田はこの時点では同盟を組んでいたので、徳川にとっては受けざるを得ないんですよね。
織田さんちのノブ君を暴れさせたら手が付けられないし。
さよなら寿桂尼
前回奇跡の復活を遂げた寿桂尼でしたが、ついにその寿命が尽きました。
「おんな戦国大名」だなんて呼ばれた偉大な人でしたね。
武田信玄を幼名で呼んでいたように、近隣の大名たちとも関わりがあったこともあり、見送るシーンでは多くの人が手を合わせていました。
夫や息子に先立たれ、戦が起きてしまった場合には、孫である氏真にまで先立たれかねない危険な状況でしたから、前回の緻密な、そして冷酷なまでの根回しにも納得感があります。
覚醒した氏真を最期に見て逝けただけでも、幸せだったのかもしれません。
それが井伊にとって良いことかどうかは別ですが。
最期のトラップが……
死してなお、井伊にとって危険なトラップを仕掛けていった寿桂尼。
一度書かれたら、所有者がどうなろうと内容を変えられないデスノートに、何かを書いていたようです。
23日まで状況を書けるので、まだまだ油断できません。
「井伊の件はどうしますか」と尋ねる関口殿に対し、氏真は「進めよ」と答えます。
腑抜けた氏真だったらいざ知らず、覚醒氏真は容赦しません。
瀬戸方久に篭絡されている関口殿は、このあとどう振る舞うのでしょうか。
常慶の要求
徳川とのスパイ的存在である松下常慶ですが、今回は井伊にとっては耳の痛い話を持ってきました。
徳川に「上杉と組め」と提案したものの、武田からの使者によりそれは却下されました。
そして、この提案は今川方の立場から出されたもの、という点が問題となったのです。
武田と組もうとしている徳川にとって、井伊は攻めないといけない場所になってしまいました。
そこで、徳川に寝返る気なら人質をよこせ、と常慶が要求してきました。
確かに何の担保もなく井伊を信じる、だなんて大きなリスクを取りたくないですからね。
でもその人質として指名されたのは、虎松の生母であるしの。井伊にとっては中々きつい要求でした。
しのに告げると
直虎が縁談の話を持ち掛けたその瞬間は文句を言ったものの、すぐに次の行動を考え始めたしの。
もはや、8話でキーキー言っていた頃の面影はありません。あんたもせいちょうしたもんだ。
とはいえ、すんなり嫁入りする訳ではなく、虎松に成長の機会まで準備していきました。母は強し。
虎松の修行
しのから「母は嫁ぎたくない」と聞かされた虎松。
直虎に食って掛かります。挙句の果てには、「お前が嫁げよ(意訳)」と全力でケンカを売っていくスタイル。強い。
和尚様が「因果、因果」と笑っていましたが、虎松が「正解はひとつじゃない」「それを考えつかぬ殿はアホウじゃ!」と言っていたのは、その昔おとわ様が言っていた言葉でした。
大人になってから子供の頃の自分の発言を振り返ると、なんと不遜であったか。そんな恥じ入る気持ちと共に、しがらみに囚われず発言することへのうらやましさを感じているようでした。
商人から捉えた戦
堀川城の城代となった瀬戸方久は「戦は書き入れ時」とはしゃいでいます。
戦を回避しようとした直虎にとってはあまり喜んでいられない状況ですが、商人の視点だと物が売れていく状態。
後で常慶と話す時に語ったように、直虎は民に命の危険が及ばないことを是としているので、スタンスの違いが見られます。
直虎はメガテン的にはニュートラルっぽいので決定的な決別とかはなさそうですけど。
何としても今川を攻めたい武田
飲めない条件を突きつけて戦に持ち込む、というのはデスノートならぬハルノートで見た形式ですが、戦国時代からやられていたようです。
「今川の領地をくれたら、上杉と同盟組んだことは許してやってもいいよ」だなんて笑いながらつきつける山県氏。
今川が挑発に乗ってくれたらしめたもの。そしてあっさり乗ってしまう今川勢。
氏真との会合から帰る山県氏の悪い笑顔が素敵でした。計画通り。
虎松の養母へ
直虎は虎松の養母になりました。
父を失い、母も遠くに行ってしまった虎松にとって、幼い頃から一緒にいた直虎は精神的な支えになることでしょう。
30年後、関ケ原で暴れまわるまでにどのような成長を遂げるのか楽しみです。
まとめ
成長したしのは強い人になっていました。自分が人質になってしまうことも、井伊のために有効に使えと告げる姿は見事。
そしてかつての自分の言葉が虎松を通して帰って来た直虎は寂しそうな顔をしていました。以前、「もうあの頃のおとわはいない」と寂しがっていた和尚と通ずるものがあります。
おまけ
サブタイトルの元ネタ集作りました。
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