麒麟がくる第三十四回感想「焼討ちの代償」信長と義昭のスタンスの違いがあらわに

2020年11月29日

とどでございます。

比叡山の焼き討ちで光秀がまさかのMVPになってしまいました。光秀自身は女子供を逃しましたと正直に伝えましたが、「聞かなかったことにする」と信長はスルー。命令違反や裏切りは1回くらいなら許してくれる度量の大きさを感じますが、この時の目が笑ってない感じは怖くていいですね。

敵になったら徹底的に叩き潰すスタンスの信長に対し、将軍の義昭様はやりすぎだと激おこ。「なんで誰も止めないんだ！」と部下たちに怒ってものらりくらりと摂津がかわして逆に「織田と手を切りましょう。その覚悟はおありか？」と詰められる始末。

この二人が協力するために幕府に入った光秀でしたが、上で仲違いしているとめちゃくちゃ胃が痛い立場になってしまいますね。お駒さん、お薬分けてあげて。

焼き討ちに幕府は激おこ

幕府を一番支援している立場の信長が、帝の弟である覚恕さまが治めている比叡山を焼き討ちしたのには義昭様も激おこでした。

「なぜ誰も止めない！？」と摂津をはじめとする家臣たちに怒鳴りつけましたが、摂津はどこ吹く風。「いやーまさかここまで急に動くとは」なんて気にしていない様子。かなりのつよつよメンタル。

義昭様もスタンスの違う信長と手を切りたいようでしたが、そこにつけ込んだ摂津は「筒井と松永を使って代理戦争をするべき。筒井を応援すれば幕府の立場も伝えられる」と逆に覚悟を問う形に。

結果として信長は筒井順慶を支援するつもりだったので、もし実現していても摂津の思い通りにはならなかったかもしれませんが、幕府内で信長を排したいという機運が高まってきました。

光秀の葛藤

比叡山の焼き討ちの際、高僧たちが逃げた先の情報を掴んだ光秀。結果として信長が比叡山のトップたちを討伐することに繋がり、光秀はMVPの扱いになりました。

光秀自身は焼き討ちには納得していなくて、全員斬れと言われていましたが現場の判断で女子供は逃していました。でもMVPをもらったことで「光秀がめっちゃ斬った」みたいなイメージがついちゃいましたね。

信長は「あいつらは心に刃を持っているから斬っておくべきだった」と言っていましたが、これは光秀の子供であるたまに向かう形で実現してしまいました。自分を狙われるより辛いですね。

松永久秀との会談でも「ついていけない」と愚痴っていたのもあり、信長とはスタンスが違うことがはっきりとしました。でも松永から見ると「根っこは同じ」ようなので、信長も光秀も戦国の武士としてのやり方で大きな国を作ることを目指している点が共通しているのかも。

武士としてだからその手段の中に戦があり、戦に巻き込まれがちな京の人たちからすると結局戦するのかよ！　という感じになりそう。

お駒さんからの情報

お駒さんが「将軍のお側にいる」と言いながら内部情報を光秀にリークしているのがなんだか怖かったです。別に口止めされている訳でもないですし、信長のところに常駐しているとはいえ光秀も幕府の人間ですから別に問題はないはずなんですが、義昭様からしたら親しい人に漏らしたら立場が微妙な家臣に伝わっている訳ですからちょっと怖いですね。

お駒さんは戦に巻き込まれた少年はたった8文を残しただけで斬られた、それが戦だと光秀に伝えていました。いい戦、悪い戦の区別なく戦をする人間がいかんのだ、というのはかつて朝倉と戦をする大義を探していた信長にも伝わるのでしょうかね。

お駒さんは筒井順慶ともコネがあるようで、それを利用して光秀は筒井順慶と会い、松永との会談をセッティングしました。

本当にお駒さん何者なんですかね。麒麟の化身かなにか？