麒麟がくる第二十五回感想「羽運ぶ蟻」ちゅう太郎探しで威厳が吹き飛ぶ朝倉さん

麒麟がくる

とどでございます。

迷っていた覚慶さんは還俗して足利義昭になりました。朝倉を頼って越前まで来たものの、光秀が前回「将軍としてはどうかと思う」と伝えたせいで直接会うことなく半年も別の場所で留め置かれました。仮にも将軍候補なのに、朝倉さんはだいぶ強気ですね。

一方、信長は斎藤龍興(たつおき)を追放して美濃を平定しました。岐阜で義父の斎藤道三がいた稲葉山城に入るのはなんだか感慨深いものがあります。

覚慶さん足止め

大和(今の奈良県)から遥々越前(今の福井県)まで足を運んだ覚慶さん。次の将軍候補として朝倉義景の支援を得ようと頼ってきたものの、光秀が「将軍にはどうかと思う」と伝えてしまっていたため、朝倉は会ってくれませんでした。

いつ会えるかも分からない、というか応援してくれるかも分からない状態で半年も待ち続けるのは中々心に来ます。無為な時間を過ごしていると「自分は一体何をしているんだろう……」と言いたくなってしまいますからね。

心を落ち着かせるという意味では僧侶出身の覚慶さんはお手の物かもしれませんが、覚慶さんを支えている細川藤孝がだいぶフラストレーション溜まっていました。光秀にも愚痴を言いに来てます。

「隣にいる男のせいで今こうなっているんですよ」と教えたら、さしもの藤孝どのでも右ストレートで光秀を殴るかもしれません。

そうそう、覚慶さんなんて呼んでいますが、還俗して足利義昭となったんでしたね。これから将軍になろうとしている人が蟻が羽を運んでいる姿を眺めているのは中々見られるシーンではありません。

信長の美濃入り

織田信長は斎藤家との戦いに終止符を打ち、美濃を平定しました。

この時点ではもう斎藤義龍(高政)は病で亡くなってしまっており、その子供の龍興(たつおき)が美濃をまとめていたのでした。ただ若くして家を継いで、家臣たちの流出も止まらずに優秀な人から辞めていく泥舟状態から立て直すことができない苦しい状況だったようですね。

信長にとってはまさにチャンスで、ドラマの中では語られませんでしたが、色々と周りから埋めていくような戦い方で無事平定となりました。

平定が終わって稲葉山城で城から外を眺めるシーンは、義父の斎藤道三を思い出させます。

斎藤家が追放されたことで、斎藤義龍に反旗を翻した明智家も戻れるようになりました。かつて明智家を支えてくれた伝吾から手紙が届いたことで、光秀は母と共に美濃に行くことになりました。

この時のオカンの様子がもうフラグ立ちまくりで心穏やかではいられない感じでした。もう会えないような口ぶりでしたからね。

久しぶりの対面

信長との対面は……足利義輝の命を受けて上洛するようお願いしに行った時以来でしょうか。久々に会った信長は「お主、儂に仕えぬか?」と登用の打診。

ここで信長の家臣になるのか!? と若干興奮気味で見ていれば、「申し訳ありません」とお断り。ここではなかったか。

仕えるなら義輝様と決めていたけれど、事件が起こったことで「分からなくなった」と正直に伝えました。信長も「儂だってどうしたらいいか分からない」と言いつつも、「ただ、儂はみんなが褒めてくれるから戦は結構好きだよ」とサイコパスっぽいことを言い始めました。

この承認欲求を植え付けた土田御前は戦に巻き込まれた人々に詫びてくださいね。

光秀は信長の話を聞いた後、小競り合いなどの戦ではない方法で大きな国を作る方法を伝えました。畿内を掌握すれば大きな国を手に入れることができると伝えたことで、信長の目が輝きます。

「これくらい大きな国か?」と地図の周りを走り回る信長可愛すぎませんかね。

突撃隣の義昭さん

美濃から帰った光秀の家にはまさかの足利義昭さん。お寺で子供たちに勉強でも教えていたのでしょうか、光秀の子供たちとも仲良く遊んでいました。微笑ましいですね。

初めて会った時には「死にとうない」と言っていた義昭さんでしたが、光秀に会いにきた時には将軍になる覚悟を決めていたようです。

自分の体よりも何倍も大きな羽を運ぶ蟻を見て、「この蟻は意地になって自分だけで羽を運ぼうとしている、まるで今の私のようだ」とまるで古典の教科書に載っていそうなことを感じた義昭。光秀に会いにきた時には助力を乞うことを厭わない姿勢を見せました。

自分ひとりだけでなんとかしようとするのではなく、他の人の力を借りることができるのは強いですね。自分にできること、できないことをしっかりと分かっているということですから。

この様子を見た光秀は朝倉義景の元に赴き、「考えを改めました」と伝えました。覚悟の決まった義昭だったら、朝倉のように将軍を利用しようとする狸からも守ろうと思えるのかも。

朝倉は朝倉で「担ぐ神輿は軽い方がいい」と悪いこと言い始めましたし、また権謀術数が繰り広げられる戦国らしさが出てきそうですね。

ちゅう太郎様

義昭が覚悟を決めて、光秀もそれに協力しよう、よしやるぞ! な感じが全て朝倉の子供によって吹き飛ばされました。

朝倉の子供、阿君丸(くまぎみまる)は「ちゅう太郎がいなくなったー」と泣きながら登場。直前まで悪い顔をしていた義景が子供にデレッデレの状態でネズミのちゅう太郎を探しに行きました。自分で縁の下まで入る気合いの入りようです。

溺愛されている様子がよく分かりますね。予告ですっごい不穏なシーンがありましたが、これほどまでに溺愛している子供があのシーンのようになってしまったら、義景は何も手につかなそうですね。

義昭を担いでいる状態ではなくなるかも。

まとめ

覚慶さん改め足利義昭さんが将軍になる覚悟を決めました。京ではすでに新たなイケメン将軍足利義栄が征夷大将軍になっているので、これは……戦やな?

勝った方が将軍の座を射止める「勝てば官軍」方式のデスマッチですね。