いだてん36話感想「前畑がんばれ」前畑さん悲願の金メダル!

2020年2月15日

前畑がんばれ

とどでございます。

前畑やった! 金メダル!

だけで終わらないのがこのいだてんです。

ベルリンオリンピックが終わったら、次は1940年の東京オリンピック。嘉納先生はそのプレッシャーからか、なんだか様子がおかしいようです。

陸軍まで出てくるわ、日中戦争が始まってしまうわであーもうめちゃくちゃだよ。

今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは『前畑がんばれ』。ひらがなになっているので、1991年に放送されたNHKドラマが元ネタでしょうか。

カタカナの『前畑ガンバレ』だと、1981年に出版された兵藤秀子さんの著書です。「秀子」でお気付きかもしれませんが、前畑さんが結婚後に出版した本です。

放送後に老年の前畑さんがインタビューを受けている姿を見て泣きそうになりました。大河ドラマ的に考えると超最近の人ですものね。56年後に岩崎さんが金メダルを取ったってのもすごい話ですが、その時前畑さんが表彰式にいたのもなんだかすごいです。すごいしか言えない。

「がんばれ」がプレッシャーに

実際の実況では「がんばれ」の連呼でしたが、前畑さんにとってはそれがプレッシャーだったようです。他の人に「がんばれ」と言われることをめっちゃ気にしてましたね。

金メダルを狙えるほどの実力を持った人にしか分からないプレッシャーでしょうか。4年前のロサンゼルスオリンピックでも銀メダルを獲る実力を持った人でしたから、周りからの重圧はとんでもないことになっていそうです。

周りからしたら祈ることしかできないのがまた辛いところです。思いを託すしかないですもんね。

金栗四三からの電報も「誰やねん」と無下にする姿には新時代感がありました。24年前のオリンピック出場者で、種目も違えば名前を知る機会もない……のかも。

ヒトラーに挨拶

「You、ヒトラーにお礼言っときなよ」とラトゥールに言われた田畑のまーちゃん。直接お礼を言えるまさかのチャンスがきました。

前畑の激励にきたまーちゃんが見たのは、前畑のライバル・マルタを激励しにきたヒトラーでした。マルタちゃんからしたら「金獲れなかったらやられる!」くらいのプレッシャーですね。

去り際のヒトラーに勇気を出して声をかけるまーちゃん。「アレがナニしてダンケシェーン」と、もはや何が何だか分からないお礼でしたが、ヒトラーは手を差し伸べて握手を申し出てくれました。階段で握手したからか、握手の後にまーちゃんの手がハイルの形になっているのもシュール。

前畑家劇場

いつもの。

試合前夜には、前畑の亡くなった父母が現れます。

プレッシャーに負けそうな前畑を励ますふたり。「あんたが生まれてきてくれたことがお母ちゃんにとって金メダルなんよ」と泣かせるセリフも。

ギャグシーンの中に感動パートを入れてくるのは不意打ちなのでやめていただきたい。泣いてしまいます。

前畑がんばれ!

いつもは夜中の12時で放送を打ち切っていたため、前畑が出場する水泳の決勝では「電源を切らないでください」から始まった放送。

河西さんは風邪で喉をやられていましたが、そこは根性で実況の席に立ちました。ロサンゼルスオリンピックの時はリアルタイムで実況できずに、後からそれっぽく実況する実感放送でしたもんね。がんばリベンジです。

河西さん、最初のうちは普通に実況をしていましたが、ラストスパートでは「前畑がんばれ!」を連呼。これがかの有名な前畑がんばれの放送です。

金メダルがかかったレースですから、日本中が一丸となって応援していました。こういう元気玉みたいな展開はめっちゃ好きです。もちろん前畑自身の頑張りがあってこその金メダルでしたが、みんなで応援している感じが好きなんです。

あ、でもロサンゼルスオリンピックに参加した水泳の選手たちが朝日新聞の社屋で酒飲んでるのはまさかでした。居酒屋かと思いきや、普通に緒方さんが仕事してましたからね。

「お前ら帰れよ!」

と至極まともなことを言っていましたが、決勝では一緒になって前畑を応援していた緒方さん。ほんといいキャラしてます。

しれっと抱き合うりくちゃんと小松くん

播磨屋で実況中継を聞いていた金栗四三と弟子の小松くん。播磨屋さんはやたらお酒飲んでるし、回し飲みしてるし、清さんも駆けつけるしでお祭り騒ぎでした。

ちょうどラグビーのW杯の試合があった土曜日に友達と飲んでいたのですが、お店でラグビーの中継をしている時、外国の方々がすっげぇ盛り上がっていたのが思い出されました。トライを決めた時には店中が「うおおおおおおおお!!!」という大歓声。スポーツの応援は盛り上がりますよね。

とまぁ盛り上がりは分かるのですが、しれっと小松くんがりくちゃんと抱き合ってましたね。りくちゃんも満更でもない様子でしたし、このふたりやっぱり……。

金栗先生の容赦ないツッコミが入りましたが、あれマジで痛そうな感じですね。

ヤーコブが……

ベルリンオリンピックで日本選手団の通訳を担当してくれたユダヤ人のヤーコブはオリンピック後に自ら命を絶ったそうです。

オリンピック期間中は差別が緩和されていましたが、オリンピックが終わったらユダヤ人というだけで迫害を受けることが分かっていたため、それならばいっそ……と。歴史的にもユダヤ人がどういう扱いを受けたかを考えると、絶望してしまいます。

日本で「ベルリンのように豪華なオリンピックを!」「ベルリンに負けないオリンピックを!」と息巻いている様子と対比になっています。ベルリンオリンピックの闇は深い。

「マエハタ、ガンバッタ」と前畑から勇気をもらったけど、「次は難しい」と東京オリンピックでは自分は通訳をしない宣言もあったし、覚悟を決めていたのでしょうか。切ない。

おや? 嘉納先生の様子が……

ベルリンオリンピックの最後に出された「SEE YOU TOKIO」の文字。次は東京オリンピックだ! と気合いを入れて準備する嘉納先生たちでしたが、なんだか嘉納先生の様子がおかしいようです。

金栗四三が会いにきた時も「いだてん」の言葉が出てこなくて、弟子の小松くんの紹介もできずに部屋にこもってしまいました。

あまりの忙しさに余裕が無くなったのかな? 特に陸軍が色々と口出しをしてきたようで、新聞にもオリンピックについては陸軍の意見が前面に出されていました。

副島伯爵はこの状況に違和感を覚え、「オリンピックは国家の威光を示すのではなく、純粋にスポーツの大会であるべき」とまーちゃんに愚痴をこぼしました。副島伯爵は軸がぶれずにいてくれるのが安心です。

嘉納先生はどうしちゃったのかしら。

まとめ

ベルリンオリンピックで金メダルを獲得した前畑秀子。練習のストイックさも驚愕でした。すごい。

物語は1940年の東京オリンピックをどうするか話し合いを進めつつ……なんて時に、なんと日中戦争が始まってしまい危険な状況に。戦争中の国で平和の祭典なんてできるのかしら(すっとぼけ)

次回のサブタイトルは『最後の晩餐』。1949年に新潮社から刊行された石川淳の小説が元ネタでしょうか。まぁ元ネタの元ネタはレオナルド・ダ・ヴィンチの絵ですね。

誰にとっての最後の晩餐になるかは……予告の感じだと嘉納先生でしょうか。「最後の大舞台」なんてテロップ入ってましたし。嘉納ロスはきついなぁ……。