フリーランスの人は塙団右衛門の営業力を見習うといいかもしれない

2020年2月6日

名刺交換

ドラマ真田丸に出てきた塙団右衛門。彼は「塙団右衛門でござる!」と登場の度に自己紹介していました。

ご丁寧に木札に名前を書いてそれを渡す気合の入りよう。現代で言う名刺を大坂方の偉い人たちに渡し、名前を覚えてもらっていました。もちろん、この現代的な行動が私たち視聴者との共感を生み出し、印象に残ったのではないでしょうか。

ドラマ真田丸は中小企業である真田家の経営戦略を描いた話』のように、真田家を中小企業に例えてみましたが、それで言うと塙団右衛門はフリーランスか、零細企業の社長あたりでしょうか。

自分の名前を売り込まないことには、仕事が入ってこないので、ぐいぐいとアピールしている訳です。会社を辞めた後フリーランスになった私にとって、この姿勢は大事だな、としみじみと感じてしまったのです。

ここでは史実の塙団右衛門の話と言うよりは、ドラマの登場人物としての塙団右衛門をテーマにします。

名前を売り込むのは大事

大手の企業に入ったならいざ知らず、塙団右衛門のように自分の名前で仕事をしないといけない人にとっては、名前を覚えてもらわないことには始まりません。

大坂の戦いの頃であれば、仕事の内容は戦働きに絞られますから、名前さえ売っておけばその仕事が入ってくるでしょう。幸村が大坂城に入った回での塙団右衛門の描かれ方はとても現代的で、自己紹介、名刺渡しと、私たちが行う行動そのものでした。

視聴者にとってはインパクトが大きかったですし、おそらく幸村をはじめとする武将たちにとってもインパクトがあったことでしょう。

他の牢人たちが言葉でのみ自己紹介しているのに対し、塙団右衛門は名前を書いた木札を渡すというアピール方法。ランチェスター戦略における弱者の戦略のひとつ、差別化ですね。(覚えたての言葉)

牢人にとっては、なるべく上の人に名前を覚えてもらった上で、戦場で手柄を立てる、という経営戦略が必要になります。上の人に名前を覚えてもらって仕事をもらうというのは組織内部でのシェア争いですね。

何度も名前を言ったのも良かった

「塙団右衛門でござる!」と何度も繰り返していたのも、名前を覚えやすくした要因です。

最初に自己紹介された人は、その後いろんなところで「塙団右衛門でござる!」と何度も聞くもんだから、「あいつまたやってるよ」なんて思いながらも、名前はしっかり覚えちゃうのです。

人間は同じ情報に何度も接していると、それが重要な情報だと判断するため、記憶に残りやすくなります。

塙団右衛門の自己紹介は、人間の記憶の仕組みまで計算したものと言っても過言ではありません。……過言でした。

ちゃんと仕事をもらえた

真田丸の中ではサブキャラの位置づけの塙団右衛門ですが、その後ちゃんとお仕事をもらっています。

徳川方が夜通し鬨の声を上げ、大坂方を疲弊させている頃、塙団右衛門が大坂牢人五人衆に攻め入ることを提案します。後藤又兵衛をはじめとする血気盛んな上の人を筆頭に、賛同してもらっていましたね。

さらには、一番槍という誉ある役までもらっています。これは名前をアピールしていたからこそ得られた結果ではないでしょうか。

評価してもらう場に立つ

塙団右衛門の場合、名前を覚えてもらって、かつ上記の提案でちゃんと戦果もあげたことから、大坂夏の陣では1つの部隊の将として出陣することができました。

まずは評価してもらえる場に出ないとどうしようもないことを教えてくれます。評価すらしてもらえずに退場することもありますから、名前の売り込みは大事ですね。

(余談)あっさりとした退場

第49回「前夜」では、「……えっ」というくらいあっさりと退場した塙団右衛門。彼をはじめとして大坂方の人々の最期は「まじか」と思うくらいあっさりと描かれていました。

時代の奔流に押し流されていることの表現と考えれば、超高速関ケ原など、幸村の視点の外にあるイベントはあっさりとするぐらいが丁度いいのかもしれません。

そういった意味では、幸村の視点の中か、外かという描き分けは最初から最後まで貫いているように思います。

※2016/12/19追記:あっさり描かれた答えは最終回にありました。『さらば信繁! 真田丸が終わってしまったので最終回の感想とか』こちらにその答えについて書いたのでよかったら。

まとめ

真田丸に出てきた塙団右衛門からは、名前を売ることの重要性を教えてもらいました。

どうも、とどです!

……私の名前、言いにくいな。塙団右衛門のような言いやすくてインパクトのある名乗りを考えてみたいと思います。うん。